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青いロマンスカー「MSE」 遂に東京ベイエリアに登場!?

−小田急ロマンスカー「MSE」の有楽町線新木場乗り入れの現場を見る−



TAKA  2008年05月06日



ロマンスカーは遂に東京湾岸へ! 新木場駅に入線するロマンスカーMSEベイリゾート91号


 ※本記事は「 TAKAの交通論の部屋 」「 交通総合フォーラム 」のシェアコンテンツとさせて頂きます。

 「TAKAの交通論の部屋関連記事」・ 鉄道業界における列車乗入がもたらす効果とは?  ・ 青いロマンスカー「MSE」が持つ休日の顔とは?  ・ 青いロマンスカー「MSE」が持つ平日の顔とは?
 「参考・参照サイト」・ 小田急電鉄HP  ・(小田急電鉄HP内) ロマンスカーMSEページ  ・ 小田急60000系電車 (wikipedia)



 〔1〕 ま え が き

 発表当時には「遂に東京メトロに有料特急が乗り入れる」と大きな驚きで迎えられた小田急ロマンスカーMSEの東京メトロへの乗り入れ運転開始でしたが、 昨年10月にロマンスカーMSEの運行計画が発表 された時に一番驚きを与えたのが、「ロマンスカーMSEを土休日の一部に限定の上霞ヶ関の連絡線を通り有楽町線新木場まで乗り入れ」させる事です。
 確かに「有料優等列車が東京メトロに乗り入れる」と言う事も前代未聞であり驚きを持って迎えられた話ですが、乗り入れ先が東京メトロ千代田線であり、小田急から見ても「毎日定期的に列車が相互乗り入れをして居る路線」であり、「乗入れる車両」こそ珍しいものの「運行経路」を見る限り決して珍しい物ではありません。しかし霞ヶ関〜桜田門間に存在する回送線を客用輸送に使い千代田線から有楽町線への旅客列車を運行するという事は、過去に「 東京湾大華火祭時の臨時列車 」がこの回送線を使い唐木田〜新木場間で運行された事が有るだけで、幾ら曜日指定の臨時運転と言えども年間約30日もこの回送線を使いロマンスカーが運行されるとは想像もできず、それ故に驚きを持ってこのニュースを聞いたのを覚えて居ます。

 今年3月15日にロマンスカーMSEが運行開始した直後には、平日の通勤輸送・休日の観光輸送に活躍を始めたロマンスカーMSEの姿を色々と見て廻って書いて居ましたが、今回その「MSEシリーズ」の締めとして、最後にの請った大物で有る「ロマンスカーMSEの東京メトロ有楽町線新木場乗り入れ」について現地を訪問し試乗してみました。
 今回は本来なら「運行開始レポート」で有る以上、運行初日に乗るのが一番良いのですが、流石に運行開始日の5月3日のベイリゾート90号はプラチナチケットと化していたのと、MSE運行初日の3月15日に色々な所で知り合いに発見されて言い訳に苦慮した事から運行開始初日の1便目は避けて、運行開始初日の新木場→本厚木の「ベイリゾート91号」の新木場駅での見送りと(これに乗り本厚木まで行くと家に帰るのがかなり大変)、運行開始から3日目の5月5日のベイリゾート90号新百合ヶ丘→新木場間に試乗して、訪問記を書く事にしました。


 〔2〕 運行開始当日 ベイリゾート91号 新木場駅での出発を見る

 先ずは本命の5月5日のベイリゾート90号の試乗の前段階として、5月3日夜新木場に向かい新木場→本厚木の1番列車になる「ベイリゾート91号」の発車を見学して状況を見る事にしました。
 この日は朝は仕事で竹ノ塚に居て、その後千葉県に移動して銚子を訪問した後、帰りは舞浜に寄りディズニーリゾートラインに初乗りして、その後時間調整に食事をした後、20時半過ぎに舞浜から京葉快速で一駅乗り新木場に移動して「ベイリゾート91号」の様子を見る事にしました。
 舞浜には18:30〜20:30の間約2時間近く居ましたが、流石にGWの後期連休の初日という事も有り東京ディズニーランド・ディズニーシーはかなりの混雑だった様です。しかし私が出た20:30は丁度「 ドリームス 」が始まった時間で花火が打ち上がっていました。その為か舞浜で乗った京葉線の京葉快速東京行きは立ち客がチラホラ居る程度でかなり空いていました。この時間は東京ディズニーランド・ディズニーシーでは夜のメインイベントのエレクトリカルパレードは終わって居ますが、未だ花火を使ったイベント「ドリームス」が終わって居ない中途半端な時間です。京葉線の利用状況を見る限り「花火が終わる前に帰る」人は少ないのかもしれません。

  
運行初日のベイリゾート91号@新木場  左:新木場駅に入線してくるベイリゾート91号 中:新木場駅での乗車状況 右:TDLの袋を持った客が居るのは狙い通り?

