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≪第5日目・3月22日≫
| 起きてびっくり。 昨日とは打って変わったような白い空。 「霧だ〜」空気までしっとりとしている。 朝早いせいかなあ。(今日乗るバスは8時発なので今はまだ6時代!) いちおう上着も用意して、さあ遅刻しないように出発だ! 昨日のバス・ターミナルに向かってずんずん歩く。 早朝のせいか人も少なくてなんだか気持ちいい。
と私たちの前に一軒のBarが出現! 「あそこ開いてるけど、なんか持ち帰られるパンとかないかなあ・・・」 外にサンドイッチの看板が出てるし、なんか買えそうな雰囲気。 中に入って聞いてみると、トーストなら持ち帰りOKとのこと。 さっそくそれを3個と1lサイズの瓶入りオレンジジュースを購入。(全部で725pts) トーストはフランスパン、ちゃんとバターとジャムをつけてくれるのがうれしい。 「あ〜、なんか安心したよ。」(とりあえず空腹は辛い!) 無事、バス・ターミナルに到着してチケット購入(アルコスまで一人925pts) 「なんだぁ、思ったより時間あるじゃん!」 というわけで、ベンチでごそごそパンとオレンジジュースをほおばる私たち。 「なんかちょっとめだってるかも・・・・・」 半分ぐらい食べたところで、はっと気づいた。 「なんだ、バスターミナルにBarがあったんだぁ・・・・」 アルコス行きのバスは窓がとても大きく、座席もゆったりしてとても乗り心地がいい。 それにしても霧がひどくて想像以上にさむいさむい。 バスに乗ってても上着を重ね着してもまだしんどいくらい。 「アルコスはだいじょうぶかなあ・・・・・」 せっかくの白い町めぐりだもん。やっぱり空が青くないと・・・ 不安になる私。 「おっ!なんか晴れてきたじゃん!」 バスが出発して少しすると外にだんだん青空が見えてきた。 よかったよぉ・・・・・ |
| 気がつくとすっかり晴れ上がった青い空。 なだらかな緑の斜面にくねくねと続く一本道をバスはひたすら走る走る。
なんかわくわくしてくるぞ。 途中のバス停ではおばあちゃんと孫らしき女の子の二人連れが乗って来たりして、本当にのどかでいい感じ。 バスはカディス湾の方に抜け、ヘレス・デ・ラ・フロンテーラの方を通り、終点アルコスへ向かうのだ。 どこまでも続くかに思えた山道がうとうとしているうちに消え、斜面にそそり立つような白い町が見えてきた。 「すごいきれいな町だぁ・・・」 名前もわからない普通の町なのに、なんだかとっても心惹かれる。 でも今日の行き先はアルコス。しかもこのあとのバスは今日はもうないので、泣く泣く降りるのはあきらめ。 「こんど来ることがあったら ここで降りてみたいよね〜。」 そこからはもうだんだんと都会的な景色が始まってきた。 道も大きくなり、ところどころに大きな看板が立っている。 そして・・・ 「うわぁ・・・あれって海???」 遠くに広がるきらきらと青い海! さっそく地図で確認。 しょうこがちゃんと地図で走ってきた道をたどってくれていた。 「あれってカディス湾だよ!」 そしてバスはずんずん岸のほうに進んで行く。 ん? 外に見えたアルコスを示す標識は逆の方をさしていたぞ? 「あれ?なんかアルコスとは方向が違うけど、だいじょうぶかなあ???」 急に不安にかられる私たち・・・・ しかも海岸沿いの町で停まったバスは待っても待っても発車しない。 「まさか、気づかないうちに通りすぎちゃったとか・・・・」 「そ、それはやばいよ・・・」 あせって運転手さんに確認。 「アルコスはこのあと行くから、このまま乗ってていいんだよ〜。」 ふう〜、よかった。 (じつはここで私が“海”と思っていたのは本当は湖だったらしい・・・・) |
| ついに アルコス・デ・ラ・フロンテーラ(Arcos de la Frontera)に到着! バス停を降りるとそこには何もない。 「あれ?」 と思いつつうろうろ。 バス停の外にいたおじさんが「町ならそこを登っていくんだよ。」と教えてくれた。 荷物を抱えて、えっちらおっちら。 はぁ〜っと息をついて、やっと車通りに出たと思ったらそれはさらに延々と上って行く坂道。 もっていた唯一の地図(しかも雑誌の切り抜きだぁ)を見て、今いる位置を確認しようとしたけど、バス停が見当たらない。 「もしかして、町の外れすぎて載ってないわけ・・・・・」 (ほんとは単に新市街にいただけなんだけど、それが坂下だったからまるで町外れのように思えたのだ。) 「ねえねえ、もしかしてあそこに見えるのが今日の宿だったりして・・・・」 遠く遠く山の上に見えるようなところにある石造りの城。 ま、まさか・・・でも、やっぱり・・・ そういえばアルコスは断崖絶壁の上にある町ってどこかで見たような・・・・
