このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

  林道探索入門 step1[はじめに]〜今日もどこかで林道ざんまい〜          
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省けるものは除いていくのが基本
 [1] 林道とは
 [2] 林道探索とは
 [3] なにで林道探索するか
 [4] ガス欠について
 [5] パンクの心配
 [6] 林道走行にテクニックは必要か
 [7] 林道に単独で行くとあぶないか
 [8]林道探索の装備について
 [9] 自己責任とは
極限まで省略した場合、ヘルメットさえあればOKとなりますが、それはかなり特異なケース。一般的には林道探索の装備については次の2つが挙げられます。

(1)ウェア類などの身に着ける装着系
(2)携行するアイテム系

この2つについてそれぞれ必要に応じて選択するわけですが、忘れてはならないのが、林道探索では軽装備であればあるほど身軽になるということ。装備が重厚になればそれはそれで心強いですが、省けるものは除いていくのが基本です。また、実際には無くても困らないアイテムも意外と多かったりするのですが、ここでは最低限あった方が好ましいものについて解説してみたいと思います。

ウェア類などの身に着ける装着系
これについては、どのような林道へどの季節に出かけるかによって大きく変化しますが、条件に関わらず装備として重要度のあるものから順に見ていきましょう。

まず筆頭はグローブ。装備うんぬん以前に、素手でハンドルを握るというのは感覚的にあまりいい気分ではないですね。手がベタついてしまいます。そういう意味では究極的には見てくれを度外視した軍手などでもかまいません。ただし、暖かい季節はもかく、寒い秋や冬ではさすがにそうはいかないです。防寒グローブでないと寒さで手がかじかんでかなり過酷な状況に陥ります。ちなみにヒートグリップという選択もありますが、最終的にはハンドルカバーに勝る防寒性能を発揮する装備はありません。

次に専用のブーツです。舗装林道のみを走行するのならば、普段靴でもかまいませんが、ダート林道ではこれがないと水溜まりや土塊などで靴がすぐに泥だらけに汚れてしまいます。足の汚れや濡れを一切気にしないという方は別として、とっさの際に靴の汚れをかばって転倒してしまったのではどうしようもなく、林道での行動そのものに支障が出てきます。ただし、本格的なオフロード専用のブーツが絶対に必要というわけでもありません。足首の防御やスタイル的な問題ははさておき、要は靴の中まで汚さないということ。雨の日ならともかく、晴れの日に靴の中がドロドロになってしまうとかなり惨めかと…。また、寒い季節に靴下が濡れてしまうと最悪なので、できれば防水タイプのものが良いと思います。

次にウェア類について。夏場などではTシャツ一枚で走り回る猛者な方もいますが、上着ウェアについては汚れ対策という点でもオールシーズンあった方が良いでしょう。アンダーウェアについては、場合によってはジーパンでもOKな場合もありますが、それでも汚れ対策という点からあった方が好ましいと思います。また、ウェア類は単なる汚れ対策に止まらず、害虫や蜘蛛の巣、切り傷の元となる植物の肌への直接的な接触を避ける意味でも重要となってきます。なお、ウェア類はオフロードバリバリな高価なものであってもいいですが、そうでなくてもかまいません。近所の量販店のものでもはっきり言って問題はないし、それは個人のこだわりやスタイル観でコーディネイトすればそれで良いと思います。

そして林道で雨に降られた時の雨具。実際のところ、林道探索では雨具の防水性は実はかなり重要であったりするのですが、性能はさておき、まずは持参しておけばそれでOKです。安物ならば重ね着するなどの工夫をすればよいだけの事であり、重要なことは突然の雨に遭遇した時に雨具を持っているということ。林道で雨に降られた時に雨具があるか無いかでは、気持ち的にも大きな差がつくものです。

最後に補足としてプロテクターなどの防御装備が挙げられますが、アタック系やスポーティーな走りを目的とした場合を除いて、普通の林道探索であるならば、全身コテコテに重武装するまでの必要はないでしょう。完全武装の重装備は安心感はあるものの、脱着がわずらわしくて様々な意味での身軽さは確実に失われます。これも要はどのような林道でどのような走り方をするかによるのですが、軽い立ちゴケ程度の転倒ならば、どんなに安全走行していても必ずや1回は経験するものです。その場合によく痛めるのが足と腕ですが、とくに足を痛打することが多いと思います。また、転倒しないまでも走行中に地面からの枝跳ねや、落石に足を打ち付けてしまうといったこともしばしば起こりますね。林道ではそういうことがあるので、「絶対に必要ない」とも断言できず、そうかといって「装着しなければ危険すぎる」わけでもないのがプロテクター類。なくてもそれはそれで通用してしまうものですが、どうしても怪我が心配なのであれば、まずは足回りを防御するニーシンガード類、次に腕を守るエルボーガード類をお財布と相談の上で装備してみてもいいと思います。いきなりフル装備とするよりも、これでもまだ不安ならばさらに装備を追加していくという考え方でいいと思いますよ。

携行するアイテム系
林道探索で本当に必要なのはガソリン代のお金のみで、それで事足りる場合もありますが、さすがにそれだけではあまりにも心細過ぎます。最低限あった方が良いアイテムを重要度の高い順に述べていきます。

まず筆頭は地図でしょう。これがないと目指す林道の入口や現在地が分からなくて話になりません。林道経験を積めば、近場の林道やメジャーと呼ばれる林道などへは地図なしでも行けるようになりますが、やはり地図がないと正直言って不便です。なお、ナビについては無いよりはあった方が林道へのアプローチがより楽になるというだけで、絶対に必要というわけでもありません。ナビを装着していてもやはり地図は必要です。

次は意外にも飲み物と食べ物ですが、両者を比較すれば飲み物の方が重要。季節にもよりますが、夏場の林道はとても暑くて水分の補給ができないとヘバってしまうこともあります。林道では時季を問わずに汗をかくシーンが多いので、寒い冬や秋であっても飲み物が欲しくなることが多いでしょう。ただし、かさばるので自宅から持参する必要はありません。林道へと入る前にコンビニや自販機で買えばOKですが、真夏の季節は缶ジュースやペットボトル1本では量的に心もとないので、2本くらい持参しておいた方が良いかもしれませんね。

食べ物については、本当に気合いの入った林道ライダーは昼食タイムも惜しんで走り回るものです。したがって、「お昼ご飯は絶対に食べないと無理!」という方以外は省略してもかまわないでしょう。それでも万一お腹が空いてしまった場合に備えて携行しても損はありません。ただし、これは通常の林道探索での場合。荒れやガレの走破に時間のかかるアタック系の林道探索をする場合は疲労困憊しがちなので、体力回復用として食べ物も持参しておいた方が無難です。手軽にさっと食べられるものがいいと思います。

その他にも撮影用のデジカメ(スマホ)や交換用のクラッチレバー、それに怪我した時の救急セットにパンクキット、そして林道で沸かすコーヒーセットなどなど、もうその気になったらきりがないのが携行アイテム。最低限、地図さえ忘れなければその他は自分の林道探索スタイルに合わせてチョイスすればいいでしょう。林道になにを持っていくか考えるのも楽しかったりしますが、あれやこれやと持参してみても、邪魔にしかならなかったアイテムは必ずでてくるものです。本当に必要なものは林道探索経験を積むうちに自分なりに分かってきます。

次回 [ 自己責任とは

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