 新木場駅に着くと早速有楽町線ホームに向かいます。私はベイリゾートの後の西武線直通列車で帰宅する予定だったので、そのままPASMOで入場します。ホームに降りるとホーム東側にマニアが何人も居ます。こういう時には「マニアの居る所に車両有り」です。という事は既にMSEは北千住から回送されてきて新木場駅東寄りの引き上げ線に停車して居るようです。
 ホームには「ベイリゾート乗車口」と書いたシールが貼ってあります。丁度2両に一つ乗車口が有る感じになっており、その乗車口には既にベイリゾートを待つ人達で行列が出来ていて乗車口当り10名〜20名程度の行列が出来て居ます。見た感じ「初乗りマニア」も居ますが、半分以上は家族連れを中心とした観光帰りという感じの人達で、TDLでお土産でも買ったのか?ディズニーの紙袋を持った人達もかなりいます。
 発車時間の20:50の3分前になる20:47に東側の引き上げ線からベイリゾートが入線して来ます。ホームに着くと早速乗客が乗ってきます。流石に始発駅で乗車口が多いのと比較的乗客が少ない事も有り、スムーズに乗車して行きます。車内を見て見ると座席は人口方向の逆向きにセットして有ります。これは途中で進行方向が逆になる事への対策でしょう。これも回送線を使うというベイリゾートの特殊な運行形態を示して居るといえるでしょう。
 流石に夜も遅いからか?それともベイリゾート90号で行ったのか?特に新木場ではイベントも無く普通に発車して行きます。見た感じ乗車率は3分の1程度とチョット寂しい感じです。この先豊洲・表参道にも停車しますが、その2駅で乗っても乗車率5割は越えないでしょう。もう少し何か策を考えないといけません。少なくとも運行時間に関してはもう少し考え無いといけないかも知れません。前述の様にTDLをメインに考えるとこの時間は早すぎます。花火イベントの「ドリームス」終わる21:00〜閉園時間の22:00に近い時間に舞浜を出ても間に合う21:20〜22:20に新木場発の時間を設定するのも一つの手かもしれません。この辺りを含めて色々策を考える必要も有るかもしれません。


 〔3〕 5月5日 ベイリゾート90号 新百合ヶ丘7:07⇒新木場8:04 試乗記

 5月5日、この日はベイリゾートの臨時運転日の内GW期間中の最後の運転日になって居ると同時に、11時以降複数の仕事の予定が入っていた為にベイリゾートの試乗予定を敢えてこの日にぶつけて一気に試乗を行う事にしました。
 当初は本厚木→新木場間の全区間の特急券を持って居たのですが、本厚木6:44発という事は家を5時前に出なければなりません。本当はその覚悟だったのですが、流石に寝坊して本厚木には間に合わず(柿生で仕事の予定が有ったので)車で新百合ヶ丘に向かい駅に着いたのは到着時間の僅か5分前、何とか滑り込みセーフでベイリゾートに乗り事が出来ました。
 今回はベイリゾートに乗る前に、ホームの町田寄りに向かいMSEの写真を撮る事にしました。朝7時と言うのに何人かの鉄道マニアが既にカメラを構えています。その脇から写真を撮った後ベイリゾートに乗り込みます。新百合ヶ丘はベットタウンという事も有り、家族連れを中心に数十人の人が乗り込みました。

