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「たま駅長」と「いちご電車」がローカル鉄道を救うのか!?

-新生後1年が経過した和歌山電鐵の現状とは?-



TAKA  2007年05月07日



   
左:今や大人気の貴志駅の駅長「たま」   右:「たま」駅長と並ぶわかやま電鐵の人気者「いちご電車」


※本記事は「 TAKAの交通論の部屋 」「 交通総合フォーラム 」のシェアコンテンツとさせて頂きます。

 色々な所で取り上げられていますが、今地方ではローカル線の廃止が着実に進んでいます。「ローカル線廃止」と言えば、昭和30年代〜40年代のモータリゼイションによる地方ローカル私鉄の廃止や、1980年の日本国有鉄道再建促進特別措置法成立〜1987年の国鉄分割民営化の間の時期に「特定地方交通線廃止」と言う名目で旧国鉄運営の赤字ローカル線が廃止されたなどの「ローカル線廃止の波」が過去にも何回か押し寄せていますが、ここ数年の(主に民営の)地方ローカル線廃止の動きは今までの動きに続く「第3のローカル線廃止の波」と言えるかもしれません。
 それらの廃止の波に対し、第一の赤字ローカル線廃止の波の時には「バス代替」、旧国鉄特定地方交通線廃止時には「バス代替or第三セクター鉄道」と言う代替公共交通機関確保の措置が取られていますが、今回の「第三の波」に対しては「バス代替」の他に新しい動きとして「地元・自治体補助下で新しい民間事業者を公募する」と言う動きが出てきています。
 その動きの象徴とも言える路線が、南海貴志川線廃止の表明を受けて地元の運動・NHKでの放送を受けて、地元の支援の表明・運営者公募と言う道をたどり、両備グループ・岡山電気軌道が運営者として名乗りをあげて和歌山電鐵として運営を引き継ぎ再生した、和歌山電鐵貴志川線であると言えます。
 和歌山電鐵貴志川線自体は既に2006年4月1日のスタート以来約1年が経過していますが、私も「始めての公募によるローカル線引受」の例であり、しかも交通業界ではアイディアの有る個性的な会社で有る両備グループが引き受け先と言う事で、如何にして「ローカル線は再生されるのか?」興味が有り「一度は見に行こう」と思っていたのですが、なかなか都合が付かず今まで現地を見に行くことが出来ませんでしたが、今年のGWは家族場の理由で前半予定の台湾旅行がキャンセルになり後半は完全に何も予定が無くなり台湾旅行の代替としてGW後半で一番空いていると予想される5月4日に「日帰り和歌山・泉南の旅」を企画し、今回やっと和歌山電鐵貴志川線を訪問することが出来て、ローカル鉄道再生の最先端を見ることが出来ました。
 正直言って和歌山電鐵貴志川線を見て驚きの連続でした。昨年2月に廃止反対運動中の今年2月に廃止直前の鹿島鉄道を見て「 かしてつを救うことが出来るのか? 」「 鹿島鉄道の存続運動は何故挫折したのか? 」等色々と自分のサイトで書いていて「ローカル線問題」に関してはそれなりの関心が有ると自負している私ですが、今回の和歌山電鐵訪問は驚きの連続であると同時に「今までの交通事業者に欠けていた物」を改めて教えさせられた気持ちになりました。今回その「カルチャーショック」とも言える「驚き」を「褪せない内に纏めよう」と思いこの一文を書いて見ました。ご笑覧頂ければ幸いに思います。

 「参考サイト」 ・ 和歌山電鐵HP  ・ 両備グループHP  ・ 両備ホールディングスHP
        ・ 貴志川線の未来を”つくる”会HP  ・ 和歌山市民アクティブネットワーク(WCAN)HP
         ・NHK難問解決ご近所の底力「 生活の足 鉄道を守れ 」・ 貴志川線を探検しようHP
         ・ 和歌山電鐵貴志川線 (wikipedia)

 「参考文献」 ・日経ビジネス2006年8月21日号 ひと劇場人 小嶋 光信 氏[両備グループ代表] 鉄道再生で地方に息吹
        ・鉄道ジャーナル 2006年6月号「いちご電車をよろしく」 ・鉄道ジャーナル 2007年3月号「経営移管後の和歌山電鐵」
        ・鉄道ピクトリアル 1995年12月増刊号「南海電気鉄道」

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☆ GWど真ん中の和歌山電鐵を訪問して (5/4 和歌山11:01→11:33貴志11:40→11:46大池遊園11:59→12:05貴志12:14→12:47和歌山)