必死になって坂を登る。 なんかどこまでも限りないように思えるよ・・・・ しかし商店街らしき大通り(もちろん坂道)をさらに上へ行くと、そこはもう雑誌で見た通りの真っ白な町。 昨日もカルモナも素敵だったけど、ここは急な坂だらけのせいか階段状の町並みがなんとも言えない雰囲気をかもしだしている。
一瞬筋肉痛の辛さも忘れ、辺りの景色に見惚れてしまう。 「写真 写真!」 ・・・・・あ、カメラ壊しちゃったんだった・・・ (そう、私のカメラはセビーリャのアルカサルの庭で突如としてシャッターが下りなくなってしまったのだ。カメラもシエスタか?) 大事なときに限って使えないヤツ(カメラ)・・・。 仕方ないのでしょうこに頼んでいっぱい写真を撮ってもらうことにする。 だってフィルム山ほど持ってきちゃったもんなあ。 しかし、私たちはこのときまったく知らなかった。 実はしょうこのカメラもピントが壊れてしまっていたことに・・・ (あとで現像したら何がなんだかよくわかんないぼんやり写真が大量に撮られていた 涙) 気が遠くなりそうなほどの坂道をなんとか登りきり(気が遠くなりそうだったのは私たけだったかも。)やっとこさ、たどりついた山の上。 おお〜、こここそまさにアルコス・デ・ラ・フロンテーラの白い町だ。 あの坂道を登りきったあとだと感激もまたひとしおだよ。 |
| 断崖を登りきったカピルド広場に、ここアルコス・デ・ラ・フロンテーラのパラドールが立っている。 この広場の展望台から眺める景色は最高! ちなみにここはスペイン語のスラングで“すごい!のバルコニー”といわれているらしい。たしかに思わず「すごい!」と叫んでしまう絶景。 おっといけない、まずはチェックイン。 どきどきしながらフロントへ行くと部屋が2部屋用意してあるという。 どっちにするか見てから決めたら?といわれてさっそく案内してもらうことに・・・ 「うっわぁ〜〜〜〜!!!!!!」 「この部屋めっちゃくちゃかわいくって、しかも景色がさいこー!!!!」
最初に案内された部屋はなんとしっかり村が一望できるバルコニー付き。 「これって高い部屋だよね・・・・。でも気に入っちゃったよ。いくらなんだろ?」 と恐る恐る聞いてみたらなんとこちらが“安い”ほうの部屋。(ルームチャージ23,625pts) もう3人一致で即断しちゃったよ。 しかしこれが安いほうということはもう一つ用意されてた部屋(33,464pts)って・・・ たしか“ハウス ペンシオン”って言ってたけど、いったいどんなとこだったんだろう??? 後になってから「見せてもらえばよかった」とちょっと後悔したのだった。
←これはカピルド広場に面して立っているサンタ・マリア教会。(入場料 150pts) 中はステンドクラスなどはなく、シンプルな雰囲気。 ただ、祭壇はセビーリャと同じく金色に塗られた木製のもの が随所にある。 絵や壁画も多いけど、どれも他の場所から運ばれてきたもの らしい。 中央のパイプオルガンがある部分は木製の細工がとっても見事 なコーラス席。四角く囲まれているせいか、声がまっすぐ上に 流れとてもよく響く。 |
| 大満足の部屋を出て、さっそく町を探検だ! まずはカピルド広場を隔ててパラドールの向い側にあるインフォメーションへ。 ここでとっても気になるものを発見!
「な、な、何だ?この人形???」 ミッキーマウスとかもあったりするところをみると、別にここのお祭りかなんか用ってわけでもないのか? でもこの人形、じつは町のいたるところで売られていたのだ! (しかもアルコス以外では見かけなかった) ちょうど指くらいの長さでなんだかかわいらしい。 そして見つけた素敵なお店“GALERIA DE ARTE”。 ここは単なるお土産物屋さんとちがってアルコスのアーティストたちの作品を置いているらしい。 そのせいか絵や陶器などかわいらしい味のあるものが雰囲気よくきれいにディスプレイされている。 お店のおにいさん(たぶん彼もアーティストの一人)もとっても感じがよくて、思わずしばし居座ってしまった。 今回買ってきたものの中で一番気に入ったのが、ここで手に入れた粘土細工のアルコスの町並み。 ちょうど手にのるくらいの大きさで作られているんだけど、家々の窓や入り口が微妙にひっこんでたりして、とにかく 丁寧に作られている。 (似たようなものはほかの町でも見かけたけど、ここのほど丁寧な作りじゃなかった。) 買い物袋片手に町をふらふらしていると何だかとってもおなかが空いてきた。 ここはとにかく石畳のうえ、そこらじゅう坂道だから体力皆無の私にはとっても辛い町なのだ。 しかも3月とは思えないほど暑い!
