このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

column 9 〜法律の落とし子……原付二種〜

 二輪車が四輪車に比べると不当に差別されていることは前回述べた。しかし同じ二輪車(ここでは原付を含む)の中でも、不当に差別されているものがある。それが「原付二種」と呼ばれるカテゴリーのバイクだ。
 下の表は、様々な分野での二輪車の分類を表にしたものである。実に多くの区分けがされているものである。(間違いや不足があれば、ふぇりい倶楽部までお知らせ下さい。)

一覧表
区分〜50cc〜90cc〜125cc〜250cc〜400cc〜750cc751cc〜
免許原付普通二輪(小型限定)普通二輪大型二輪
道路運送車両法原付一種原付二種軽二輪車小型二輪自動車
登録区分市区町村陸運局
ナンバーの色黄色ピンク白・緑枠
高速道路走行不可
車検不要
法定最高速度30km/h60km/h
乗車定員1名2名(座席付に限る)
フェリー料金原付料金二輪(低額)二輪(高額)

 これらの区分のうち、法律関係については縁の薄いことではあるが、その他のことについてもこんなに細かく分かれているとは!しかも、境界となる排気量がそれぞれ異なっているとは!それぞれの勝手な都合で線を引きまくった結果がこれであるとすれば、いかに適当な区分けを行っているかが分かるだろう。
 しかしそうはいっても、比較的境界として使われることの多い排気量は限られてくる。50ccと125ccだ。この排気量を越えるとどのような違いが出てくるのか。
 まず50cc(以下「原付」)だ。筆記だけで取得可能な原付免許で乗れるし、維持費も安いとあって、主婦や女性、学生にも広く使われている。まさに「原動機付自転車」の名の通り、自転車の延長線上にある乗り物と言えよう。
 反面、30km/hという「不当に低く設定された」制限速度を始めとして、「法律によって安全運転が禁止されている」とまで言われる程の数々の規制は、その真の怖さを知る者にとっては、その便利さをうち消してなおあまりあるだけの恐ろしさをもたらしてくれる。手軽ではあるが非常に危険にさらされている乗り物、それが原付。
 次に125cc(以下「原付二種」)。これを運転するには、教習所卒業か、いわゆる「一発試験」に合格するかしなくてはならない。つまり、四輪や中型・大型二輪車(以下「二輪車」)と同じ条件の元で免許が与えられているのだ。原付にくらべるとそれだけ、「一人前」の乗り物として見られている証と言えよう。
 しかし扱い上では「原付二種」であり、「自動車」ではない。高速道路(高速自動車国道)はもちろんのこと、自動車専用道路すら走ることは出来ないのである。性能的には80km/hで走ることに何の不安もないはずなのに。
 ちなみに「小型特殊自動車」は、免許上では原付並みに扱われていながら、自動車専用道を走ることが出来るのである!現に私も、名阪国道(亀山〜天理間。国道25号線の無料開放区間)で、路肩を走る耕耘機のような「車」を見つけてびっくりしたことがある。原付よりも遅い速度しか出せなくても、小型特殊「自動車」であるが故に名阪国道を走ることが出来るのだ。
 原付二種は、維持費も安いし、各種保険も二輪車に比べると安く設定されている。フェリー運賃も原付並みに設定されている。全ての高速道路を即時解放せよ!とまでは言わないが、せめて2点を結ぶ自動車専用道くらいは開放してくれてもいいのではないだろうか。私の知る限りでは現在のところ、原付二種に開放されている自動車専用道は関門トンネルしかない。高速道路上での二人乗り禁止、二輪車の80km/h制限については「ア○トラ○ダー」などで派手に取り上げているが、「原付二種の自動車専用道への乗り入れ解禁」について取り上げている雑誌は見たことがない。こちらの方こそ緊急に行うべきではないだろうか。
 各種の法律や規制の線引きの狭間で不当な扱いを受けている原付二種。哀れな「法律の落とし子」は、その長所をもぎ取ってなおあまりあるだけの不当差別に泣いている。このような不当な差別は即刻改善されるべきであり、全国各地で差別に泣いている原付二種ライダーや、差別故に無理をして二輪車に乗っている隠れ原付二種ファンが、堂々と原付二種を乗り回せるように。そしていつの日か、「ア○トラ○ダー」誌上に「原付二種全国大会in東名高速」のお知らせが載る日を。あるいは、「原付二種・全国高速道路縦断ツーリング」が開催される日を夢見て。
 最後に一言。

原付二種バンザイ!原付二種に「車権」を!

P.S. ……とか何とかいいながら「二輪車」に乗っている自分は何なんだろうか……。
 私も「原付二種解放」が実現すれば、乗り換えるんだけど……。

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