※写真は今回訪問時に取りましたが、時系列的に前後している物も有ります。その点はご了解下さい。

 私が和歌山電鐵を訪問したのは5月4日GWのど真ん中でした。本当は3日午後から大阪入りして1泊2日の旅行を考えていたのですが、3日午後の新幹線指定席と3日夜のホテルが取れず結局「6:00の始発新幹線で大阪入り→午前中和歌山→午後水間&阪堺→最終新幹線で帰京」と言う超強行軍になり、初めての和歌山電鐵訪問も駆け足訪問となってしまいました。
 その様な強行軍で有りながら特急を使うと接続が悪くタッチの差で「いちご電車」に乗れない為、新幹線〜和歌山間の移動には特急でなく紀州路快速を使い和歌山入りをしたのは10:58と午後に近い時間になってしまいました。和歌山駅に降りると早速和歌山電鐵の駅を探す事に必死になります。何せ次の和歌山電鐵の電車は11:01発つまり接続時間は僅か3分しか有りません。ホームに降りると乗換の掲示を探し慌てて地下道を通り和歌山電鐵のホームである9番線に向います。
 元々阪和線の特急1時間毎・紀州路快速20〜40分毎(20分毎の関空快速に併結する(一部は単独運転)から)と言うダイヤに対し、和歌山電鐵は15分毎〜30分毎と言うダイヤの為、なかなか阪和線と和歌山電鐵の接続が上手く取れていないようです。幾ら大阪〜和歌山約80分(天王寺約60分)と言えども和歌山電鐵沿線⇔大阪となれば現状の主力はJR阪和線紀州路快速になるはずです。その点からも紀州路快速との接続は何とかもう少し考えて欲しい物です。
 9番ホームには既に電車が停車しており乗客は乗車しています。ホームにたたずむ人が居るので「何しているのだろう?」と訝りながら(理由は後で分かる)和歌山電鐵唯一の有人券売所で貴志までの切符360円を買い(1日乗車券購入をこの時には気付かなかった・・・)停車中の電車に乗り込みます。


  
左:和歌山駅9番ホームの乗り場  右:停車中の貴志行き電車

 電車に乗り込むと、取りあえず最後尾に陣取り沿線の状況を見ながら終点の貴志まで進む事にします。沿線の風景は取りあえず和歌山電鐵のHPに有る「 和歌山電鐵貴志川線 SimpleWalker 」で予習はして有ったのですが、如何せん初めて乗る鉄道なので取りあえずは「様子見」で進む事にします。
 和歌山を出るとJRきのくに線と分かれて直ぐ田中口駅が有り其処から少し東に進むと日前宮駅になります。県下最大の神社日前宮の最寄駅である此処は交換駅となっており実質的には和歌山駅が1面1線で棒線なので此処で殆どの列車が交換をします。私が乗った列車も此処で折返しで1本後の列車となる「いちご電車」と交換します。向こうは上り列車なので此方よりかは乗っていますが其れでも座席が埋まる位の利用率です。日常利用メインの時間帯は「いちご電車」も特段の効果を発揮するとは言えないと見て取れます。
 その後県道136号線に沿い神前にたどり着き再び進行方向を東に変え竈山を過ぎると右手に交通センターが見えてきて、交通センターと交通公園の最寄駅の交通センター前になります。流石にGWだけ有り交通公園には親子連れ等が多く来ており貴志川線を利用する人もチラホラ見えました。
 交通センター前を過ぎると田園地帯を進み岡崎駅に到着します。この駅の交換設備は伊太祈曽駅折返し列車が入る時間帯だけの使用です。又岡崎駅は和歌山東高校・信愛短期大学の最寄駅で信愛短期大学へは和歌山駅からバスが有るのに最盛期時間帯には岡崎駅折り返しバスが有るほどで和歌山電鐵利用者も多いようです。岡崎前を過ぎ阪和自動車道を潜り菖蒲丘団地の最寄駅吉礼を過ぎると沿線の中核駅で車庫もあり伊太祈曽神社の有る伊太祈曽駅に到着します。

  
左:日前宮駅で交換した「いちご電車」  右:交通公園・交通センターが有り集客力の有る交通センター前駅
  
左:日中は利用しない岡崎前駅の交換施設  右:伊太祈曽駅で交換の上り列車

 伊太祈曽駅は和歌山電鐵の中では本社・車庫もあり中核駅と言える駅です。又駅には1日200円で置ける駐車場も有り、HPで『貴志駅には駐車場が無いので「たま駅長」の見学には伊太祈曽駅前駐車場を御利用下さい』と案内が有る程で、上手く「たま駅長」人気をパーク&ライドと和歌山電鐵利用を結び付けていると言えます。
 又伊太祈曽駅は本社も有り車庫も有る中核駅で有るにも関わらず駅構内で改札を行って居ません。その為和歌山駅以外の全駅では改札の代わりを車両内のワンマン設備で対応していますが、普通の会社ならば本社の有る駅なので事務職の人が改札を行う等の方策を取るのが一般的で有ると言えます。和歌山電鐵では「1人3役」で業務をこなすと言うギリギリの合理化を行っているのは知られていますが、その「1人3役」故に本社の有る駅でも改札を省略するほどまで徹底的に合理化がされているのか!と改めて驚かされました。
 伊太祈曽駅では此処から先が単線棒線の為殆どの上下列車が此処で交換します。伊太祈曽駅は流石に地域の中心の駅で有るようで上下列車共にかなりの乗降が有ります。特にこの日も午前中と言う事も有り上り列車には10名以上の乗車が有りました。和歌山〜伊太祈曽間が運賃280円ですからこの区間で日常的にこれだけ利用してくれるというのはローカル線としては恵まれていると言えます。

