このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
小玉醸造(名) 宮崎県日南市
(2009.10.10)
小玉醸造さんの焼酎といえば、何と言ってもレギュラーの“
杜氏潤平
”であり、“
おび蒸溜屋 あやこまち
”などに代表されるような入手困難な稀少銘柄だろう。毎年、そういった銘柄の発売を楽しみにされている方も多いと思われる。総じて、おっとり。女性的で繊細な味わいが蔵の焼酎の特徴なのだが、宮崎焼酎を代表する焼酎として話題を提供し続けられるのはやはりこの蔵の魅力、実力なのだと思う。
蔵のある飫肥城下の様子に触れるのは今更・・・な感じがするのだが、戦国時代にはこの城を巡って、島津氏と伊東氏が激しく争っている。途中、木崎原での伊東氏の退廃、秀吉の九州出兵、江戸幕府の開府・・・といくつかのターニングポイントはあったが、明治の廃藩置県まで日向伊東氏の本拠となり、また、外交官小村寿太郎を輩出した地としてよく知られているのはご存じの通り。
近年は武家屋敷が残るその町並みから小京都とも称され、水路に放された錦鯉に足を止める観光客の姿も見受けられる。また、ロケーションの良さからドラマの撮影地にも使われたり・・・といったことも多々あったので、そっちの方での知名度の方が高いかも知れないですね。観光の中心としては地域のシンボルである飫肥城に加え、周辺の武家屋敷群、レトロな感じのする公民館などの建築物、組合員の醸す焼酎を買い求めることのできる
日南酒造組合
の
酒造会館
など、小さな町並みながら見所はたくさんある。地区には濃密な甘みが特徴の“厚焼き卵”、焼酎のつまみとして定着した“飫肥天”(空港などで卵入りのヤツがあるのだが、卵に天ぷらのうまみが染みこんだ兼ね合いを見て食べると非常に美味いのだ)、素朴な手焼きの米粉のせんべい(飫肥せんべい、おきよせんべい、泰平せんべい・・・等々)といった味覚があるが、小さな蔵で醸される焼酎も手作り感溢れる地域の顔であることは疑う余地はない。
さて、“杜氏潤平”と並んで小玉醸造さんの隠れたレギュラー銘柄として挙げられるのが甘藷製の焼酎であるこの“
朝堀り
”だ。4合瓶でも1000円くらいと非常にお得感を覚える焼酎である。酒銘は、朝掘り出したばかりの新鮮な芋を用いるという意味で間違いないだろう。
購入したお店のPOPにはコガネセンガン製のものに“杜氏潤平”に使用される寿甘藷(・・・というか、小玉醸造さんの場合はこの串間市産の紅芋を使用するのが標準系なのだ)製の焼酎を2割ブレンドしていると紹介されていたが、確かに口に含んだ際、やわらかい飲み口の後、ふっと香るように独特の甘みが感じられる様な気がする。
なお、ロック、お湯割りはもちろん、生でもするする・・・と入っていくのは、小玉醸造さんの焼酎の特性としてホッと感じる部分である。
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