このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

ブダペストの地下鉄

地図
駅名のテール・テレは広場、ウッツァ・ウートは通りという意味です。
また、クズポントは中央、パーヤウドヴァルは駅を表します。
M1 千年祭記念線
ヨーロッパではロンドンに次いで2番目の地下鉄(1896年開業)。定住1000年を記念して建設された。
1996年に全面改修されるまでは駅も車輌も廃れた感じだったが、今ではぴかぴか。
各駅に駅員が配備されるようになり、落書きもほとんどなくなった。
駅名
周辺案内
1
ヴォロシュ・マルティ テール
駅の上はブダペスト一の繁華街、ヴァーツィ通りの北端の広場。階段を上がると、由緒正しいカフェ・ジェルボーのすぐ前に出る。近くにはカウンター式のすし屋があるが、海のないハンガリーだから仕方がないか、という感じの味。値段は安くはない。
この近辺には観光案内所や各航空会社のオフィスがあり、便利。
2
デアーク・フェレンツ テール
現時点では唯一の乗換駅。乗り換えるときに新しい切符にパンチを入れないと、 検札 に引っかかることになる。また、地上からエスカレーターを使って下りると、駅構内に入ったとみなされ地下鉄に乗らなくても検札員に切符を要求されることがある。地下鉄に乗ろうが乗るまいが検札員は罰金を徴収するのでトラブルの元になりやすい。
駅の上はバスターミナルになっていて、国内の主要都市や、ウィーン、ブラチスラバそして遠くはパリ、ロンドンまでのバスが発着している。
また、駅構内には地下鉄博物館がある。
3
バイチ・ジリンスキ ウート
聖イシュトヴァーン大聖堂へはここが便利。駅を上がったところには大きい古本屋もある。
4
オペラ
国立オペラ劇場の目の前。
5
オクトゴン
駅名は「8角形」という意味。この交差点の形がまさに8角形だから。
このあたりはファーストフードの店が多い。ハンガリーの若者でいつも賑わってはいるが、お勧めはできない。
6
ヴォロシュ・マルティ ウッツァ
人形劇場のそば。
7
コダーイ コロンド
ブダペストで最も美しい交差点と賞されるコダーイ コロンド(コロンドはロータリーのこと)。今ではどの建物も真っ黒だが、きっと100年前はきらびやかだったことだろう。
8
バイザ ウッツァ
中国大使館やロシア大使館があるが、ここでビザが取れるかどうかは不明。
9
ヒューシェック テレ
英雄広場。ハンガリーの英雄がズラリ並んでいる。上海のテーマパークに実物大でこれを模したものがあると聞いたが本当でしょうか。
マドンナの映画「エビータ」の葬儀シーンはここで撮影された。多くの式典がここで催されるので有名人に会えることがある。
10
セーチェーニ フュルドー
市民公園の中にあるセーチェーニ温泉の前。公園内には他にも動物園やお城、農業博物館やサーカス、そしてハンガリー料理では最高のレストランであるグンデルもある。
開業当初は英雄広場の裏手で地上に出て、ここが終点だった(駅の場所は今とは異なる)。池の南側に唐突に陸橋があるのは掘割になっていた地下鉄をまたぐためのもので、記念として残してあるものだ。
11
メキシコーイ ウート
ベネトンカラーの駅を上がるとバスターミナルがあるのみ。駅の雰囲気が他と異なるのは、ここが1973年開業のため。この駅のさきに車庫がある。
駅名は「メキシコ通り」という意味。このあたりには他にもアメリカ通りやフランス通りがある。

M2 東西線
1972年に全線開業。核シェルターを意識して建設されたため、深いところを走っている。とても深いのでエスカレーターが速いのはモスクワやプラハと同じ。車輌もモスクワやプラハなどと同じソ連製で、扉がすごい勢いで容赦なく閉まる。すりが多いので注意が必要。
駅名
周辺案内
1
デーリ パーヤウドヴァル
国鉄南駅。バラトン湖方面へはここから列車が出る。
2
モスクワ テール
ブダで一番の交通の要所。駅の上はバスと路面電車のターミナルになっている。王宮の丘へ向うミニバスもここから。
ブダペストの地下鉄のエスカレーターの中ではここが一番長くて、38mの高低差がある。
3
バッチャーニ テール
センテンドレへ行く電車の終着駅。駅を上がったところから見る国会議事堂は威風堂々としていて見ごたえがある。
駅前には旧態依然としたマーケットがあり、覗いてみるのも面白い。
4
コシュート テール
国会議事堂の目の前。でもここからだと近すぎてよく見えない。そばには民俗学博物館もある。内容も面白いが、建物自体も見逃せない。
5
デアーク・フェレンツ テール
乗換駅。 M1 参照。
6
アストリア
ブダペストの駅名では珍しくホテルの名前を冠する。アストリアは高級ホテルというわけではないが老舗ではある。
国立博物館やブダペストで最大のシナゴーグ(ユダヤ寺院)へはここが便利。
7
ブラハ・ルイザ テール
昔はここに国立劇場があったので、有名女優の名前が駅名になっている。
近くにカフェ・ニューヨークがあるが、かつてここは文士たちの溜まり場だったそうだ。今でも中は当時の面影を残している。
駅付近はイカサマ師が多い。テレザの家はここからすぐ。
8
ケレティ パーヤウドヴァル
国鉄東駅。駅を上がると吹き抜けの地下広場に出る。各種売店やいかがわしい物売りなどがたくさんいて面白い。
9
ネープシュタディオン
国立競技場や室内競技場がある。ローリングストーンズもマイケルジャクソンもここでコンサートをした。チケットは日本ほど高くもなく、入手するのもそれほど難しくなかったとのこと。
また、大平原地方方面への長距離バスターミナルがある。
当初はここから国際見本市会場を通りクーヴァーニャ中央への路線が計画されていたために、駅は2面3線の構造になっており、路線も駅の東側で道路の真下を通らずに曲線を描いている。。
10
ピッランゴー ウッツァ
住宅街。ここから地上を走る。駅名の意味は「蝶々通り」。
11
ウルシュ・ヴェゼール テレ
王妃エリーザベトが夏を過ごしたグラシャルコヴィチ宮殿があるグドゥルーへ行く電車への乗換駅。
SUGARという旧式のショッピングモールがあり、ここの2階のケーキ屋のアイスクリームはお勧め。すいかのアイスにはすいかのたねまで入っている。また、IKEAというスウェーデンの家具店もあり、素敵な小物も安く手に入る(ハンガリー人には決して安くはないのだが)。