  
左:伊太祈曽駅で上り列車に乗る乗客  右:伊太祈曽駅の車庫・検修施設
  
左:貴志駅で折返しを待つ列車  右:普通でも「たま駅長」見学に人だかりが出来る貴志駅前

 伊太祈曽から電車はさらに東進します。この先平行県道の県道13号線が左右の視線に入ってきます。伊太祈曽の次の駅山東を過ぎるといきなり山の中に入ります。丁度此処が和歌山市と貴志川町(現在の紀ノ川市)との境になっていると同時に和歌川の支流の和田川と貴志川の分水嶺となっていて、左右に山とみかん畑が迫って来て今まで平地を走っていた鉄道の風景が一変しいきなりチョットした山岳鉄道の様相を呈します。
 分水嶺を越えると県立自然公園で桜が有名で和歌山市民の気軽な観光地と言える大池遊園を過ぎ、郊外的な住宅街と県道沿いのロードサイド店と平行しながら西山口・甘露寺前を過ぎると進行方向を東から南に曲げて終点の貴志に到着します。貴志の中心市街地は県道13号線と10号線の交差点付近にあり、和歌山電鐵の貴志駅は市街地に背を向ける形になっています。只この先は直ぐ貴志川にぶつかり「川を渡る意思」が無ければ行き止まりの地形です。過去には「貴志川を越えて東or南に延伸」と言う考えが有ったのでしょうか?
 貴志駅はその様な「市街地から少し離れた」と言う立地の為、コミュニティバスは経由しており駅前にタクシー会社が有る等「地域の交通拠点」としてはそれなりに存在感が有るとは言えますが、駅周辺には住宅は有る物の店は殆ど有りません。見た限りほぼ唯一の商店が貴志駅の駅舎に入っている売店で、今回 「たま駅長」誕生の立役者 となり一躍有名になった「小山商店」が唯一の商店と言うのが駅周辺の状況です。
 今回普通の列車に乗り和歌山から貴志まで乗り通しましたが基本的には和歌山から貴志へ漸減していくと言うのが貴志川線の乗客の流動で有ると言えます。只大きく乗客が動いたのが伊太祈曽と終点の貴志で、どちらも7〜8人程度の乗降が有りました。只終点の貴志の駅では降りた人の半分位(其れでも私を含め数人でしたが)は「たま駅長」の見学に向かい小山商店で記念品を買ったりしていました。一時は廃止に追い込まれそうになったローカル線で有ったことを考えると、それだけでも客を呼べる存在と言える「たま駅長」の存在はかなり大きいと言えます。