  
左:新百合ヶ丘駅に到着したベイリゾート91号  右:新百合ヶ丘駅での乗車風景

 車内は新百合ヶ丘の時点で大体半分程度の乗車率です。「如何にもマニア」という人も何人か居ましたが、車内には「親子・家族連れ」という感じの人が大部分であり既に座席を廻して向かい合わせにして、車内で家族団らんをしている家族も居ます。私の隣に座った家族は「ミッキーマウスと写真を撮るんだ!」「スティッチと握手するんだ!」と話しており、子供は既に「気持ちはディズニーランド」という感じで興奮して居ます。この様な話を聞いて居ると「本当にベイリゾートは東京湾岸地域に行くんだな」という事を改めて感じさせられました。
 新百合ヶ丘の次は成城学園前に停車します。成城学園前は比較的新宿には近いので「ロマンスカーを使う距離ではない」というイメージの有る地域で、実際成城学園前には一部のメトロホームウェイ・メトロさがみ・ベイリゾートしか停車せず、メトロホームウェイ・メトロさがみの時には「成城からの乗車率は良くない」というイメージがありました。しかしベイリゾートの場合、成城学園前でホームに降りて観察すると20〜30名の人達が乗って来ます。「MSEで東京湾岸まで1本で行ける。ディズニーランドが近い」というのは東京区部でも売りになるようです。

  
左:ベイリゾート91号の車内風景(成城学園前)  右:有楽町線豊洲駅でのベイリゾート91号降車風景

 成城学園前を出た後は、代々木上原で運転停車・乗務員交代の上東京メトロ線に入ります。乗務員が交代した東京メトロでは車掌が女性で綺麗な声で車内放送がされます。ベイリゾートは「洗練された観光特急」ですから、この様な「細やかな気配り」もイメージ構築に大切です。この東京メトロの配慮は気が利いて居ます。
 東京メトロ線内では表参道に停車して少々の降車客を降ろした後、霞ヶ関に運転停車後、遂に今回のベイリゾートの目玉「霞ヶ関〜桜田門間の千代田線〜有楽町線回送線」に入ります。霞ヶ関ではホームに停車後逆向きに走りだし回送線に入ります。回送線では有楽町線の路線が空くまで待つ為に数分間停車します。この停車中に車掌が「回送線」について簡単な説明の放送をしていました。停車自体は仕方無いにしても単純なトンネル内での運転停車では乗客が飽きてしまいます。それに対応する形での車掌の案内放送は気が利いて居ると思います。
 有楽町線に入ると次の停車駅で有る豊洲まで一気に通過です。豊洲は元々は工場地帯でしたが、石川島播磨重工の造船所跡地の開発及び臨海副都心への足となるゆりかもめの乗り入れ等で現在はベイエリアの中心的な地域の一つとなっています。又 アーバンドックららぽーと豊洲 の中には「 キッザニア東京 」という職業体験型のテーマパークも有り、テーマパーク狙いの客も期待出来ます。只今回はキッザニア東京のオープン時間が10:00で時間的少し早い様で、降車客は疎らな感じでした。

  
左:新木場駅に到着したMSEベイリゾート91号  右:新木場駅引き上げ線に並ぶ小田急60000形MSEとメトロ10000系

 豊洲に停車の次は終点の新木場です。乗客の大部分は新木場まで乗車してきました。新木場駅に着くと降車客は3つの動きに分かれます。それは「先頭車に掛け寄り写真をとる鉄道マニア」「記念写真を撮る家族連れ」「出口へ向かう家族連れ・カップル等」の3つの流れです。比率的には1:1:2位の感じで分かれました。
 未だ到着時間が8:04なのに急ぐ人達が居る事に「何故だろう?」と思って居ましたが、良く調べて見るとGW期間中の東京ディズニーランドの営業時間が8:00〜22:00(ディズニーシーは8:30〜)となっていました。ベイリゾートの到着時間だと東京ディズニーランドの朝一番には間に合わないのです。確かにこれではMSEの記念写真を撮る時間は有りません。慌てて出て行った人達の動きの理由が良く分かりました。
 しかしながら、「テーマパーク狙いの観光列車」を1本の特急で賄おうとすると色々と時間設定が難しいとも感じました。今の8:04新木場着だと、キッザニア東京のオープン時間に早過ぎるが、東京ディズニーランドの一番早いオープン時間には間に合わない、しかし東京ディズニーランドの普通の土日祝日のオープン時間と東京ディズニーシーのオープン時間には丁度良い時間になります。鉄道のダイヤはテーマパークのオープン時間ほど簡単に変更出来ません。その中で「MSEを使ってテーマパークに向かう客の最大多数の最大幸福」を満たすには困難が伴うと改めて感じました。


 〔4〕 何故「MSE新木場乗り入れサプライズ」の様な「積極的ダイヤ施策」が実現できたのか?

