このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

神俣石材軌道 1

〜神俣駅周辺〜

 

 

 

                                               

平成21年6月19日 金曜日。

前回の「 松永軌道」「四ツ花軌道 」の探訪から5日後、再び神俣駅にやって来た。

 

何度見ても個性的で素晴らしい駅舎だ。

駅舎としての使用のみならず、コミュニティセンターとして活用されているのが更に素晴らしい。

 

 

 

 

 

 

駅舎のホーム側はこの様に建物一杯をキャンバスにしたイラストが描かれている。

 

実に大胆で素晴らしい。建物とイラストの雰囲気が実によくマッチしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タイミングの良い事に、いわき発郡山行きの普通列車がやって来た。

 

画像のキハ110系は平成2(1990)年から旧型気動車の置き換え用としてJR東日本のローカル線に登場した新型気動車だ。

 

ディーゼルカーといえば迷わず「キハ58系」と答える私には110系の軽快振りには目を見張らされる。

 

エンジン音も軽やかにホームに滑り込み、電車のようなスピードで発車していった。

 

 

 

 

 

神俣駅は現在1面2線のホームのみで運用されているが、かつては貨物取扱も行なわれていた。

 

現在の旅客ホームの向こうに、使われなくなった貨物ホームが今も残されている。

 

神俣駅の貨物取扱は昭和58(1981)年に廃止された。

 

古くはD60形蒸気機関車、昭和40年代後半以降はDE10形ディーゼル機関車が貨物列車を率いていたと言う。

 

磐越東線自体の貨物列車は平成12(2000)年に全廃された。

 

 

 

 

貨物ホームの先には、万石…(石灰石の場合はそう言わないのか?)…石灰石の積替所が存在している。

 

積替所は現役の施設として使われているようだ。黄色い車両が1台停めてあった。

 

昔は入替用機関車がそこに停車していた筈だ。

 

この積替所の付近に神俣石材軌道の起点が存在していたのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

神俣駅前通りでもある県道36号線上より積替所の全体を見る。

 

基本的な構造は炭鉱で見る万石(石炭積替所)とほぼ同じように見える。

 

積替え所の1階部分(貨車が差し入れられていたのであろう)には後に作られたと思われる壁が設置されており内部の様子は窺い知れない。

 

外壁も所々鉄筋が露出している所もあるが、とりたてて危険と言うレベルではないだろう。

 

 

 

 

 

 

(参考)左の画像はいわき市内に現存する 常磐炭鉱専用鉄道 小野田線  磐崎坑の万石である。

 

規模は違うが、基本的な構造に大きな違いが見られない事がお分かり頂けよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

踏切を渡った県道36号線は進路を東に変え、いわき市川前に向かって進む。

 

神俣石材軌道は現在の県道を横切るように敷設されていたものと考える。

 

県道を示すヘキサ(標識)の手前あたりであろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

軌道が敷かれていた地点を推測し、神俣駅方向を見る。

 

起点付近は現在、「旭鉱末株式会社」と「福島石灰株式会社」の工場敷地内になっているので立ち入りは不可能である。

 

両会社とも、旭滝根鉱山(あぶくま洞の場所とは別)から産出される炭酸カルシウムを原料とした加工製品を扱う企業である

 

この工場敷地内の何処かに起点があったのだろう。

 

 

 

 

 

反対側にも工場の敷地が拡がっていた。

 

こちらは「日東粉化工業株式会社福島工場」の敷地だ。日東粉化工業も炭酸カルシウムの採掘、加工を行なう会社である。

 

画像中央を真っ直ぐ進む道路が神俣石材軌道跡だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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