  
左:桜が有名な大池遊園の脇を走る「いちご電車」  右:大池遊園駅での「いちご電車」乗降風景

 貴志駅で「たま駅長」を見て買い物をした後、改めて切符を買いもう一度列車に乗り取りあえず写真を取る為に景色の綺麗そうな大池遊園駅まで戻り次に来るいちご列車の写真を取る事にします。
 大池遊園駅は近くに溜池として作られた大池が有り大池の周りが公園の様になっており又大池ではボート遊びが出来る様に成っており、自然を楽しめる観光地となっており特に桜の咲く時期は観光客で賑わうようです。しかし駅自体は交換施設を撤去した1面1線の駅で、駅舎も待合室も無く典型的なローカル線の「ボロイ駅」と言う感じで駅周辺には家が数件有るだけで店が有る訳ではなく大池の湖畔に「大池荘」と言う民宿?の様な施設が有るだけで「観光地」と言うには寂しい場所で有ると言えます。只この大池遊園を目的に貴志川線を利用して来る人もこの日も居ましたので無視は出来ない存在で有ると言えます。
 実際暫く待つと下りの「いちご電車」が大池を渡り大池遊園駅に入線してきます。写真を取り電車に乗ろうとすると「いちご電車」から7〜8人の人が降りてきます。GWと言う事も有るのでしょうが「いちご電車」に乗り大池遊園で遊ぶと言う「気軽な日帰り観光」を考えている人が思った以上に多いのかもしれません。貴志川町は関西有数の「 観光イチゴ狩り園 」が有名との事ですが、大池遊園周辺にも休耕田畑が有って「手軽な開発」の余地は有ると見えましたので、「いちご電車」とのコラボレーションで「第二の観光イチゴ園」を作るなど手軽な日帰り客目当ての観光開発をするのも貴志川線活性化の方策になるかもしれません。
 その様な乗降風景を眺めながら「いちご電車」に乗り込むと・・・流石に眼が点になりました。何と車内は乗車率100%OVERは確実の乗車率になっています。少なくとも1本前の電車ではこの3分の1も乗客は居ませんでしたから、間違いなく「いちご電車」狙いの乗客がこれだけ居たのでしょう。この状況から見れば和歌山駅で前の電車に乗らなかった人は間違いなく「いちご電車」に乗る為にワザと30分待ったのでホームに居たのでしょう。又1両目・2両目共に満席で立ち客が居ましたが、1両目は2両目以上のかなりの立ち客が居ます。和歌山は全車両のドアが開き2両目の方が乗りやすいですから、1両目の立ち客の人達のかなりの人は途中で乗ってきた可能性が高いと言えますし、其処から考えると伊太祈曽駅でパーク&ライドの上「いちご電車」で貴志に向かい「たま駅長」を見に行くと言う行動パターンを取った人が多い可能性が有ると見えます。
 幾らGWであると言えどもこの乗車率は驚きです。まして和歌山駅の掲示板には11時の段階で「貴志の 観光イチゴ狩り園 は満員です」と掲示が出ていることから合わせてこの前の和歌山8:25発・10:01発の「いちご電車」もかなりの混雑で有ったと予想できます。少なくとも南海時代には(大池遊園の桜の時期でなく)「GWに貴志川線が観光客で大混雑」とは聞きません。その点から考えると和歌山電鐵の「いちご電車」恐るべしと言う事が出来ると思います。
 この後再び貴志駅で「たま駅長」や「いちご電車」の写真を取るなどの行動をする「いちご電車」の観光客の動きを見た後、再び「いちご電車」に乗り和歌山まで戻りました。この「たま駅長」と「いちご電車」のフィーバー振りに、一般的に固定観念で「鉄道を考える」人たちには足りない「アイディア」が和歌山電鐵には有るのだ!とカルチャーショックを受け、深く考えさせられました。


☆ 何が「田舎のローカル線」の和歌山電鐵に多数の人を惹きつけるのか?

 さてこの様にGWと言う事も有り「たま駅長」「いちご電車」でフィーバー状態だった和歌山電鐵ですが、何故観光地も少なく今までの南海時代はGWでも利用客を集められなかった鉄道が此れだけの観光客を集め、しかも650円の1日乗車券orパーク&ライドで200円の駐車料金+伊太祈曽⇔貴志往復560円の運賃を積極的に落としてくれるまで、何故集まるのでしょうか?
 例えばこれが箱根登山鉄道や叡山電鉄の様な「観光鉄道」であり沿線に世界的にも名が通る観光地が有る、と言う様な状況であれば話は別ですが、少なくとも和歌山電鐵はその様な状況ではありません。ローカル輸送がメインの「普通のローカル線」に過ぎない鉄道で有ると言えます。その鉄道に時間的にチョット中途半端な和歌山11:31発の電車で2両編成が定員100%OVERになるほど集まり、観光目的でグロスで数百人/日の観光客が集まるのは正直言って驚きです。何故ローカル線に此れだけの観光客が集まるのでしょうか?

  
左:イチゴの中に入って休憩中の「たま駅長」  右:「たま駅長」が主役!?貴志川線運営委員会主宰の「貴志川線祭り」ポスター
  
左:木が多く使われている「いちご電車」内部  右:貴志駅前で「 観光イチゴ狩り 」を案内する幟と看板

 やはり放って置けば誰も注目しないローカル線に「特定の目的を持たせて」人を集めるにはやはり「広く注目を集める事」が必要で有ると言えます。「注目する人>実際来る人>電車で着てくれる人」と言う図式が有る以上、実際電車の旅客収入を増加させるためには「薄く広く」多くの人の注目を集めないと集客には寄与しないです。そうなると多くの一般人の心に感銘を与える話や多くの人が魅力を集める総合的な観光資源を造らなければなりません。
 しかも「注目を集めて」多くの利用客を集めるのに大幅なコストを掛ける訳にはいきません。只ですら「赤字に苦しむローカル線」ですから投資しなければならない項目は沢山有ります。又「費用対効果」を考えた場合でも当然投資は少ないほうが効率は上がります。つまり「少ない投資で大きな注目を集め興味を引く事」を作り出して、客を集めローカル線を活性化さなければならない事は自明の理であると言えます。