 今回「霞ヶ関〜桜田門間の千代田線〜有楽町線回送線」という「隠れた路線」を使って曜日指定臨時列車の形で運行開始されたベイリゾート号ですが、5月3日の夜と5月5日の朝の列車を見た限り、開業当初のマニア利用やご祝儀利用等もありながらも。「沢山乗って居る」とまでは言えませんがそこそこは利用されて居る感じは抱きました。
 この列車の狙いは何なのでしょうか?それは小田急電鉄の広報誌「 ODAKYU VOISE 5月号 」の中に『話題の尽きない東京ベイエリアは、家族連れなどにも人気のスポット。豊洲には子どもたちが好きな職業を体験できる「キッザニア東京」が、お台場にはお買い物が楽しめるショッピングモールが、そして舞浜には人気の「東京ディズニーリゾート」があります』『例えば東京ディズニーリゾートで開園とともに夜まで楽しみ、帰りは新木場20時50分発のベイリゾート号で帰宅』(斜字部分は「ODAKYU VOISE 5月号」寄り引用)と有るように、小田急線沿線から比較的アクセスしづらかった東京湾岸のベイサイドエリアへの観光・非日常利用の客へのアクセス手段としてベイリゾートが設定された事は間違い有りません。

  
ベイエリア観光施設群がMSEベイリゾートの狙い? 左:臨海副都心&お台場 中:豊洲のビル群とアーバンドックららぽーと豊洲 右:舞浜の東京ディズニーランド

 この狙いは、今回2本の列車の利用状況を見る限り、それなりに成功して居ると思います。普通ならば「地下鉄で普段は使われない回送線を使い予定臨時列車を走らせる」という事は、普通では考えられる事では有りません。その中でこの様な「サプライズな列車」を設定した小田急電鉄・東京メトロの英断は率直に評価して良いと思います。『これまでのロマンスカーとは少し違った感動を皆さまにご提供してまいります。』(斜字部分は「ODAKYU VOISE 5月号」寄り引用)という小田急電鉄の目的は果たされつつ有る事は間違い有りません。
 今の段階では「運行日数が年間30日程度」という限定された運行日数の為、沿線住民への知名度という点で未だ不足の点は有るとは思いますが、今後ベイリゾート号の知名度が上がるにつれて、ベイリゾート号の利用率も上がって行くと思います。その点ではベイリゾート号は「今後に注目」という所だと思います。

 しかしこの様な「MSE新木場乗り入れサプライズ」という「積極的ダイヤ施策」は何故実施されたのでしょうか?此処から先は「推測」になりますが、何故ベイリゾートが運行されたのか?という事は小田急電鉄のレジャー事業の展開と関係が有ると思います。
 近年では「平成13年の小田急トランスポートの相鉄運輸(株)への売却」「平成15年の箱根登山鉄道の完全子会社化・平成16年の小田急箱根ホールディングス誕生」「平成17年のケーブルテレビ事業の子会社小田急情報サービスの全株式をジュピターテレコムに譲渡」「平成19年の小田急不動産の完全子会社化」「平成20年の小田急建設株の大和ハウスへの譲渡」などグループ事業のリストラ・再編成を行って居ますが、小田急電鉄内でもリストラ・再編成を行って居る事業分野があります。
 それはレジャー事業です。小田急電鉄のレジャー事業部の主要な事業分野は、向ヶ丘遊園・御殿場ファミリーランド等の遊園地の運営でしたが、御殿場ファミリーランドは99年・向ヶ丘遊園は02年に閉園となり現在は御殿場ファミリーランドはチェルシージャパンに賃貸借され「 御殿場プレミアム・アウトレット 」になり向ケ丘遊園は「 2013年完成を目処に集合住宅を中心とした開発 」が行われる事になっており、小田急グループが遊園地を営んでいた「証し」は御殿場プレミアムアウトレット内の一部のアミューズメント施設に再利用されて居る観覧車程度しか現在では残って居ません。
 この様な「小田急電鉄レジャー事業のリストラ」による遊園地事業からの撤退が、MSEベイリゾートの運行開始の「心理的制約」を取り払ったのではないでしょうか?ベイリゾートの目的は「東京ディズニーリゾートを中心とするベイエリアへの観光輸送」です。小田急の2つの遊園地は「東京ディズニーランドなどの新興施設に客を奪われて業績が低迷しその結果が閉園」というのがリストラの実状です。
 自社で遊園地を持っていれば、其処への輸送に向けて邁進という事になり、東京ディズニーリゾートへのロマンスカーでの輸送は「敵に塩を送る」事になりますが、現在ではその様な制約は完全に取り払われて居ます。しかも小田急電鉄では沿線のアミューズメントパークである、サンリオピューロランドと組んで「 ロマンスカーハローキティ号 」を運行し、臨時でロマンスカーを運行しぬいぐるみを乗車させて撮影会を開きサンリオピューロランドの入場券を付けるというイベントを行って居ます。
 その様な「小田急電鉄の事業リストラ」が比較的早い時期に行われた為に、「東京ディズニーランドへロマンスカーで客を運ぶ」という今回のベイリゾートの考え方も、小田急電鉄車内で受け入れられたのではないでしょうか?確かにベイリゾートに関しては、「運転上の制約」を中心とする多々の制約・イレギュラーが存在する中で実現までには色々なハードルが存在したと思います。只この様な「小田急電鉄に置けるレジャー事業のリストラ」という要素もベイリゾートの実現に影響したのでは?と今回改めて感じさせられました。

