このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
「国道フェリー」と呼ばれている航路がいくつかあることは知っているだろうか。九四国道フェリー(三崎〜佐賀関)、本四国道フェリー(高松〜宇野)等々。なぜ「船」が「道」とよばれているのだろうか。
結論から述べると、これらの航路は国道上を走っているから、ということになる。もちろん海底に道路があるわけではないし、船の底にタイヤがついているわけでもない。この国道とは、海上に設定された「海の国道」なのだ。
このような海の国道は、全国各地に存在する。例えば国道58号線。指定区間(column 1参照)を持つこの国道は、鹿児島市を起点とし、那覇市を終点とする国道である。九州本土に始まり、薩南諸島・奄美諸島を経て沖縄本島に至るこの国道は、当然のことであるが車で全線走破することは出来ない。地図で見ると、種子島や奄美大島の主要道路が国道となっているのが分かるだろう。さらによく見ると、これらの多くは港の間を結んでいる。この島と島との間、もっと詳しく言うと港から港までの間が「海の国道」なのだ。そして、この港の間を結んでいる航路が「国道フェリー」と呼ばれる航路なのである。
国道を管理しているのは国又は都道府県(column 1参照)であるが、国道フェリーを管理(運航)しているのは国や都道府県ではない。純然たる民間会社による経営であり、運航に関して公的機関の補助や援助などは基本的にない。
これら国道フェリーの中には、28号線(兵庫県南淡町福良〜徳島県鳴門市撫養)のようにすでに廃止されてしまった航路も多い。かつての航路跡は、港でぷっつりと途切れた国道の様子から伺い知ることが出来る。国道終点の港に立って、かつての国道フェリーに思いを寄せるのもいいだろう。
これら国道フェリーは全廃されることはないであろうが、確実に少なくなっていってしまう運命にあるといってよい。一つでも多くの航路が少しでも長く活躍してくれることを、ふぇりい倶楽部としては願うのみである。
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