 その点「貴志の駅前で行き場に困っていた猫を駅長に任命する」「地域の名産イチゴとコラボレートしてデザインを大幅に変えた「いちご電車」を走らす」と言うのは、人の注目を集めると言う点では大きな効果を期待できると言えます。「猫の駅長」と言えば「可愛い」ですし「珍しい」ですから注目を集めますし、流石デザイン戦略を重視する両備グループだけあり地元の隠れた「イチゴ狩り」を見つけ出し其処に光を当て、其処にインパクトを与えるためデザインを大幅に変えた電車を投入し(しかも改装費は寄付を集め「広告収入」で処理)一般人が見て「可愛い」デザインで注目を与えたと言う、今回の戦略は素晴しい物が有ると言えます。
実際私的に見れば「紀州=みかんor梅」と言うイメージが強く普通なら「売り出すならみかんor梅だろう」と思う中で、「貴志川町に西日本最大級の観光イチゴ園が有る」事に目をつけて「いちご電車」を売り出し注目を集めしかも観光イチゴ園と上手くコラボレートさせて、「みかんor梅」と言う紀州の一般的イメージと上手く差別化したマーケティング戦略の上手さには正直言って驚かされます。
 又「たま駅長」の誕生についても、その経緯が両備グループHPの「 代表メッセージ 」に出ていますが、貴志駅の小山商店のおばちゃんのお願いと和歌山電鐵小嶋社長の「良いですよ。でも駅の中にいるんだったら、駅長をやってくれないといけませんね」一言で登場した「たま駅長」ですが、その小嶋社長の咄嗟の言葉が結果としてこれだけ注目を集める「たま駅長」の誕生に繋がっています。
 此処から先は推測ですが、「いちご電車」は集客と注目を集める為に狙った戦略的イベントで有ると推察できますし、「たま駅長」に関して言えば小嶋社長の「咄嗟の思い付き」から出たアイディアを4月の話から1月の登場までの間上手く練って「これがきっかけでマスコミにでも取り上げられれば宣伝になる」に成るという考えでアピールをしたら、結果として観光客を引き付けたと言うのが「いちご電車」と「たま駅長」誕生の実情で有ると思います。

  
左:11時01分発貴志行き車内(和歌山出発時)  右:11時31発貴志行き「いちご電車」車内(貴志到着前)
  
左:「いちご電車」の写真を取る観光客の利用者  右:「たま駅長」を取る為に殺到する観光客の利用者

 しかしこれが「大当たり」したのは「結果」を見れば明らかです。実際上の写真を見れば明らかですが、GWと言う事が有れども「いちご電車」狙いで多くの観光客が集まっている事は間違い有りません。多分11:01発の普通の電車と11:31発の「いちご電車」では乗客数に80〜100名の差が有る事は明らかです。又貴志発車時点で普通の電車の11:40発和歌山行きと次の「いちご電車」の12:14発の和歌山行きで2両で50名以上の乗客数の差が有りました。つまり「いちご電車」1運行辺り50〜100名程度の観光客が上乗せされていた可能性が高いと推察することが出来ます。
 しかも「いちご列車の写真を取る観光客」「たま駅長の写真を取る観光客」の写真を見れば明らかですが、如何見ても「鉄ヲタではなく普通の観光客」です。しかも持っているカメラはデジカメor携帯電話のカメラであり、規模は違えどもその勢いは「アイドルのコンサート」で追い駆けをしている人々と見間違うばかりで、その人達はの層は家族連れ・カップル等「ローカル線」とは懸け離れた感じの人達であり、駅周辺から殆ど動かない事から「いちご電車」と「たま駅長」が目的でわざわざ貴志駅まで来たと言う可能性が高いと予測できます。
 今までローカル線でこの様な光景を見た事が有るでしょうか? 良く鹿島鉄道の様にローカル線の廃止の時にはローカル線に人が集まりますがそれは鉄ヲタを中心とする一過性の物であり、一般の人々が集まる物では有りません。しかも観光的な目的がゼロですから廃止イベントに集まった「鉄ヲタ」の99%は鉄道に乗れども周囲に金を落としません。つまり沿線から見れば「鉄ヲタ=乗数効果殆どゼロ」と言う存在ですが、少なくともGWに和歌山電鐵に集まった観光客は鉄道を利用し「いちご電車」に乗り「たま駅長」の写真を取るだけでは有りません。そのまま折り返す人も多く居ましたがかなりの人は周辺で観光をしたと推測出来ますし、駅隣の小山商店で何かを買ったり「たま駅長グッズ」を買った人も居るでしょう。(事実私も猫好きでこの話を知っていた母親用に「たま駅長」のポストカードとバッジを買い序でにジュースも買った)この様にお金を落とすので「観光客=乗数効果はそれなりに有る」事になります。これはローカル線だけでなく地域全体にとっても活性化に効果が有る事と言えます。
 この様に一般の人たちを相手に「浅く広く注目を集める」と言う要素が強い「いちご電車」「たま駅長」の様なイベント的な物を仕掛けて観光客を集めると言う事が、和歌山電鐵にこれだけ多くの一般の人を引き付けた要素で有ると言えます。つまりは「一般人の目線に立って、一般人の感覚で」物事を考えてイベントを仕掛けると言う事が此れだけの人たちを和歌山電鐵に引き付けたので有ると思います。要は「交通事業経営」にも一般的な視点で一般人の感覚・ニーズを汲み取り、其れを実現して人々を引き付けると同時に交通事業に客を引き寄せる事が交通事業の経営に必要なのです。その事を和歌山電鐵の成功事例は如実に示していると言えます。


☆ これでも和歌山電鐵を永続ならしめる為に足りない物が有るのでは?