M3 南北線
ブダペスト最長の地下鉄路線。1991年に全通。
南北に延伸する計画はなくはないが、今のところ実施にうつされる見通しはかなり低い。
駅名
周辺案内
1
ウイペシュト クズポント
駅前にはウイペシュト(4区)区庁舎や市場があり、この地区の中心らしく賑わっている。
2
ウイペシュト ヴァーロシュカプ
一応国鉄との乗換駅はできるが、国鉄の本数が少ないため乗換駅として機能してはいない。
3
ジョンジョシ ウッツァ
数年前にドゥナプラザというショッピングセンターができて地下通路で駅に直結している。ここではプリクラもできるらしい。
4
フォルガーチ ウッツァ
ブダペストでは有名な鍼灸院がある。中国人が本場の技を見せてくれるとか。
5
アールパード ヒード
マルギット島へのもうひとつの玄関口。26番のバスに乗るとすぐマルギット島だ。
エステルゴムやヴァーツへの長距離バスターミナルがある。
6
ドージャ・ジョルジ ウート
駅前に安宿シュポルトホステルがある。温泉宿ホテルへリアへはここから。
7
レヘル テール
ブダペストの台所、レヘル市場がある。観光客が来る場所ではないので土産物は売っていないが、ハンガリー人が何を食っているかが一目瞭然。
8
ニュガティ パーヤウドヴァル
国鉄西駅。駅の隣には壮大なマクドナルドがある。利益を追求するはずのマクドナルドが天井がこんなに高いままにするなんて、驚きである。
駅前にはデパートがあるが、品数は少ない。
9
アラニ・ヤーノシュ ウッツァ
聖イシュトヴァーン大聖堂の近く。ドナウ川の方向に歩けば国立銀行など官庁街が広がる。
10
デアーク・フェレンツ テール
乗換駅。 M1 参照。
11
フェレンツィエク テレ
繁華街の中心にある駅。ヴァーツィ通りを北へ歩けばM1の終点ヴォロシュ・マルティ広場、南へ歩けば中央市場に出る。駅の上のパーリジュ ウドヴァルは古き良き時代を偲ばせる。
12
カルヴィン テール
国立博物館の前。コロナホテルのクレープ屋は本格的で、クレープとサラダバーでちょっとした食事にすることもできる。
13
フェレンツ クルート
駅前の工芸博物館は必見。まず建物からしてすごい。レヒネル・ウドゥンというハンガリーの有名な建築家の作品。
環状通り沿いにあるベネチアというイタリア料理屋はブダペストでは美味しいと評判だが、本場には比べるべくもない。
14
クリニカーク
その名のとおりまわりには病院がたくさんある。北側の裏通りに入ると、うらびれた崩壊寸前の建物が続き、このあたりがかつての貧民街だとわかる。今でも娼婦が多く、良くない噂をよく聞くので夜の一人歩きは避けたほうがいい。
15
ナジヴァーラド テール
駅前にオルツィ公園があるぐらいか。
16
ネープリゲト
ブダペスト最大の公園ネープリゲトがある。公園内にはプラネタリウムもあり音と光のスペクタクルが楽しめる(たいしたことないけど)。
また、公園の反対側にはフェレンツヴァーロシュというサッカーチームのホームグラウンドがあり、試合開催日にはちょっと危険な雰囲気が漂う。
17
エチェリ ウート
近くをとおる国鉄線に駅を作って連絡駅にしたいという話もあるようだが、話は全く進んでいない。
18
ポッチョシュ ウッツァ
団地のための駅。何もない。駅名は「水玉通り」という意味。
19
ハタール ウート
ベスト南部の交通の要所。駅前にエウロパルクというショッピングセンターができて賑わっている。
ここから54番のバスに乗ると常設蚤の市に行くことができる。すごい掘り出し物があることもあるが、あまりいいものはないし高い。
駅から少し歩くと WEKERLETELEP という住宅地がある。ここは農村にアイデンティティーを求めた近代知識人がハンガリーの民族様式をつくりあげ、それににのっとって計画的に作られた住宅街で、なかなか面白い。
20
クーヴァーニャ キシュペシュト
国鉄との乗換駅。また、空港への市バスはここから出発する。

