このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
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見 よ !
あ れ が 猛 者 た ち の 鈴 鹿 峠 だ !
延々続いていた舗装路が切れ、ついにダートが現れた。 されど、何か違和感を感じる。 一般的なダート路と違い、何かがここには足りない。 お気付きだろうか? ここ、全く4輪の轍が無いのである。 舗装路が途切れた先にはアフリカのステップ大地のような平場が細長く先に続いているのである。 恐らく、この先は林業者の軽トラさえ立ち入らぬ、と言うよりも立ち入れられない状況が待ち受けていると言う事だ。 | ||
さっきまで1〜1.5車線あった幅員も、ダート区間に入ってすぐに0.8車線程に狭まる。 確かに軽でもキツイ。 更に路面には握りこぶし大の岩がゴロゴロ転がっていてガレガレである。 だが、不可能を可能にするマシン『ジムニー』なら・・・ | ||
うーん、流石にジムニーでもムリかなァ・・・。 既に登山道規格です。 左側路肩、笹の葉が覆い茂っているが実は奈落の底へ直行の急斜面である。 まあ、2輪車なら快適とは言えないでも何とか行けるレベルである。 まだまだ「大自然の厳しさ」と言うほどではない。 しかし、この画像の先の90°カーブを曲がると・・・ | ||
なんか、来たな。 そろそろ道と言うには厳しい状況に。 てか、なんだアノ鉄の板。 工事現場で良く見かける足場っぽいが、何でこんなトコに。 近くによって下を覗いてみる。 | ||
うわァ、ゴッソリ逝ってやがる。 崩れた路肩に、上部から流れ落ちてきた流水により更に路面を削りとってしまっている。 故にこの路肩崩壊区間の最狭幅員箇所は0.25車線を下回っており、 も一つ困ったことに路面(と言えるのか?)がやや崖側に傾斜しているのである。 まあ、アレだ。 ヘマをしない走行さえしなければ何とか行ける。 ヘマをさえしなければ。 だが・・・ 万が一、ヘマをすれば・・・ ア ノ 高 さ は 助 か ら な い な 。 超へっぴり腰モードでそそくさと抜けて行きました。 まァ、抜けるときは一瞬。 普通に行けば、問題なく抜けられんるんだけどね。 ただ見た目のインパクトと万一の恐怖がどうしても纏わりついちゃうんだな。 とにかく崩落地点を越え、ほっと一息つく。 しかし・・・ むしろこの先が神大滝林道の本領発揮であった! | ||
コレは道ぢゃねぇ! つーか、ツーリングマップル! この状況はダートとかそんなレヴェルじゃねーぞ! どー考えても 点線表記規格 だろ、コレ。 更にこの先には・・・ | ||
神大滝林道最難箇所が登場。 高さ40〜50cmあろうかと思われる鬼段差。 コレが生半可な挑戦者を跳ね返す、 まさに鈴鹿の壁。 横から見たらおそらくこんな感じだ 要するにフロントタイヤ分の段差を超えなければならないのだ。 その為には助走をつけ、一気に駆け上がらなければならない。 しかし、助走区間はお世辞にも長いとは言えず、 更に減速を誘うガレ岩や泥濘。 パワーを誤りバランスを崩せば段差を登る前に転倒してしまうだろう。 まさにライダーの技術が問われる難所だ。 | ||
果たして、セローさんと自分はこの鈴鹿の壁を乗り越え、 峠に轍を刻む事が出来るのか? 下見を終え、覚悟を決めてセローさんに跨る。 ギリギリ一杯に助走距離を作って(すぐ後が路肩崩落箇所なのでちょっと怖い)エンジンON。 アクセルを初っ端から強めに廻し、一気に加速。 すぐさま1速から2速に上げ、時速25km程でクレパスに突っ込む。 案の定、劣悪な路面状態にやや減速気味になる。 一瞬止まりそうになるが、すぐさま1速ダウン、アクセルアップ。 唸りを上げて鈴鹿の壁へ! ガツン! 強めの衝撃と共にフロントフォークは激しくストローク。 しかし、多少落ちたが勢いはまだある! いけっ 車体は大きく上向き前輪は、己の口径ほどもある段差を乗り越え上部に乗り上げた! しかし、問題はこれからだ。 車重の半分以上を占めるエンジンをリアタイヤの力で担ぎ上げねばならない。 リアが段差に差し掛かった所で、大きく減速。 今にも止まりそうな速度だ。 経験的にこういう所でストップした時、復旧に非常にめんどくさい事を知っている。 アクセル全開、エンジンが泣きを入れるほどに回転数を上げる。 しんどいのはバイクだけでない。 全体重をバイク前方に傾け、さらに両足を段差上段に乗せ力一杯踏ん張る。 あぐぁれぇーーーーーッ! 本当に止まりそうで止まらない速度ながら、ジリジリ上昇。 人気の無い山中、 たった一人、轟音巻き上げながら岩場と格闘する男。 憤怒の形相、全身からは汗が噴き出す。 不自然な体勢ながら、目は切れ込んだV字の先だけを凝視する。 上がれッ、上がれッ、上がれッ、上がっ・・・ ポン。 そんな音が聞こえるような感じだった。 今まで押さえつけられていたような抵抗は突然無くなり、 むしろ解き放たれ反動で、セローさんはやや暴走気味に荒れた斜面を駆け上がる・・・ 鈴鹿の壁、突破! | ||
ガレ場で暴れるセローさんをなだめ、ようやく停止。 ふひーっ。 いやいや、よくもまあ転倒もせず一発で上がったモンだ。 まあ、うまい人ならここまでムキにならんでも上がれるんだろうけどね。 それでも自分的に、ここをちょいまぐれ気味ながらも一発クリアはちょっと嬉しい。 2007年、 万世合同アタック にて他の人のオフテクを見て、 「ああ、もっと上手くなりてぇ。」と思ったものである。 そんな訳で2007〜2008の冬はオフ技術向上シーズンとして、足しげく ココ に通ったりしてたのである。 ある程度練習の成果が出て、ホント良かった。 これからも地道に技術磨くぞー。 | ||
最難箇所を突破すれば峠まであと少し。 改めて「コレは道じゃない。」と思いつつ、岩だらけのクレパスを進む。 | ||
峠が見えてきた。 いや、峠と言うよりむしろ水が無い渓谷にも見える。 丁度V字を境目にして茶砂と白砂でくっきり分かれている。 この箇所で恐らく違う岩盤がぶつかり合っているのだろう。 この時、ふと思いついたのが『あしゅら男爵峠』。 | ||
坂下峠へ到着。 ・・・何度でも言う。 ここ、ホント車道だったんか。 |
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