 この様に「いちご電車」と「たま駅長」で一般の観光客を引き寄せている和歌山電鐵ですが、必ずしも今の成功が「将来の永続性」を保証する物では有りません。確かに和歌山電鐵1年目の前期は「 「いちご摘み電車」など毎週一回といえる程の各種イベントが行われ、ご愛顧をいただいたことで、年間ご利用者192万人が210万人となり、前年比約10%の運輸収入アップにつながったと 」との事で、加えて赤字が「補助の8,200万円の範囲内に収まった」との事ですから、この成果を見れば「 残りの9年間を確実にするとともに、次なる10年、20年先の見通しをたてなくてはいけませんが、この1年間の頑張りで、次なる10年の道筋が見えてきたと思います。 」と和歌山電鐵小嶋社長が言う程の成果は上がったと思います。
 又市民活動の「 貴志川線の未来をつくる会 」の活動も、存続後も定期的かつ積極的に活動しているようですし、実際貴志駅で清掃をしたり、観光客の整理をしている”つくる会”のボランティアを見ましたし、和歌山電鐵との間でも 貴志川線運営委員会 と言う機構が和歌山電鐵の組織の中で確立しているほど「地域と鉄道会社の協業」のシステムが出来上がっていて、地域と協力してローカル鉄道を運営するモデルケースと言える形態が成立しています。

  
左:駅の美化に取り組んでいる「 貴志川線の未来をつくる会 」  右:「たま駅長」を見守る「 貴志川線の未来をつくる会 」のボランティア

 しかしこの今見れば「ローカル線再生の模範的事例」と言える和歌山電鐵の貴志川線再生プロジェクトですが、今の成功で「残り9年を確実にし」と言う所まではたどり着けたと思いますが、問題はその先「次なる10年の道筋」と言う点です。地域との協業・ローカル線運営のあり方・人々の関心の引付け方と言う点では合格点ですが、それだけでは解決できないつまりは両備グループと和歌山電鐵の力だけでは解決できない将来問題が横たわっていると言えます。
 それは「インフラ整備」の問題です。和歌山電鐵では目標を「1)年間の赤字を8,200万円以内に抑えて存続を図る 2)地域の発展の為に”縁の下の力持ち”の役割を果たす 3)10年後の貴志川線存続の道筋をきっちりと付ける」と言う様に掲げています。実際1年目の成功で1)と2)の項目に関しては有る程度の道筋を付ける事が出来たと思います。問題は「10年後の存続の道筋を付ける」と言う点です。その点に関して「インフラの整備」と言う問題が重くのしかかってくる可能性が有るということです。
 実際南海から引き継いだ和歌山電鐵のインフラを見る限り必ずしも良い状態に有るとは言えません。車両に関しては南海から製造初年度昭和44年・平成6年度更新の2270系を引き継ぎしかも必要編成数のよりも十分多い6編成を引き継いで居る為あと15年は持つと思います。(実際南海にはもっと古い製造初年昭和38年の7000系が大手を振って走っている・・・)ですから車両に関しては今後も手を入れて行けば10年後の段階でも取りあえずは安泰と言う事が出来るでしょう。加えて変電所設備に関しても昭和16年開設の伊太祈曽の変電所は和歌山県の大規模修繕費に関する補助2.4億円で更新を担保出来ているし、その他の変電所2箇所は昭和40年代前半建設の為、今の段階では問題は無いと言えます。
 しかし問題は電路と軌道です。これに関しては上下分離により「土地は和歌山市と紀ノ川市が保有し和歌山電鐵が無償で使用、土地以外は南海が和歌山電鐵へ無償譲渡」と言う事になっていますが、この大規模修繕に関して補助等の担保が何も無い状況に有ると言えます。下の写真を見れば明らかですが、PC枕木は一部しかなく大部分が木枕木で重軌条化も進んでいない可能性が高く、加えて道床は薄くバラストは心とも無い状況です。実際乗り心地が「かなり悪い」と感じた所も有ります。これらの「消耗品」に関しての補修について、中長期的なメンテナンスの補助スキームが今の段階では明らかになっては居ません。その点が「10年後以降の永続性」と言う点で見ると最大の不安になります。