ちょうどオープンエアーな席(ようは道端にテーブルが出してあるだけ)のあるBARを発見したので、そこのランチにチャレンジすることに決定!
ちょっとうれしい気分。 さっそく席を陣取って、本日のメニュー(ようは定食ってこと)を注文。 料理がくるまで、私は街角のスケッチにいそしんだ。 これが暑い暑い。 辺りが白いから照り返しもものすごいのだ。 日陰にしゃがんで絵を描いてても汗がでてくる。 はぁ〜、体力消耗だ。 そしてちょうど描き終わるころ、料理が出てきた! (←これがそのときのメニュー。かなりおいしい)
「おいしい!」 メルルーサのにんにく炒めがたまらないおいしさ。
今まで食べた料理はけっこう塩辛かったんだけど、ここのはちょうどいい感じ。 皮もパリパリ。 ガスパチョもしっかり冷えててほてった体にはとってもうれしい。 街角でのんびり食事をしているとほんとに「時間よ止まれ」って気分になってくる。 こんなところに毎日暮らすってどういう気分なんだろう? と、いきなり小さいバスが路地に乗り込んできた。 (まさに"乗りこむ"って感じ) 「こ、このバスはなに?」 どうも町をまわる巡回バスらしいのだが・・・・ 「どこにもバス停なんてなかったよね?」 「下の町にもいってるのかなあ?そしたら乗りたいよ」 「たしかにあの坂は辛いもんね〜」 いったいぜんたいこのバスの乗り方は? |
| おなかいっぱいご飯も食べたし、いったんホテルに戻ってひとやすみしよう。 しかし、私はちょうどサンタ・マリア教会が描きかけだったので広場に居残りすることに。 そこいらにしゃがんで黙々と描いてたら、いきなし見知らぬお兄さんが話しかけてきた。 スペイン語だからさっぱりわけわからん。 でもほめてくれてることは確からしい。
そのお兄さんがいきなり絵を描き終わってほっとひといきついた私をひっぱっていく。 「おいおい、いったいなにさせんの〜(ちょっと不安)」 と思ったら、カピルド広場の展望台のすみっこにいきなり連れてかれてしまった。 「君が描いたサンタ・マリア教会ともうひとつ、この町にはサン・ペドロ教会という教会があるんだ。ほらここから見えるだろう。あれもここから描くといいよ。」 お兄さんの勧めで(というか半分無理やりだった)広場の端っこから乗り出して、ひたすら絵を描く私。 台代わりの石塀がちょっと高くて描きずらいけど、がまんしなくちゃ。 (隣で描くのを見守られてるのだ) やっと描き終わったと思ったらさっそくお兄さんチェック。 「うんうん。いいじゃないか。」 斜めになってるから何だかずれた絵になっちゃったけど、お兄さんが満足してくれたみたいなのでよしとしよう。 にしても暑かったよ。 |
こんなに素敵な部屋だと何だかついつい部屋でのんびりしちゃうよね。![]() なんて気分でぐだぐだする3人。 何がいいってこの部屋。 トイレがめちゃめちゃ開放的。(笑) 出窓を開けてるとトイレに腰掛けた状態から景色が眺められて何だかとってもくつろいでしまう。 もっとも本当はお風呂に入りながら楽しむんだろうなあ・・・・ といってのんきに窓を開け放ってるとテラスに出てる人からは丸見えなんだけどね。 (あやうくけーこさんに目撃されるところだった私!・・・え?なにを?) 「そういえばカメラ直しにいきたい!」 急に思い出したけど、たしか坂の途中に写真屋さんがあったっけ。 あそこのおじさん、カメラを復活させてくれないもんかなあ・・・ ちょっとだけ期待に胸が高鳴る。 いちおうちゃんとした写真屋さんだったしね。 さっそくシエスタの終わった頃合をねらってレッツチャレンジ。 「壊れてる」の単語もしっかり辞書で引いて準備万端! よし行くぞ! 鼻息も荒く店に飛び込んでひと言 「カメラ、こわれた」(スペイン語の単語羅列) いかにも写真の専門家っぽい雰囲気の頼り甲斐のありそうなおじさんに訴える。 しかし、このおじさん実はまったく頼りにならなかった。 いちおう一生懸命レンズをいじったりシャッターをいじったりしてくれるんだけど、それは私たちが試していたのと同じような動き。 「なんかドライバーとか使って中見たりとかしてくんないのかなあ・・・」 と、思ってたらおじさんがなにか言っている。 