このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

  林道探索入門 step1[はじめに]〜今日もどこかで林道ざんまい〜          
 [9]自己責任とは  もどる  


最終的には自分で対処しなければならないリスク
 [1] 林道とは
 [2] 林道探索とは
 [3] なにで林道探索するか
 [4] ガス欠について
 [5] パンクの心配
 [6] 林道走行にテクニックは必要か
 [7] 林道に単独で行くとあぶないか
 [8] 林道探索の装備について
 [9]自己責任とは
「自己責任」とは文字どおり自分の責任のことであり、その意味で自分の行動の責任は自分で取るという考え方のことです。また同時に、他人の行動の結果に一切関わらないという主張でもあります。林道系のサイトには必ずといってよいほど記されている「当サイトの情報で損害が生じても責任は〜云々」などの文言ですが、まあ、考えてみれば当たり前ですね。有料で林道情報を提供するサイト(そんなのありませんが)ならともかく、ネットで自分で情報を得て林道に出かけ、そこで「怪我をした」とか「そんな情報がなければ出かけることもなく怪我もしなかった」などと文句を言ってもまず相手にされないということです。

いうまでもなく林道探索における自己責任はそのリスクと直結しています。林道にオフロードバイクで乗り込んでからのリスクであり、転倒や転落による怪我や死亡、そしてバイクの破損や行き倒れ廃車の危険です。一般道とは異なった林道に入るのだから、そうした危険がないとは言えません。幼児や小学生が立ち入ってうっかり怪我でもしたのなら、林道管理者が責任を問われることもあるかもしれませんが、免許をもった大人が好きな遊びでわざわざ立ち入るわけですから、なにかあって苦情を言ってみても、「アホか」と言われるのがオチでしょう。なりふり構わずゴネまくればなんとかなるかもしれませんが、なんとかならない場合がほとんどです。最終的にはやはり自分で対処しなければいけないと思って間違いありません。それが心配だからこそ、林道では「いかにリスクを抑えて走るか」が重要となってくるわけですね。

このように、なにごとも自己責任となる林道探索ですが、ただそう言い切ってしまうのも情がなさ過ぎます。そこでしばし見られるのがパンク修理の手伝いとか、転倒して起きあがれない時の引き起こしなどといった林道でのトラブル時の助け合いなんですね。ただし、それも相手や状況、程度によります。あまりにも過度な期待は望めません。

なお、当サイトでいうところの「林道探索」とはちょっと異なりますが、国内にも林道がコースに組み込まれた有料のオフロードバイクトレイルツアーがあります。このような類のツアーに参加した場合はお金を払っているのですから、サポートを受けて当然。なにかあったら自己責任云々はひとまずおいてガンガンに頼るべきでしょう。

林道ライダーが必ず陥る悩ましいジレンマ
次に林道へと立ち入るリスクに関わる自己責任、いわゆる「林道ゲート」の問題です。これについてはやはり避けて通れない部分でもあるため述べておきます。ご存知の通り林道ゲートとは林道内への乗り入れを禁止したり規制するものですが、多くの場合は「一般通行禁止」看板がセット掲げられていることが多いようです。そしてこのゲートですが、なかには構造的にあって無きに等しいものや、その脇をすり抜けられてしまうものもあります。その場合、すり抜けられたからといって勝手に林道内へ乗り込んでいいのかという問題が発生しますが、一応、一般的な社会道徳としては「勝手に乗り込んではいけない」ということになっています。当然ながらお叱りを受けてしまうリスクや、後ろめたさや良心の呵責を感じてしまうこともありますが、それはすり抜けの代償として仕方ないですね。

また、場所によっては不法侵入罪で罪が問われることもあるかもしれません。ゲートやそのカギを壊した場合は器物損壊罪に問われることもあるでしょう。でもこれらは訴え出る人がいてはじめて成立する犯罪。 林道ゲートをすり抜けたからといっても、よほどのことがない限りそれで警察が動くことはまずありません。ただし、ゲート破壊行為をしていた場合の現行犯についてはこの限りではないので、最後の一線だけは越えてはいけません。

林道ゲートやそのカギを壊したり、林道内で何かを盗んだり、作業の妨害をしたというケースについては別ですが、今のところ林道ゲートをすり抜けて怒られはしても訴えられて有罪という話は聞きません。林道ゲートの封鎖はその建前はともかく、実際のところは不法投棄防止対策や、事故があった場合に林道の管理者責任を問われるのを避ける意味合いがかなり大きいです。「ゲートを閉めていたのに勝手に入った」ということですね。なにかあっても責任はなすり付けられないということだけは覚えておきましょう。

というわけで、ゲートや一般車通行禁止看板のある林道には一切立ち入らなければこの手の自己責任を負うことはなくなります。その一方、抑え難い劣情に駆られてしまい、どうしてもそのような林道へと立ち入る場合には、大勢で大挙して騒いですり抜けたりはしないようにしましょう。林道を愛するものとして静かにそっと立ち入るのがいいと思います。また、その場合は、「ありのままを受け入れ、そして何も壊さない」が原則。林道へと入るためにカギをカチャカチャいじることはあっても、必ず元に戻しておくことです。林道内で「なにしてるの?」と尋ねられる場合もあるかもしれませんが、そのときは「林道探索です」と素直に述べた方が、コソコソするよりも結果的によい展開となるケースが多いような気がします。もちろん、お叱りを受けた場合は素直に謝って立ち去りましょう。

なお、林道ゲートのすり抜けについては自己責任という問題を越えて林道ライダーによって賛否両論があるのも事実。したがって、なんやかんやと述べてきましたが、やはりそれを快しとしないのであれば、避けられる自己責任という意味でも立ち入らない方がいいと思います。でもすり抜けスペースがあれば通りたくなるのが人情。また、林道ゲートは出入口の片側にのみ設置されている場合もあり、そこをすり抜けないと状況的に窮地に陥る事態もあったりします。さらに、普段はすり抜けをしない方でもたまたまゲートが開いていた場合、ゲートではお約束で掲げられている「一般通行禁止」の看板があったからといって引き返す方はあまりいないでしょう。大声では言えませんが、つまりそういうことです。

次回 Step2 - 事前知識 - 「 林道ライダーの実態

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください