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JR北海道
ダイヤ改正の乱2007【前編】


2007年9月29日。
私が友人宅で酒を飲んでいるときに、ある友人が言った。
旭川に行かないか?



① 9月30日夜 札幌駅




謎の勧誘の翌日の夜。
私を含む3人は鞄を下げて、札幌駅へと向かっていた。

同行者は、まず勧誘の主、久々の登場となるちるどれん
もう一人は、これまた当サイトではご無沙汰の拓北である。

この3人で行った旅と言えば、 Sound Schedule Project1126ツアー
今回もまた、珍紀行となることは容易に想像できよう。





Sきっぷという、特急の自由席が対象の、往復割引切符を購入して、ホームへ向かう。
乗るべき列車は8番線からの発車。
発車時刻は19時半であるが、まだ19時前である。
入線まではまだ時間があったが、混雑することが予想されたため、出来るだけ早く着きたかったのだ。






階段を上がると、隣のホームに蒸気機関車が停車していた。
けたたましい汽笛を鳴らし、周囲の注目を浴びていた。
ちょっと乗ってみたかったが、残念ながら今回乗るにはこれではない。





これから8番線に入ってくる、列車を目当てに待っている人は既にたくさんいた。
このホームで、何やらセレモニーが行われるらしい。
マスコミもたくさん来ている。

そう。
今ここで、別れのセレモニーが行われようとしていたのである。





そう、10月1日のダイヤ改正によってライラックスーパーホワイトアローが時刻表から姿を消すのである。
特にライラックは、使用されていた車両、781系が本日をもって引退するため、別れを惜しむファンが大勢集まっていた。

勘の鋭い読者の方は、もうお気付きだと思うが、我々の目的は最終のライラックに乗って旭川へ向かうことである。





2007年9月30日19時30分発、ライラック21号。
この便をもって、L特急ライラックは27年の歴史に幕を下ろすのである。
私自身は一回しか乗ったことがないが(しかも砂川〜滝川の一区間のみ)、昔から親しんできた方にとっては、この上なく名残惜しいことだろう。

我々は列に並んで、最終列車の入線を待った。

千歳行きの普通列車がホームから去って、8番線がライラックを受け入れる準備は整った。
我々はホームに立ったままライラックの到着を待つ。





19時22分。
ついに最終のライラックが入線してきた。
私の興味の対象は、むしろ駅の方で、普段は車両には見向きもしないのだが、さすがに感慨深くなり、夢中でシャッターを切った。

無数のフラッシュの中を、ライラックが最後の仕事をするために、今入線した。







プレートは何故か「L特急すずらん」のものになっている。
急遽車両が足りなくなってしまい、同じ型を使用している「すずらん」の車両をまわしたという。
まぁ、同じ車両なので問題ないのだが、最後の晴れ姿がこれでは…とちょっと哀しくなった。






普段では考えられないような混雑ぶりのライラック車内。
我々は早めに並んでいたため、なんとか座ることができた。
私は3時間くらい前から並ばないと座れないと、ある程度覚悟していたため、ホッと一安心。

まったりしながら、しばし発車の時を待つ。




② 9月30日夜 石狩平野





19時30分。
発車と同時に発泡酒で乾杯。
喉ごしを楽しみながら、窓の外を眺める。

見慣れた札幌の街の灯が後方へ流れていく。
この文を書いている今も、ライラックは札幌の車庫から札幌の灯を見ているんだろうけど、我々がライラックの窓から、景色を眺めるのはこれが最後なんだろうなぁ。





ライラックが札幌市を抜け出した頃、車内で記念乗車証が配られ始めた。
表にはライラックの簡単な歴史が書かれており、裏にはライラックの以前の車両の写真が載っている。
ファンには嬉しい一品だ。

ライラックは車体を軋ませながら、夜の石狩平野を駆け抜けてゆく。







何やかんや話していると、いつのまにか美唄に到着していた。
美唄は旭川と札幌のちょうど中間辺り。
最終ライラックの旅も、あと残り半分だ。





変わった看板を発見し、咄嗟にカメラを向けるちるどれん。
残念ながら、被写体をカメラで捉えることはできなかったという。

…とまぁ、こんな風にまったりと過ごしている間も、ライラックは石狩平野をひたすら北上していた。




② 9月30日夜 旭川駅





21時。
最終のライラックは静かに旭川駅の2番線に滑り込んだ。
キキィと車輪を軋ませながら停止すると、乗客たちは次々と立ち上がり、デッキへと向かい始める。

出てゆく人たちを横目に、我々は座ったまま、じっと余韻を味わっていた。
最後の客たちが吐き出されてゆく。





客室が空になったのを見計らって、我々は荷物を持って立ち上がる。
そして車内を見回してみる。
人のいなくなった車内。
随分と広く、ガランとしてしまった気がする。

最後に一度だけシャッターを切ると、私も踵を返し、客室を後にした。






さようなら
ライラック—。





先頭付近には人だかりができていた。
行ってみると、なんと横断幕だ。

ありがとう 781系特急ライラック

どうやらこれから最後の撮影会が行われるらしい。







鉄道には興味がないのに、背伸びをしてライラックの正面を撮ろうと奮闘する拓北。
しかも携帯電話のカメラ。







人だかりで私は上手く写真が取れなかったので、拓北の努力の結晶を載せておこうと思う。
うむ…ケータイカメラでよく頑張った。





先頭は人が多過ぎるので、我々は最後尾に。
うーむ、やはり通は後ろに限る!!
一仕事終えた男の背中!!
ライラック、良いよ、ライラック。

こちらはお姉さん+横断幕ではなく、車掌さんとのツーショット。
うーむ、渋い!!



これで今回の旅は終了・・・








・・・ではないっ!!!!
決して終わりではないぞえ〜!!!!


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