このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 清水林道/ Shimizu林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
清水林道  [1] [2]
の後、右の路肩が落ち込む断崖のような急斜面に沿って簡易舗装路が続きました。雰囲気も暗く、両脇から圧迫してくる密林の薮で幅員が狭められた険しい状況です。もしも対向してくる不慣れな一般観光客の四輪と出会ってしまったならば、ちと面倒くさそうな地点。おそらくその場で固まって立ち止まってしまう車の脇をすり抜けるの苦労しそうです。しかし、ここで一般観光客の四輪に出会う可能性はかなり低いと思います。
してまたダートが復活します。茶色い路面は土質のようにも見えていますが、やはりここも基本は小石の砂利系です。路面の土に半ば埋まった小石がびっしりと頭を出している状況でしょうか。雨天直後は少しドロドロになっていそうな気がします。
かし、なんだかなぁ・・・。3箇所目となったダート区間も長くはなくて、やがて前方に簡易鋪装の始まり地点が見えてきます。それにしても鋪装とダートが交互し過ぎ! さすがにその状況を一々チェックするのが面倒くさくなってきますが、このように頻繁に鋪装とダートが入れ替わる路面状況を「虫食い状態」といいますよ。
がて現れた簡易鋪装を進むと幅員の広い大きな橋がすぐに現れました。橋は「清水橋」といって、林道名由来の「清水沢」をここで跨いでいるんですね。清水林道では2か所目となる沢渡りの橋ですが、やはりここも通常は水の流れていない枯れ沢の状態です。
→ 清水沢(左手)上流を眺める!
→ 清水沢(右手)下流を眺める!
れで何度目でしょうか。清水沢を渡った先でまた路面はダート化。灌木や樹木に混ざってシダ系の植物が繁茂する深く生い茂った森の中をなおも前進していきますが、視界に入るのは植物の濃厚な緑のみ。海の眺めなど眺望的なものは一切見えなかったです。周囲をぐるりと海に囲まれた三宅島の林道でも、中には海が見えない林道もあるんですね。
きな物では拳大ほどもある溶岩質の小石でまみれていた清水林道のダート。小石の溶岩質ならではの黒みがかった興味深い色合いといい、タイヤでザクザクと踏みつける感触、そして踏まれた小石が軋んでキュッキュと奏でるという音が心地良かったなぁ! それでいながら深砂利のように厚く堆積している箇所はなかったです。
→ 路面を調べる!
面が砂利質のダート林道は全国どこにでもありますが、新鮮な火山岩の黒い小石ダート林道というのは珍しいかもしれません。たかが路面の石ころですが、それ一つで受ける印象がかなり違ってくることを初めて知ってしまいました。つくづくここは大地の力を実感できる三宅島の林道なんだぜぇ!
だらかなアップダウンを交えた見通しのきくストレート主体の区間を順調に前進。ちなみにこの清水林道、入線直後は一気に標高を稼ぐべく登坂しますが、中盤以降は雄山の山麓から山頂方向に進むのではなくて、等高線伝いに山腹を真横に横切るコースとなっています。したがって全線ひたすら山腹の森を進むことになり、道すがらに海の絶景は望めませんが、その代わり中盤以降の区間はきつい坂道もなく穏やかなコース展開になっています。
しい右折ダート発見! そんな感じで進んでいくとやがて路面は鋪装化しますが、ちょうどそこに右手に分岐する草ボーボーなダート分岐がありました。分岐の脇には「鉄砲沢・夕景沢2号」の文字が記された看板が立っていましたが、どうやら分岐は鉄砲沢・夕景沢2号に建設された砂防堰堤ヘの管理道であったみたいだな。
→ 管理道を眺める!
→ 看板を眺める!
ボーボーであった管理道分岐を過ぎると巨大な砂防堰堤の建設された「鉄砲沢」をストレートで横切ります。 ちょうどこの辺りとなる鉄砲沢は1983(昭和58)年の三宅島噴火のさいに山麓の阿古地区へと溶岩流が流れ下った場所。堆積した火山灰で土石流が発生しやすく、そのため砂防堰堤が数多く構築されたというわけ。ただし、現在は溶岩流の通り道はその後に生い茂った灌木と薮で隠されてしまい、そう言われても全然ピンときません。
→ 地理院地図で確認する!
理院地図で眺めると「鉄砲沢」とその周辺の状況が一目瞭然ですが、探索時の現地状況はご覧の通り。林道の路肩は密生する灌木と薮で壁状態となっていたため、噴火時に溶岩が流れ下った鉄砲沢の荒々しさと、その場所の広さというものがほとんど感じられませんでした。もちろん、今も右手の薮の下には溶岩流跡が生々しくあるのでしょうが、まあ、噴火から35年も経過すれば薮ぐらい蔓延りますなぁ・・・。
火で溶岩が山麓の阿古地区を目がけて流れ下ったという鉄砲沢。その瞬間、この場所は煮えたぎるマグマで灼熱の地獄と化していたに違いありませんが、今はただ見渡す限り草木が茂るのみ。エンジンを止めて林道に立ち尽くせば、どこからか野鳥のさえずりが聞こえてくる静寂さです。噴火の時から35年の歳月を経て、かつて大地の力が吹き荒れたその場所にWR共々立っているのかと思うと実に感慨深いものがあったぜぇ・・・。
→ 地面を眺める!
火当時の凄まじい状況を想像しながら鉄砲沢を横切り進んでいきますが、ダートはそれを物語るかのように溶岩質の小石がザクザクと敷き詰められています。いくらそうだと言われても、この場所を灼熱のドロドロな溶岩が流れ下ったなんて信じられませんが、地面のあちこちに散乱していた溶岩がその痕跡を物語っていたんですね。
→ 路面を調べる!
つふつとした灼熱のマグマが流れ下ったという鉄砲沢を横切った後は、右手にかつての溶岩流路を眺めながら鉄砲沢上手に向かって進みます。そこでは噴火による火山ガスの影響で立ち枯れてしまった痛々しい木々の姿を眺めることができました。三宅島といったら世間一般的にはマリンアクティビティや釣りで楽しむ「海」なのでしょうが、本来の三宅島らしさと言ったらやはり「火山」なんですね。そういう意味でもここは三宅島らしさが実感できてしまう地点。しかもそれが林道探索しながらだというから、これはなんとも素敵だぜぇ!
→ 景色を眺める!
→ 付近を眺める!
んな三宅島らしい景観を眺めつつ進んでいくと、やがて路面は舗装化しますが、その直後に突き当たるのが南戸林道。起点と同様に林道標は設置されていませんが、都道の入口から4.528mでここが清水林道の終点となっています。ちなみに初めてやって来ると、突き当たる左右の道筋が雄山環状林道なのかと勘違いしてしまうかもしれませんが、そうではないので注意して下さい。通称「はちまき道路」と呼ばれる雄山環状林道へはここを左折、右折すると山麓の阿古地区へと戻ります。というわけで、その大半が鋪装区間ながらも、残存ダート区間で噴火のジオパワーを感じつつそこそこ楽しめた清水林道の探索はここで終了!
→ 振り返る!
→ 林道標を眺める!
→ 南戸林道(左折方向)の様子を眺める!
→ 南戸林道(右折方向)の様子を眺める!
→ 南戸林道に突入!
→ 付近を調べる!
→ 探索終了!
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