このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

潤の醇
小玉醸造(名) 宮崎県日南市

(2008.07.09)
先日 の飲んみろ会でお持ち帰りした焼酎でございます。・・・とは言っても、この瓶を手に取ったいきさつというのはアルコールと共に記憶の彼方へと加水分解されてしまっていますので何ともはや・・・といった感じではございます。

この焼酎を醸すのは日南市飫肥にある小玉醸造。華麗な甘藷焼酎を醸す蔵として日本国中のファンを魅了する蔵元である。代表作の“ 杜氏潤平 ”は串間市産のことぶき甘藷を用いた焼酎で、上品かつ繊細な味わいが特徴。この甘藷焼酎については毎年微妙に造りを変えた“ 別撰酵母 ”という特別あつらえのヴァージョンが少量発売されるのだが、これには金丸潤平さんの遊び心(=探求心)が見えるような気がして非常におもしろさを感じるのである。

さて、宮崎県下の麦焼酎を見た時に諸塚の“
藤の露”と同様、この“潤の醇”は数多の麦焼酎とは米麹を用いる点で異なっている。これはやはり潤平さんの経歴による所が大きいのだろう。それは日本酒の蔵元での修行の経験の事を指すのだが、同蔵のラインナップに共通する優しい味わいに良くそれが現れている。小玉醸造の焼酎については『食事を邪魔しない』と評される事が多いようだが、この麦焼酎も常圧蒸留ながらその系譜の上に立っている。香りも穏やか。味わいも独特ではあるが総じてなめらか・・・。ビンビンと前に出て主張する感じではない。ただし存在感は十二分であって、米麹由来と思われる甘さ、そして麦の香ばしさがじんわり・・・口の中に広がってくる。

南九州の梅雨は7月に入って唐突に終わりを告げたわけだが、ここのところの都城は盆地という地理的条件故にうだるような暑さである。この項を打っている前日も36度という今夏全国第2位という記録的猛暑をたたき出した。このような時こそキリリと冷えた焼酎を飲むと最高なのだ。これはスイスイ入ってしまう。そうやってお気軽酎一途の私であったが、知人より「前割りをしたものを燗付けして飲むとうまい。」という事を聞いた。早速試してみたのだが、前割りをする事によって水に馴染んだ効果なのか、さらに柔らかくその風味を楽しむ事が出来たのだった。

いやはや、これは当たり!!

そんなこんなでいろいろと愉しみ尽くし、あっという間に4合瓶は底をついたのだった。
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