  
ハローキティの次はミッキーマウスか? 左:2月に運転されたハローキティ号@秦野  右:車内でマイメロディーと記念写真を撮る乗客


 又この様にして「積極的ダイヤ施策」の成果として搭乗した「MSE新木場乗り入れサプライズ」ですが、少々運行日数が少なすぎるのでは?と感じました。確かに「アドバルーン効果」だけを狙うのであれば、今の本数で良いでしょう。しかし「ロマンスカーで東京のベイエリアに行けるんだ」という事を小田急沿線住民に植えつけて「ロマンスカーのイメージ向上」を狙うのであれば、年間約30日間運行という本数ではなく、土休日ダイヤ原則運行という程度まで増発して良いと思います。実際の所はもう1本増発と行きたい所ですが、今の車両本数では土休日に6両編成1本を休ませる事が検査等への対応上必要なので困難で有る事と、土休日の「メトロさがみ・メトロホームウェイ」はニーズ的に見てそんなに利用率が高くなさそうという点から考えて、思い切って「土休日はベイリゾートを運行して、MSEは沿線から東京ベイサイドへの観光輸送と東京北東部から小田原・箱根への観光輸送に特化する」という施策も、MSEのアピール上必要なのでは?と感じました。

 同時に小田急のロマンスカ−は、これだけ注目を集める「小田急の主力ブランド」ですが、故に「注目を集め続ける為に話題を作らなければならない」という宿命も抱えています。確かにMSE地下鉄乗り入れとベイリゾート運行は話題を集めました。しかし人は飽き易いものです。もう次の話題作りを考えなければなりません。
 確かに「次に行える施策が有るか?」となると、運行ダイヤ・車両的な話題造りのサプライズを仕掛ける事は、「有限な資源の有効活用」を色々考えても、人を引きつける施策を近い時期に打ち出す事はなかなか難しいのでは?と感じます。
 そうなると「話題作り」として出来る事は「ソフト的側面」という事になると思います。そうなるとやはり思い付くのは上記の写真の様な「アミューズメント施設とのコラボレーションを狙う」という事だと思います。沿線の利用者に「MSEベイリゾート」を印象付けるにはやはり「目立つイベント」を仕掛けなければなりません。その一番手っ取り早い方策はオリエンタルランドと組んで「ハローキティ号」を真似た「ミッキーマウス号」を企画する事でしょう。「ミッキーやスティッチのシールを貼ったMSEでミッキーやスティッチが乗った列車で東京ディズニーランドへ行く」となれば、「ハローキティ号」以上の人気になると同時に大きな話題になる事は間違い無いでしょう。
 一つの施策が形になり実現した以上、次の施策を考える事で常に話題作りを考えなければなりません。ロマンスカーMSEに関しては、既にその段階にまで入りつつ有ると感じます。ですから「MSE新木場乗り入れサプライズ」の次の施策を考えなければなりません。次の施策は果たして何が出てくるのか?楽しみとも言えます。




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