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貨客混載二題





■交通新聞平成28(2016)年6月13日付記事より


ほくほく線で貨客混載
北越急行と佐川急便が調印


 (本文略)





■交通新聞平成28(2016)年6月14日付記事より


2路線で「客貨混載」
ヤマト運輸・宮崎交通 路線維持とサービス向上


 (本文略)









■コメント

 宅配便と公共交通の連携といえば、平成16(2004)年の佐川急便・JR貨物(スーパーレールカーゴ)、平成23(2011)年のヤマト運輸・京福電鉄(筆者は黒ネコ嵐電と仮称)などの事例が著名であったところ、この 6月に新しい事例の報が届いた。主役はまたもや佐川とヤマトである。

 佐川急便は北越急行と組み、佐川急便営業所(上越−六日町)間輸送を、北越急行営業列車を 1両借り切る形で、うらがわら−六日町間(46.8km)において実施する予定である。現時点では協定調印段階で、具体的な実施は今後。おそらく、道路状況が悪くなる冬季に入る前には開始されると思われる。

 ヤマト運輸は宮崎交通と連携して、延岡市−高千穂町間(約50km)、諸塚村→日向市間(約50km)の宅配便輸送においてバス路線を利用する。こちらは 6月 1日よりすでに実施されている。諸塚村→日向市間は回送便活用、という点が実に面白い。

 それぞれ20m級電車 1両、路線バス 1台で運べる程度の荷にすぎないから、小規模かつローカルな話題ととらえられるかもしれない。しかし「神は細部に宿る」というではないか。筆者はこの報道を、宅配便両社におけるドライバー確保の苦心のあらわれと見ており、労働力不足という日本社会の構造的断面を示していると考える。

  【過去記事集】
   脆弱なる足許 …………… 平成25(2013)年10月 1日
   緩慢なる危機 …………… 平成26(2014)年 4月23日
   平成27(2015)年・鉄道の論点 …………… 平成27(2015)年12月22日
   軽井沢スキーバス事故の論点 ……………… 平成28(2016)年 1月15日

 佐川にせよヤマトにせよ、小さな出来事に見えても、実際に具体化するにあたっては、多くの苦労が伴ったはずだ。そこを敢えて具体化に漕ぎ着けたということは、労働力不足はそれほど深刻であることを暗示している。





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