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航空手荷物扱い〜〜規制変更時の対応

 

Tom  2005年 1月10日

 

 

 先日、実家の両親と豪州に行ってまいりましたが、その帰路の搭乗の際に問題が発生しました。

 今回はカンタス航空の航空券で、往路はJAL機材使用のコードシェア便、帰路はカンタス単独運航の便を利用。その為、往路についてはJALの基準に従い搭乗手続き・機内サービスが行われます。この際には特に問題なく搭乗できました。その後、ジェットスターとのコードシェア便、カンタスリンクとのコードシェア便を国内移動に使いましたが、この時も無問題。

 ところが、問題はケアンズ空港でのカンタスリンク機からカンタス国際線乗り継ぎ時に発生しました。

 

 カンタス自体、私はオーストラリアに数回行っていることもあり、ケアンズ空港の国際線出発も慣れたものなので、チケットの手続き自体は全く問題なし。で、受託手荷物(預けるもの)はカンタスリンク便搭乗時に国際線連絡として成田まで預けているのでこれにて一件落着と思いきや……。

 係員が私たち家族の荷物を指差し、それを手荷物預け用の計量器の乗せろというではないですか。「これは機内持ち込み手荷物で、預けるのではない」と下手な英語で話すも、とにかく乗せろと。

 で、乗せると重量が12kg、カンタス航空ではエコノミー客の機内持ち込み手荷物は 7kgに制限しているので受託手荷物にしろ、と。ここで押し問答が始まります。

 単なる衣類を持ち込むだけなら簡単に預けるのですが、私の2つのバックのひとつはノートPC及びその付属品、もうひとつは一眼レフカメラ2台です(交換レンズは各々装着しているものだけだが、何せEOS-D60というデジカメとEOS-1Nというフィルムカメラなので結構重い)。

 当然、こちら側としては、「カメラを預けることになるが、事故が発生したらきちんと補償してくれるのか?」と質問。

 カンタス「カメラは預からない。預けた場合の破損は預けた側の責任」

 じゃあ、どうしろというのか、としばし喧々諤々、最終的には、カメラだけ分離し、カメラバックに入れていた衣類だけを預けることで決着しました。

 

 JTBのパックツアーを使っていたので、ケアンズ空港に居合わせていた職員に聞いたところ、「11月から急にうるさくなったんです」。今回の機内持込予定手荷物は、2年前に渡豪した時と同じものでしたから、こちらもカンタスについての手荷物規定については全く気にしていなかったのは事実。で、帰国して調べて見ると、確かにありました。

    <国内線>  7kgの荷物2個まで。
    <国際線> Yクラス: 7kgの荷物1個まで。 Cクラス: 7kgの荷物2個まで

 なので、確かに規定を厳格に解釈すると、私に分はありません。が、しかしこんな規定も……。

    <カンタスリンク国内線> 小型機運航の為、 4kgの荷物1個までに限定、他は全てお預け下さい……

 そう、航空手荷物については、けっこうあいまいな運用がされているわけですね。で、カンタス自身、従来は結構いい加減な運用をしてきていたわけですが、突然その規定を何の前触れもなく厳格に運用してきたわけです。

 本来、運用を実質的に変更するのであれば、その時点で告知するなり、移行期間については特に豪州のようにワインなど壊れ物をお土産とされることが多い国の国際線であれば、どうしても 7kgに抑えるのであれば受託手荷物に壊れ物を廻せるよう、緩衝材を入れたボックスなどを用意するなど少しは考えるべきところと思います。

 そこまで手が回らないならば、一時的には超過重量分のチャージを支払う、というオプションがあってもいいはず。それが、結局なにもなされず押し問答というのは、あまりにも芸がなさすぎる。

 ちなみに、私の持ち込もうとしたものは、ターガスのPC用ディパック1個(これにPC及び関連周辺機器が入っていた)及びANAの通販で買ったボストンバックでした。この組合せ自体は一昨年、グリーンアイランドに旅行した際と全く同じ(カメラが1台だけだった分、軽かった程度)。その前年とも同じでしたね。

