このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
もし飯田線がなくなったら人間というのは、当たり前にあるもの希少性があるものに惹(ひ)かれやすい。 そんな事を経済関係を本で知りました。 なるほど、確かに、当たり前にある空気の価値は限りなく0ですが、 アフリカの一部でしか採掘できないダイヤモンドは、採掘量が少ない上に 実際採掘した原石で使えるものは約5%程度。価値はとても高価です。 う〜ん、当たり前にあるものは評価されにくい。 そう、現在の飯田線にも当てはまると思いませんか? 飯田線は、地域の足として、また観光の拠点として地域には欠かせない重要な 施設ですが、当たり前にありすぎて沿線からは軽視される傾向にあります。 ネットサーフィンをしていて、JR西日本が赤字を理由に廃止を沿線自治体に 可部線問題を知り、「明日は飯田線」と興味深く見守りました。 私が感じた限りでは、普段は可部線を使わなかった人たちが、 いざ廃止と聞くと、その重要性に気付き利用促進の運動に加わる・・・ そんな風に受け取れました。 では、飯田線はどうなのでしょう?今は廃止という言葉も聞かれませんが、 飯田線の年間赤字額と可部線の赤字額はほぼ同じ程度であり、 飯田線もいつかは、廃止問題に直面すると推測されます。 可部線でも思ったのですが廃止問題が発生してから活性化を考えても遅いのです。 飯田線廃止の危機感をもって頂くためにも、 仮に飯田線が赤字を理由に廃止となった場合、どれくらいの被害がでるか? 沿線の利用者を視点に考えてみます。 【通学・通院利用客には欠かせない飯田線】 まず、飯田線の輸送人員は1日4万人程度。区間によって多少は変わるものの、 ほとんどは通学の高校生か通院のお年寄りである。 また少数であるが通勤客輸送にも力を発揮している。 定期客は約3万人程度で、定期外客の3倍である。 私も辰野地区、伊那地区、駒ヶ根地区の通学時間帯の飯田線に数回乗ったが、 115系3連でも車内は足の踏み場もないくらい埋まり、時折、積み残しも発生するほどだ。 115系3連の定員は370名。乗車率が150%と考えると560名ほのど 人員を輸送している事になる。 仮に飯田線が廃止されバス輸送となった場合、定員40名にバスに150%の 人が乗車したとしても60名しか乗れない。そうなると単純計算で10台近いバスが必要です。 また、不測の事態(交通渋滞など)には相当の遅延が予想され、 飯田線に比べて定時制が確保できないという公共交通機関には致命的な問題を抱えることになる。 沿線住民にとっては、ますます使い辛い交通機関となるだろう。 また、バス輸送となると運賃の値上げは免れず、利用者には負担増は痛い。 【長距離移動が不便に】 豊川・新城や中部天竜から名古屋に出る場合、飯田線を利用して豊橋の出て 豊橋から新幹線や在来線で名古屋まで鉄道で行ける。 また、飯田・駒ヶ根・伊那から松本方面・東京方面へ出る時も飯田線から 特急「あずさ」や在来線を利用して行けるが、 バスに転換されると、バスによる輸送で定時制は失われ、1時間に1本の特急や それほど多くない在来線列車に乗り遅れる可能性も高くなってしまう。 飯田線廃止した場合の弊害の一部を紹介しました。 如何でしたでしょうか? 飯田線は長い路線であり、愛知県、静岡県、長野県を通り区間によって、 飯田線廃止の弊害は多々あります。今回紹介した弊害は飯田線200㌔に共通する 弊害であり、飯田線を廃止した場合、解決しえない問題です。 飯田線沿線の自治体および沿線住人の方には、 「もしも飯田線がなくなったら…」と真剣に考えて、飯田線活性化に取り組んで欲しいです。
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