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上海SARS問題
                                              03.07.10
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世界を揺るがしたSARSについて、上海の状況をお知らせします。終ってみるとあっけない・・・・あの騒ぎは何だったのだろう。 いつも思うのが「隠す中国・騒ぐ日本」 2つを足して2で割るとちょうど良くなるかも知れません。


■4月の気管支炎
 SARS問題が本格化する少し前の4月の始めに、3日ばかり39.5度程度の高熱が出ました。数年に1回くらいの間隔で、この症状が出るのですぐ近くの救急病院に直行!!夜間のせいか聴診器で見た後に薬をくれただけ終わりです。
 この症状が出ると長期戦、全快するまで1週間はかかるので帰りにスーパーの家楽福で食料の買出し(こんな時は単身赴任者はつらい)。 一応解熱剤は飲んだけど抗生物質がないと完璧に治らないので、次の日に休んで上海医科大の華山病院に行く事にしました。

 行って見てびっくり、みんなマスクをしているではないか!! やばいと思っていたらウエルビーの人がマスクをくれたので一安心、しかし診断時はラフなもの、マスクをして診察するわけでもありません。結果としていつもの気管支炎、SARSでなくて安心しました。


■SARS対策の始まり
 北京のSARS問題が出てきた後、上海のSARS対策も具体的な取り組みが見えてきました。まずは「情報公開」、新聞やテレビでSARSの情報が多くなった事、その次が市の取締りが厳しくなった事と広報活動が目に見えて活発になってきた事です。この結果、一般の店舗やレストラン等でそれなりの取り組みがはじまり、「規則を守る」という事にルーズな中国人が意外に守って来たようにあります。ただし個人個人の危機管理は相当遅れている様子。

 自分ひとりが感染するのは仕方ないとしても、会社が操業停止になり、日本で大々的に報道されるのが一番怖い!! 問題は「自己防衛」をどこまでするかです。上海ではマスクは手に入らないので家から送ってもらったけど、マスクで防げるのは一部ですね〜 たとえば「使ったマスクをどう扱うか?」 「外で外食する時の対応」「外出して服の取り扱い」・・・・完璧にやろうとしたら部屋の部屋の中の消毒も必要なようです。「あまり気にしてもしょうがないけど、最小限の対応は必要」というところです。


■4月26日(土)
 北京でインスタントラーメンなどが品切れになったという話を聞いたので、長期保存が効く食料を買いに友誼商城まで行ってきました。ここは外国の駐在員が良く利用する店でキチンと管理されていますが、店に入ってびっくりしたのが従業員の半数以上がマスクをしている事です。お客に移してはいけないからか? 自分に移されないようにするためか? ここは中国!!もちろん後者だろう。お客もそれなりのレベルの人が多いせいか、マスク姿が目立ちます。

 次の日にマンションの裏にある市場に行って来ました。ここは少し汚いのでマスクをして行ったのはいいけど「誰もマスクをした人はいません」 この2つの例をどう見るのか? 市場の人は認識がないのか? それともマスクがないのか? 


5月連休
日本ではSARS問題で大騒ぎです。帰っても1W自宅待機とかうるさい事、娘が看護婦をしている事、また、この際SARS問題をとことん体験しようと思い上海居残りを決定しました。食料は買い込んだし、体調は快調だし、マスクも日本から送ってきてもらったのでたっぷりあるし、もう暫く熱は出ないだろうから、上海SARSの実況中継です。
 

■5月1日(木)
 連休の初日に裏の市場に行くと、なんとなく雰囲気が違う・・・いつもの饅頭屋が店じまい、壁を見ていると市の公告が貼られています。回りを見てみると何箇所か店じまいして貼り紙が貼られている、何とかいているか知らないけど、無免許の飲食店などへの規制らしい。
 仕方ないので、100mくらい行った所にあるラーメン屋行きました。ところがラーメンを食べようとして頼んだのは良いけど、途中で取締りが来て急遽店じまい・・・結局食べられませんでした。さらに隣の店は、大きな鍋を取り上げられていました。

閉鎖した市場の饅頭屋

市の公告

こっちも店じまい

5月4日(土)
 暇なので町を歩いて写真撮り、一般道路の消毒も始まったし、レストランとは一般店舗も消毒表示が見えるようになってきました。とにかく暇のなので昼から長江遊覧船にのり暇つぶしです。往復4時間、何もすることないから本を読んで中国語のMD聞いてビール飲んで後はボーっとしているだけ、これでSARSがなければ最高なのに気分がすっきりしない休日です。

町でも消毒

市の掲示物

店にも消毒表示



長江遊覧船内

遊覧船内の掲示物
 

南京東路の食料品店

■5月11日(日)
SARS問題が始まって、初めて地下鉄に乗りました。

地下鉄ホーム

ガラガラの地下鉄
台北ではマスクがないと地下鉄には乗れないらしいけど、上海ではマスク姿もチラホラです。
でも乗客数は以前に比べて格段に減少、やっぱり地下鉄はこわいね〜。もちろん日頃はマスクはあまりしないけど、地下鉄も中だけはまじめにマスクをします。

■普陀山へ体温測定ツアー
 SARSも終わりかけた6月の終わりに、日帰りで普陀山に行ってきました。時間的な問題から観光は全く出来なかったけど、かねてから行って見たかった普陀山に行けただけでも良しです。ところがどこでも体温測定!!なんか体温測定ツアーみたいな感じでした。出入り口ではキチンと体温測定しているけど、一般の人はマスクをしている訳ではないし、もうこの頃になるとだいぶ安心感が出てきているようでした。

出発時

普陀山入り口

帰りの上海入り口

■ゴルフ場が大繁盛
 SARSにより景気が悪くなる所と良くなる所・・・大きな変化が出ました。景気の悪くなる所はレストランやカラオケ・クラブなどです。外食が減り、食材を買って家で食べるのが多くなったらしいです。一方景気の良くなった所はゴルフ場で、この頃はなかなか予約は取れないし、練習場に行っても満員でした。その他では自転車もよく売れたらしい。

■SARSが終わって
 こんな問題があった時、情報収集をどうするかが大きな課題です。中国語がわからないから、テレビを見てもさっぱりわかりません。もっぱら情報収集はインターネット、SARS特集があり各種情報がまとめて掲示されているし、非常に早いので大変役立っています。そういう面ではインターネット様様です。

 結果論ですが、4月の始めにかかった気管支炎、3週間遅れていたら隔離・工場は操業停止というパターンでした。上海SARSの第一号は4月3日で、その頃のSARSかどうかの判断基準は「広東の方に行ったか?」という事でした。ところが5月になると中国全土で発生して来たので、とにかく高熱を出していると「安全と言えない、即隔離」という事になっていました。

 この頃は上海ではSARS患者は出ていないと言う事だったけど、本当はどうだろう? マスクはしていたけど、高熱患者に対する対応は甘かったから発生していなかったのかな?と思ったりもしています。
 

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