  
左:貴志川線と平行道路の状況(日前宮〜神前で県道136号線と)  右:貴志川線と平行道路の状況(西山口〜甘露寺前で県道13号線と)
  
左:老朽化している駅舎@大池遊園  右:簡易な駐輪場は整備されているのだが・・・@貴志

 又接客サービスの施設を見ても「前時代的設備」で有る事は間違い有りません。実際各駅のトイレは今の時代で有っても汲み取り式ですし、新生和歌山電鐵誕生後も駅舎の改修は殆ど行われておらず大池遊園の様な「前時代的駅舎」が堂々と生き残っています。この様な点は少なくともサービスレベルは低く「10年後の存続を保証するインフラレベル」には無いと断言する事は出来ます。
 但し地元自治体が何もしない訳ではありません。実際写真の様に貴志駅では舗装の真新しい駐輪場が整備されていますし、和歌山市も予算を付けて 吉礼駅の駐輪場舗装化 を行うなど利用客の利便性向上を図るべく施設の整備は行っては居ますが、如何せん鉄道その物の施設の整備に関しては「インフラ所有・管理者」として不十分なレベルの管理・投資しか行っていないと言えます。

 その点から見ると同じ「大手民鉄がローカル線を切り捨てた」例でしかも民間既存交通事業者が上下分離で引き受けた、三岐鉄道北勢線のインフラ整備レベルと比べると「天と地」「月とスッポン」位の差が有ります。北勢線の場合は「軽便鉄道からの脱出が急務」で「国も幹線鉄道活性化補助を入れてくれている」と言う事情が有るにしても、駅舎・軌道等のインフラ整備のレベルは極めて高い所に有り、 昨年9月の訪問時 に実際に現地を見ましたが、そのレベルは軽便鉄道と言うレベルから比べると「生まれ変え割った」と言う事が出来るほどインフラの更新が行われています。
 実際北勢線に関しては同じ10年間の三岐鉄道の経営期間に対し、20億円の欠損補助+32.2億円の設備更新費用+国の補助(西桑名駅接着事業・高速化事業)と言う巨額が投資されています。それに対し和歌山電鐵への補助は10年間で8.2億円の欠損補助+2.4億円の大規模修繕費(+南海からの2.3億円の用地取得費を県→市・町へ補助)しか約束されて居ません。幾ら用地以外は南海→和歌山電鐵へ無償譲渡されてますが、今の和歌山電鐵の軌道を維持・向上させる為の大規模修繕投資を和歌山電鐵が行う事は収支的に困難です。
 そうなると「将来への投資」はやはり地方自治体が有る程度の補助をしなければなりません。三岐北勢線のレベルは「大きすぎる」と言う意見が出てくるとは思いますが、インフラ修繕費に関しては「有る程度を県・市が負担をする」事を今の段階から行い、10年後には良い状況のインフラで「次の時代」へ歩み出す事が必要で有ると言えます。和歌山県・和歌山市・紀ノ川市がその検討を加えるためには「和歌山電鐵が滑り出しで成功した」今こそ適当な時期であると言えると思います。又今こそ将来への永続的なビジョンを持つ事で次の時代を考えなければならないと思います。


☆ (あとがきに変えて)地方ローカル線を維持し成功させるために本当に必要な物は何か?

 今回「悲願」とも言える和歌山電鐵訪問を果たし「地方ローカル線の再生モデル」と言える成功例を見る事が出来ましたが、確かに実際にも成功している事が有り確かに素晴しい「ローカル線再生モデル」で有ったと改めて感じさせられました。
 和歌山電鐵は「一期一会」を大切にし「日本一心豊かなローカル線になろう」と言うスローガンを掲げて運営していますが、正しくこの言葉に「偽りは無し」と言う事が出来ます。和歌山電鐵は鉄道事業者の交通事業者ではなくサービス業を営むと言う考えでの「普通の視点」と、「たま駅長」の世話をしている小山商店のおばさんの様な「地域の人たちの協力」を得て、普通の人たちに「魅力を感じさせる」と言う「日本一心豊かなローカル線」を実現させていると言えます。
 実際の所両備グループは「住民・行政・政治の熱意」を条件に貴志川線の運営主体として名乗りを上げていますが、その条件以前に貴志川線は今まで廃止された鹿島鉄道・名鉄岐阜4線等と比べても輸送密度的にも「努力すれば未だ見通しが描ける」と思わせるレベルに有ったと言う点が有ると思います。だからこそ「運営主体として名乗りを上げても成算が有る」と言う両備グループの経営判断に繋がり、今の形態での運営が行われる様になったと思います。その点は「成功への絶対条件」として重要で有ったと言えます。
 それに加えて上述の「地域の協力」「両備グループの経営センス」「小嶋社長の明確な方針とリーダーシップ」が有ったからこそ和歌山電鐵は今日の成功を収める事が出来たのだと思います。両備グループは交通事業者としては「個性的なグループ」と言うイメージが有りますが、その個性が有ったからこそ和歌山電鐵による貴志川線再生は成功したのだど思います。