「このカメラの説明書はないの?説明書に書いてあるよ、きっと・・・」 君はカメラの専門家ではないのか?おやじ。(ちなみにこの店は写真館である) 「日本のカメラはわからないよ」 ふむ・・・・ でも親切はおじさんは、この先にもう一軒カメラ屋さんがあるから、そこで聞いてみるといいと教えてくれた。 ありがとう、おじさん! というわけで今度はもうちょっと下の店でチャレンジ。 今度はおばちゃんだ。しかし、入ってすぐにいきなり店が暗くなった。 なんで電気消しちゃったの?と不思議に思ってたら「停電だ〜」とのこと。 どうやら外の工事のせいで、今日はときどき停電になってしまうらしい。 暗いなかで、おばちゃんが一生懸命カメラを見てくれる。 今度のおばちゃんは、ドライバーを取り出してきて、何だか手の動きがプロフェッショナル。 いやあ、人は見かけによらないね。 と期待に胸膨らむ。・・・・・が、結果はさっきのおじさんといっしょであった。 あ〜あ、と思ったが仕方ない。全力を尽くしてくれたおじさん、おばちゃんに感謝。 ついでだったので坂下の新市街をちょっと探検。 やっぱり真っ白できれいな町並み。子供達の笑い声や犬の吠え声がよく似合うなあ。 ひとまわりして満足したので、ここでひとやすみ。 公園のような広場でオレンジジュースタイム。 近くのBARがここにテーブルと椅子を出していてジュースを運んでくれるのだ。 アクセサリーなんかの屋台もあったりして若いお母さんたち軍団なんかでけっこうにぎわっている。 なんか、のどかでいいねえ〜。 |
| ひーひー言いつつ再び坂を登り、パラドールまで帰りついた私たち。 そういえば、さっき町を歩いたときにみつけたかわいらしい陶器やタイルがたくさんある雑貨屋さん、もう開いたかなあ。 (どうもシエスタ中らしく店が閉まってたので、窓からこっそり店の中をのぞきこんでいた。) 迷路みたいな道を「あっちだ。いやこっちだ」といいつつ、探し回ってやっと見つけたそのお店。 「わぁ〜〜! どれもみんなかわいいねえ〜」 置いてある陶器やタイルは色もデザインもとてもかわいらしい雰囲気。 そして一番かわいかったのが、お店のおねえさん。(にやり) レジの奥では陶器の色付け用の道具が、がさごそたくさん置いてある。 たしかに同じものは一つもないって感じだもんなあ。手作りの味だね。 見ているだけで、あっという間に時間が過ぎて行く。 と、いきなりまた店が暗くなった! 今度は外ももう暗くなっているから本当にまっくら状態。 ひゃ〜〜〜 みんないっせいに驚くからおかしかったよ。 今回はけっこう長い時間停電してたので、ろうそくの灯りの下で清算。 ゆらゆら揺れる光が幻想的で雰囲気抜群(おねえさんもきれいだし!) お土産物もしっかり買いこんで満足したので、今度は夕ご飯だ。 しかし、なかなかいい店が見つからない。 ちゃんとしたレストランに入るほどお腹も空いていないしなあ。 「どうしよう」と悩みつつ歩いていたときに発見した入りやすげな雰囲気のBar。 「ここにしよう!」 店の中には、ちょっとダンディーな雰囲気のおじさんときれいだけどちょっと年はいってそうな(?)お姉さんの二人。 とにかく食べるものをというわけで、身振り手振りで何だかわからないものを注文。 (とりあえず食べるものらしい。) まずは(これはスペイン語で言える!)オレンジジュース。 おじさんが昔ながらのオレンジ絞り機を使って力一杯オレンジを絞りはじめた。 これが見るからに大変そう。 うんしょ、うんしょと気合を入れて絞っている。
と、いきなり店の奥から何か土木工事のようなものすごい音が聞こえてきた。 「な、なに?いったい私たちが頼んだものってなんだったの?」 とっても不安にかられる3人。 ・・・・・・・・・・ しかし、出てきたのは普通の豚肉の焼いたもの(ちょっと硬いがおいしい)だった。 チョリソーもとってもおいしかったし。 いったいぜんたいあの音は何の音だったのだろう???? |
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