このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

column 2 〜道路料金について〜

 前回は、「高速道路」が日本に2本しかなく(シャレではない)、残りは「自動車道」であるというところまで話をした。この「高速道路」を作り、管理しているのが「日本道路公団」である。ちなみに私変衆長も「公団」と名の付く所に勤めているが、道路公団ではない。それはさておき。
 ②の一般国道には、我々の愛するフェリーの大敵、本州四国連絡道路なども含まれている。ちなみに神戸鳴門ルートは国道28号線、瀬戸大橋は国道30号線、尾道・今治ルートは国道317号線である。他にもバイパスや「都市高速」もあるが、高速道路を始めとするこれらの道路の多くは有料道路となっている。この料金は、「建設にかかった費用を利用者に負担してもらう」という、「受益者負担の原則」に基づいて徴収されているもので、借り入れた建設費とその利息を30年で償還出来るような料金水準、とされているはずである。しかし、開通してから30年以上たつ名神高速でも、料金を未だに徴収している。これはいったいどういうことなのだろうか。
 これは、「料金プール制度」という制度に原因がある。この制度が変わらない限りは、日本の高速道路は永久に有料であり、料金の値上げはあっても値下げはありえないであろう。
 料金プール制度とは、簡単に言えば「全国の高速道路の建設費は、全国の高速道路からの料金で償還する」というものである。つまり、名神高速の利用者の料金は、名神高速の建設費ではなく、田舎の高速道路の建設費の償還に当てられているのである。国土を貫く背骨の高速道路ができあがった今、これから作られる道路は田舎の、山間を抜けるルートが多くなってくる。しかも通行量はさほど見込めないので、路線単体でみれば採算ラインには遠く及ばないであろう。そうなれば田舎に高速道路は建設されず、都会との格差は広がるばかりとなってしまう。
 そこで考え出されたのがこの制度だ。これで何とか田舎にも高速道路が作れる……、と喜んでいてもいいのだろうか。
 料金プール制度の下では、通行料金は上がることはあっても下がることはまずない。ただでさえ「高い」と言われている高速道路の料金が、今後ますます高くなっていくことになると、利用者は減少の一途をたどることになりかねない。利用者の減少は料金収入の低下を招き、さらなる料金高騰を引き起こす。この悪循環に陥ってしまうと、全国には車の通らない高速道路が張り巡らされることにすらなりかねない。
 では、どうすればいいのだろうか。

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