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鳥取2003年「最後の夏の国鉄色」その4  



翌朝、5:10という早朝に出発。徒歩で再び鳥取駅に向かう。まだ薄暗く
雨は降っていないが曇っている。すでに始発浜坂行き普通列車は入線
していた。キハ47の2両編成である。早朝の鳥取駅はまだ人影もまば
らで結局2両の車両に乗車した人はほんの数人。鳥取駅を出発した。
まだ、完全に明るくなりきっていない鳥取市内を抜け、田園風景の中を
進む。通過する踏切の音の向こうに早朝の農作業をする人の姿。考えて
みればこういう光景は実に久しぶりに見たような気がする。そのうち、
昨日車で走った国道が見え隠れするようになる。同じ景色も列車の中
からまた見るのもなかなか面白いものだ。運転しているときには気づか
なかった山陰本線のレールは「こんなところを走っていたんだ」という
新たな発見。車では険しい山道も、列車はトンネルで通過。6:12分、
浜坂に到着した。

ここからさらに2分の接続で2駅。列車は餘部に到着した。車掌さんに
切符を渡し、昨日の獣道を登っていく。なんとなく、まだ薄暗く、夜が完全
に明けきっていない感じ。
なぜ、このような早朝に再び餘部にやってきたか。鉄分の濃い読者の
皆様にはもうおわかりだろう。昨日の鉄橋を見下ろす有名撮影地は
昨日とまったく変わらず(ライターなどの忘れ物も寸分違わぬ位置に
あった)私1人。多いときはこのスペースに20人もの人が集まるという
が、今日は1人ベストポジションを確保することができた。
東京発寝台特急「出雲」は7:00に香住を出発。7:10頃にはここを通過
するはずだ。若干暗いがなんとか撮影することはできそうだ。その少し
前に上りの特急「はまかぜ2号」大阪行きが通過。そして、予想通り
7:10をまわったころに「出雲」はやってきた。


鳥取に戻るべく、餘部駅ホームに戻り、しばらくすると朝の通勤・通学で
列車を利用する人たちが集まってきた。待合室で一服しながら少し話し
をする機会があった。「いいところですね。」「ええ、でも毎日使っている
とねぇ。あの坂を登ってくるのは大変ですよ。雪の時なんか登れません
からね。でも、都会の満員電車よりは全然いいかな。」
確かにたまにくる旅行者にとってはこれで終わりだが毎日使う人にとって
は大変なことだろう。橋の架け替えの話やとりとめのない世間話をしてい
るうち、豊岡方面の列車がやってきた。その人も含めた大部分はその
列車に乗り込んだ。列車が出発してまもなく、浜坂方面の列車がやって
きた。この列車には私も含め3人が乗り込む。利用者の数としては圧倒的
に豊岡方面が多い。鳥取への帰りは通勤・通学時間帯と重なるのでもし
かすると混雑するかとも思ったが、まだまだ空席もある状態だった。
浜坂でさらに鳥取行きに乗り換える。浜坂駅にはSLの給水塔なども残っ
ていた。



8:55。定刻通り鳥取に到着。歩いてホテルまで戻る。少し遅い朝食を
とり、荷物をまとめるとチェックアウト。予定通り、9:40に出発した。
今日は因美線方面へ向かう。国道53号線を岡山・津山方面に車を走
らせる。目的地は国英駅周辺だ。何か中学校や高校の主要教科を思い
浮かべるような駅名だが、これで「くにふさ」と読む。そこを走る国鉄色の
特急気動車「いなば」がメインの目的であった。昼過ぎに通る「いなば
4号」を中心に考えていたが、時間が早ければ岡山発鳥取行き「いなば
1号」も狙えるかなという計画だったが、地形図を見ると、国英の1つ
鳥取寄りの「河原」という駅の近くによさそうなカーブがある。時間を見る
と十分に間に合う時間だった。まずは河原駅に立ち寄り、ちょうど来た
普通列車を撮影。そして、しばらく河原駅の周りを車でうろついたあと、
地形図のカーブに到着。少し草がうるさい感じだったが、カーブを抜けた
踏切のあたりで撮ることにする。ほどなく「いなば1号」はやってきた。
国鉄色のキハ181系。この車両にはやはり国鉄時代のカラーがよく
似合う。さらに国英方面に車を走らせ、国英駅近くの踏切の場所を確認
後、ちょっとした山道を越え、目的地の跨線橋に到着。

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