このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 岩屋寺石仏 
岩屋寺石仏
大分県大分市古国府にある平安時代後期(11世紀中頃)の磨崖仏であり、 大分元町石仏 と同じく凝灰岩質のもので、元町石仏から約600m程の距離にあります。 元々は両者ともに圓寿寺(岩屋寺)の敷地内に位置し、ほぼ同年代に造られたものと考えられています。
元町石仏の保存状態に比べ、こちらの石仏は風化が激しく、原型を留めていないものが殆どです。 最も保存状態が良いのは、右端の十一面観音菩薩立像ですが、それ以外は頭の形がわずかに残るのみといった 像が少なくありません。
磨崖仏から向かって右手には、かつて小仏像を収めていた千仏龕(せんぶつがん)が残っています。 これにはかつて粘土製の小仏像が収められていたと推測されています。

 ▲ 岩屋寺石仏。左手に磨崖仏が並び、右手に千仏龕がある

 ▲ 岩屋寺石仏
以前は国の史跡に指定されていましたが、損傷が著しいため、県史跡へと変更されました。

岩屋寺石仏は、全部で17躯(く)の磨崖仏からなり、 崖面の中央にある薬師如来坐像(推定)を挟んで、 向かって右側には、最も右端の十一面観音菩薩立像など6像が並びます。 向かって左側には、最も右端の不動明王像など合わせて10像が彫りだされています。 どの像も彫刻面がひどく傷んでいるため像名の分からないものもありますが、 大分元町石仏にならって考えると、中央の如来坐像を薬師如来とし、 その左右に釈迦如来、阿弥陀如来の二組の三尊像を陽刻し、 過去・現在・未来の三世信仰を表そうとしたのが基本の仏像配置であったと推定されます。



 ▲ 岩屋寺石仏。右端が最も状態の良い十一面観音菩薩立像


 ▲ 右端:十一面観音菩薩立像

 ▲ 千仏龕

 ▲ 十一面観音菩薩
最も保存状態の良い十一面観音菩薩立像は、残念ながら鼻から口元にかけてが欠落していますが、 優しげな眼もとと豊かな福耳が残っています。 裾のふわりと広がった衣をお召しになっていますが、ドレープの部分には赤い着色がなされています。 この十一面観音の石仏は、全国的にも例がなく、ここ岩屋寺のみに存在するものです。

石仏の右手にある千仏龕(せんぶつがん)も大変珍しいもので、 龕の中にはもともと粘土製の小仏像が奉納されていたと推測されますが、現在はひとつも存在しません。

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 ▲ 駐車場にある大分歴史文化案内図
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岩屋寺石仏 DATA
住所大分県大分市古国府1-4
電話番号
営業時間
公式HP
備考

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last visited : 2012/08/19

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