  
左:「いちご電車」利用者を出迎える「たま駅長」と駅売店のおばさん  右:貴志駅売店に飾って有る今までのイベントの写真

 これは色々な意味で「鉄道マニア」だけで無く「交通に関わる人」全てに言えるのかもしれませんが、要は「一般の人々の考えている事・求めている事」に気がつかず、「一般の人々と同じ視点で見る事」を忘れて居たのかもしれません。
 それに関しては「素人で交通論を語っていた」私とて例外で有りません。「 TAKAの交通論の部屋 」で色々とローカル線再生のあり方について語ってきましたが、今回の和歌山電鐵の再生の姿を見るまでは何か「鉄道事業者的な視点」で物事を考え論じていて、「普通の人々の視点」が欠けていたのでは無いだろうか?と感じさせられました。
 確かに和歌山電鐵で大成功を収めている「いちご電車」も「たま駅長」も普通の交通事業者ではなかなか出てこない発想で有ると言えます。又「あっとおどろくプロジェクト構想」と言う名前で1編成丸ごと「 おもちゃ電車 」等を作り出す発想も普通の交通事業者にはなかなか無い発想で有ると言えます。
 しかし「話題を作り人々の注目を集める」と言う点では、これらの「いちご電車」「たま駅長」「おもちゃ電車」等の「あっと驚くプロジェクト」は極めて効果の有る物であり、これらに引付けられて普通の人たちが観光客として和歌山電鐵へ引き寄せてその結果「地域の発展の為に”縁の下の力持ち”の役割を果たす」と言う和歌山電鐵の目標も果たして居ます。

 今回和歌山電鐵を訪問してふと感じた事は「我々は鉄道を語る振りをして鉄道を弄んでいたのではないか?」と言う事です。
 普通の鉄道事業者はその自己の会社の存続の為、その社員は日々の糧を得る為に頑張って交通事業を営んでいる事は間違い有りません。その点では交通事業者やその社員はその意味では「弄んでいる訳でなく努力をしている」「只もっと社会一般に適合できる視点つまりサービス業的視点が必要では?」と言う道の間違いだけなのかも知れません。ですから交通事業者やその社員は「その公共性と収益性の狭間」で悩む事になり同時に「その両立の方策に悩む事」になり「何故世間から背を向けられ利用されないか?」に悩み苦しむ事になります。
 その苦しみの中で「生き残る為の道」を探してもがき苦しんでいる交通事業者とその社員を頭から否定する事は出来ません。間違えているのかも知れませんが「現実」の中で対応していると言う点で苦難に直面しているのですから・・・。
 しかし私もそうですが、如何なる形であれ鉄道を趣味で見ている人間は「高論を語る」つもりで居て実際は何も見ていないで、社会と隔絶した中で只論じて頂けなのかも知れません。実際和歌山電鐵運営開始直後は鉄道雑誌等でも取り上げていましたが、今の実際に有る「ローカル線再生の成功」と言う和歌山電鐵の現実に対し鉄道雑誌も鉄道マニアも殆ど目を向けません。実際GWと言う事で和歌山への移動中の京都駅・東海道本線・阪和線等で多く見かけた鉄道マニアの姿を和歌山電鐵では一人も見かけませんでした。
 確かに「ローカル線が廃止」となれば鉄道マニアは列を成して押し寄せます。しかし其れは「無くなる事を惜しむ」だけであり社会的には何も意味を成しません。と言う事はその様な事に注目しても「失敗から学ぶ」と言う点で学び論を張れば別ですが、只「廃止になって惜しい・寂しい」と言っても社会的には何も意味を成す物では有りません。
 そういう点から言えば「見て・学び・情報を発信する」と言う点で意味が有るのは、和歌山電鐵の様な成功事例なのかも知れません。和歌山電鐵の成功の要因は「鉄道事業者が一般人の視点で物を見て運営と集客を考えた」と言う点と「鉄道事業者と協力しながら一般の市民が色々な点で協力をした」と言う点で有ると言えます。その点で言えば和歌山電鐵は「普通の視点」を持ったからこの様な成功を収めたと言う事が出来ると思います。
 その様に考えれば「鉄道を含む交通の将来の有るべき姿」を考えるにあたり、私も「鉄道マニア」も欠けている物は何だったのか?と言う事と、交通事業者が交通事業で成功するためには何が必要なのか?と言う事を和歌山電鐵は身を持って示していると言えますし、私も今回「カルチャーショック」を受けたと言えますが、そのショックの内容を含めて今後論ずるにあたり色々考えなければならない事が有ると、改めて悟らされたと言う事が出来ます。




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