 ところが、個数の確認はしていても、重量確認は初めてだったので、こういう事態になったわけです。

 但し、帰国後サイトを確認したところ、Cクラスであれば 7kg×2個OKということなので、次回以降、料金によってはCクラスリクエストも対策のひとつと言えると思います。

 

 翻って、日本の国内線や国際線を見ても、各社規制はマチマチですが、それに対する対応もマチマチなわけです。日系航空会社のように原則一個と個数制限だけのところ、重さ10kgまでのところなど、航空会社によりいろいろあります。それに対し、実際の運用は日系2社のように極端に大きな荷物については寸法チェックではじく所は多いですが、それ以外についてはほぼノーチェックの所から、いろいろです。

 また、海外旅行(出張を含む)でいちいち利用国際線の規定を調べて乗る人なんてよほどいつも重量級の荷物を持ち歩く人(写真家とか)位かと。

 こういう状況で、何のフォローアップもなく、ただ自社の規定をごり押ししようとするカンタス航空については、本当にCSを考えているの?と苦言を呈したくなります。最近は、大き目のキャリーケースを持ち込む旅客が増えるなど旅客のマナーにも問題があることも確かですし、また機内の収納スペースにも限りがあることはわかりますが、サービス業である以上、規制を実行する段においては、規制にひっかかる人へのフォローアップ策も重要と考えます。

 

 なお、私は航空会社側の問題を指摘したわけですが、一方で取り扱いの厳格化を招いた要因が乗客側に全くないわけではないことは確かです。到着地での受託手荷物の引取りまでの待ち時間が勿体無いということで、大きなキャリーバックを機内に持ち込む旅客が急増しており、特に横10列席がある割に収納スペースが少ない 777や 747では混雑時は辛いでしょう。いわんや、角ばっていてかつ押し込みの効かない大型アルミケースなんかを収納スペースに入れられた日には、周りに衣類程度しか入らなくなりスペース効率が悪いことこの上ありません。

 一時、ANAだったと思いますが、搭乗手続きの際持込荷物の大きさを測っていたこともありましたが、最近では自動チェックインの進展のためか、そういう光景もみなくなりました。

 今までならば、客の側にも一部の例外を除き公徳心があり、セーブされていた面があるので緩やかな規制でよかったと思いますが、最近は「自分さえ良ければいい」人が目立つこともあり、何らかの形で規制が強化されるのはやむを得ないでしょう。

 但し、その際には航空会社に対し、旅客への十分な周知と、どうしても壊れ物などが多い旅客へのフォローなどは考えて頂きたいと思います。

 また、持込を減らすためにも荷物の丁寧な扱いと、より迅速な手荷物返却、国際線の特定空港(CDGなど)についてはロストバゲージの撲滅策を講じて頂きたいものです。旅客の側にも問題がありますが、航空会社及び空港管理会社においてはスムーズな受託手荷物の返還やロストバゲージの撲滅、並びに荷扱い品質の向上(要は乱暴に扱うなということ)を図って欲しいものです。

 

 以下はおまけですが……。

 ついでに、受託手荷物についても調べてみましたが、これも各社マチマチですね。32kgまでのものを2個まで預かる(但しCクラス)豪快な会社、20kgまでは無料だがそれを上回るとチャージがかかる会社、32kgを超えると預かりもしない会社……。

 32kgを超えるとチャージどころか預からない、というのも困ったものです。バック買っても1個だけしか預からないと言われたらそれで終わりですね。

 エア・カナダのように45kgを超えると受託手荷物とはできないが、エアカナダ・カーゴで運ぶからそちらで手続きしてくれ、という会社もありますが、これなんかはまだ良いほうです。まあ、32kg2個を預ける人もそういないでしょうが。

 ちなみに、機内で着替えようと思った服を預けてしまい、また手荷物が出てきてから成田からの特急の時間まで時間がなかったため、半袖のままで通関、帰りのスカイライナーに乗り込みました。寒かった。



【子記事4編】
  20050113 ○ 旅客のマナーが一因であることは否定できない  <とも>
  20050112 ・ 示すべきルール、守るべきルール        <エル・アルコン>
  20050111 ・ 航空手荷物三題                <和寒>
  20050110 ・ 各社によって対応が違うのだろうか?      <TAKA>

 

 

 

 

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