M4 DBR線(未成線)
建設中路線。1999年着工。Del Buda-Rakospalota metroの頭文字を取ってDBR線と呼ばれる。第一期工事は東駅が始点だが、将来的にはラーコーシュパロタ方面に延伸される予定。
詳しくは DBRのホームページ で。
駅名(仮称)
周辺案内
1
ケレティ パーヤウドヴァル
M2 参照。
2
クスタールシャシャーグ テール
エルケル劇場の目の前。日本料理屋もここにあるが美味くはない。
3
ラーコーツィ テール
この広場は娼婦が多いことで有名。地下鉄開通後もその名を馳せることができるか?
4
カルヴィン テール
M3 参照。
5
フーヴァーム テール
ヴァーツィ通りの南端、中央市場の前。すぐ側には経済大学もあり、食堂も利用できる。
6
ゲレルト テール
温泉ホテルゲレルトの前。ゲレルトの丘に登ることもできるが登るなら昼間にしましょう。
7
モーリツ・ジグモンド クルテール
ブダ南部の交通の要所。ゲレルトの丘へのバスはここから。
8
ボチカイ ウート
シュカーラブダペストという老舗のデパートがある。隣には市場もあり常に活気がある。
9
テーテーニ ウート
この地区の中心となる市場がある。あたりは殺風景な団地が広がるばかり。
10
ケレンフェルディ パーヤウドヴァル
国鉄線との乗換駅。場末という言葉がぴったり。列車の本数が多い割に寂れていて、夜は怖いぐらいだ。

検札
他のヨーロッパの町よろしく、ブダペストでもいくらでもただ乗りができる。地下鉄には改札口がないし、バスや路面電車も検札に引っかかりさえしなければただで乗れる。
とはいえ、ただ乗りは不法行為なので見つかったらその場で罰金を徴収される。外国人だとか、知らなかったとか、言葉が分からないとかいう言い訳はほぼ通用しない。地下鉄はエスカレーターを上がったところか下りたところに検札員がたくさんいてチェックしている。エスカレーターで何やら放送がかかっている時は検札が行われていると考えていい。口惜しいことに検札員がだべっていて仕事をサボっている時でもアジア人の顔を見るとサッと寄ってきて切符を見せろという。検挙した人数が多いとその検札員には手当てが出るらしく、外国人は格好のカモというわけだ。あまりごねると警察沙汰になりかねないので、捕まってしまった時は社会勉強だと思って罰金を払おう。日本円で600円ぐらいだし。
捕まらないための最良の方法は、切符か定期券を買うことに尽きる。
しかし、切符を持っているだけでは駄目で、地下鉄の入り口にあるオレンジ色の箱に切符を突っ込んでパンチする必要がある。日付と時間と乗車駅がパンチされる。検札員は時間も見ているので同じ切符を何回も使いまわすのはあまり勧められない。
バスや路面電車の場合は手すりについている赤い穴あけ器でパンチする。ポーランドやスロバキアとは穴あけ器の種類が違うので、わからない時は周りの人に聞くこと。ただ、穴あけ器が壊れていることも多い。いくつかやってみて、どれも壊れている時はあきらめよう。
切符に比べると1日券(740Ft)や3日券(1500Ft)、一週間券(1850Ft)は使い易い。持っているだけでいい。ただ1日券や3日券は場合によっては高くつくので、自分がどのくらい市内交通を利用するか考えてから買うといい。場合によってはバラで切符を買ったり、10枚の回数券(900Ft)や20枚の回数券(1750Ft)のほうが安く上がる。

切符について
以前は切符の種類がひとつで乗り換えの度に新しい切符にパンチを入れなければならなかったが、地下鉄に関しては数年前から制度が変わった。2番目の路線切符以外は地下鉄でしか使えないので注意が必要。

区間切符(サカス イェジ)乗り換えなしで3つ目の駅まで有効。65Ft
路線切符(ヴォナル イェジ)乗り換え無しならどこまででも有効。95Ft
乗換区間切符(サカス アートサーロー イェジ)乗り換えができ、5つ目の駅まで有効。105Ft
乗換切符(アートサーロー イェジ)乗換を含め、どこまでも有効。150Ft

車内放送
地下鉄の放送はちょっと気になるもの(そうでない日とのほうが多いと思うが)。ブダペストでは次のような放送がかかっています。
"Kérjük tessék vigyázni, az ajtók záródnak/becsukódnak. A Deák Ferenc tér következik."
訳してみると、「ご注意願います。ドアが閉まります。次はデアーク フェレンツ テールです。」

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