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外環、いよいよ市川で開通
〜外環道レポート その5

2015年度の開通を目指して建設中の外環道千葉県内区間。矢切地区、国分地区、高谷地区の3箇所で「先行整備」と称した整備が進められていますが、2008年3月22日のR6との交点にある矢切インターから県道市川松戸線までの1kmの一般部の開通に続き、2009年8月8日に市川浦安バイパスと湾岸道路高谷までの3kmの一般部が開通しました。

外環道千葉県内区間開通を大きく阻み続けていたのが市川市の市を挙げての反対運動だったわけですが、外環受け入れに大きく舵を切ったのが1993年のことでした。それから16年。遂に市川市内に外環が登場したのです。

ついに市川に第一歩(市川インター出口)

※写真は2009年8月撮影


●南端からの開通
外環の先行整備区間(その2)である市川浦安バイパスと湾岸高谷の区間が2009年8月8日の15時に開通しました。1992年に開通した外環三郷西から徐々に南下してきた開通区間ですが、先行整備においては出来るところから整備する方針の下、上矢切の県道市川松戸線までの開通後は、一転して「ゴール」である湾岸道路高谷からの開通となりました。

東京外環自動車道である専用部は2015年度の開通目標ですが、一般部は順次の開通です。今回の開通は先行整備の名のもとということもあり、専用部、一般部、サービス道路部を合わせた外環用地の中に取り敢えず対面2車線の一般部を整備した格好であり、今後の整備に従って本設の状態に変貌していくことになります。

そのせいか今回の開通区間に関してはいわゆる「おにぎり」がなく、また交差道路の案内となるいわゆる「青看」も路側に「置いた」暫定版になっています。

暫定版の「青看」(稲荷木南交差点)


●高谷ジャンクションまで
R357を船橋方向から来たのですが、これまで二俣陸橋を行く本線2車線と、側道2車線、湾岸市川ICのオフランプ1車線が合流して2車線になり、市川港および高谷地区への分岐を分けたあと、江戸川放水路橋梁から片側3車線になっていました。

これが側道からの合流地点で2+2=4の4車線となり、左端はR298と市川港、高谷地区への分岐、残る3車線はR357の本線と言うことで、R357も拡幅された格好です。

左2車線は側道。右端はIC出口、中2車線が本線
R298へは側道との合流後左端へ

ただこれも良し悪しで、R357本線にいると側道との合流後、1車線完全にスルーして左端に車線変更が必要となりますし、湾岸市川ICからだとR357本線の右側車線に合流後、さらに2車線を完全に跨がないとR298には入れないわけで、ここでの車線変更による交通輻輳や、事故が懸念されます。

このあたりはR357の本線を早めに拡幅すべきなんでしょうが、武蔵野線高架の橋脚がネックになっており、こういう構造になったようです。

二俣陸橋本線からの案内


●高谷ジャンクション
R357から分岐すると、まずは市川港方面のランプを左に分けます。
外環道専用部の用地の絡みか、思い切り海側に振りながらカーブを描き湾岸道路を跨ぐ手前で高谷地区、原木方面を右に分けます。これはこれまで市川港地区を迂回して田尻交差点から高谷交差点に向かっていたルートの建て替えです。

市川港への路線を分けて...R357東行きへの合流はこんな感じ

いよいよR298区間に入りますが、R357東京方面からのランプが左から合流し、そのまま本線と思いきや、R298の本線は地平の田尻交差点が起点(終点)のようで、本線に左から合流してようやく本線に入ります。

ランプを下り「本線」へ合流R357へは左に分岐


高谷川を渡る橋梁は西側のみ供用で、東側は前後の築堤が未完成。
高谷体験道路へのアプローチ道路と交差する高谷3丁目交差点が平面交差で、大規模なジャンクションから一般国道に来たことを実感する感じです。

高谷川橋梁(後方が高谷JCT)


●田尻へ
防音壁が所々に立ち、外環用地の広さは分かるのですが、そこに取り敢えず2車線引いてみました、と言う感じのR298が走る様はちょっと異様でもあります。

R298が三郷市谷口から高洲まで延びた当初も実はこんな感じで、やがて専用部の工事が始まり、工事の邪魔にならないように何度も切り回した末に、専用部の橋脚を挟む片側2車線の一般部として完成しています。(三郷南以南は専用部は橋脚だけ)

高谷2丁目交差点の手前で東側のサービス道路がU字型というかΩ型を描いて本線に近づくポイントがありますが、日中でも「対向車」のように見えて一瞬ギョッとするくらいですから、夜間はどうなんでしょう。

地下鉄東西線をくぐり、田尻5丁目の交差点を過ぎます。
このあたりは原木中山駅の駅勢でもあり、大型マンションが目に付きます。

取り敢えずの2車線

江戸時代からの旧街道である県道船橋行徳線と交差、合流するのですが、もともと直進だった県道との交差は直交できない位置関係のため、どうするのかと思っていましたが、原木側からの合流は県道優先、行徳側からの合流はR298優先として両成敗。高谷から来たR298はここで左折しますが、市川からの場合は右折となるため、ちょっと厳しいです。

田尻5丁目北2交差点で左折


●暫定的な接続である終点
その左折となる田尻5丁目北2交差点は、高谷からだと右折、左折の車線があります。
ここからは丸一鋼管の敷地をかすめ、田尻2丁目付近から斜めに市川浦安バイパス、京葉道路と交差するのですが、外環千葉区間最大の工事となるはずの京葉JCTの工事までは暫定的な接続になっています。

そのため田尻5丁目北1交差点で左折し、田尻5丁目北2交差点からは一応直進ながら外環用地の西端をカーブを描き、稲荷木南交差点での市川浦安バイパスとのT字路に至ります。

田尻5丁目北1交差点。直進は「R298」扱い

ここは本来のR298ではないはずですが、案内上はR298となっており、R298の終点は現状、稲荷木南交差点となった格好です。

市川浦安バイパスとの交差に関してはかなり気を使っているようで、高谷側から来ると、車線は2レーンになり、左右の両レーンとも右折(市川IC、市川市街方面)出来ます。
バイパスが片側2車線であり、バイパスの交通量も多いことから、最小の支障で最大限の処理台数と言うことを狙ったと思われます。

市川浦安バイパスに突き当たって終わり
右後方に「右左折、右折」のレーン表記が見える

なお、バイパス側からも北行きは右折車線、南行きは左折車線が設置されています。
首都国道の外環紹介サイトに、今回の開通の効果の最後に字は小さいですが「※京葉道路市川IC付近の交通量増加が見込まれます。」と書かざるを得なかったように、ただでさえ混み合う市川IC周辺の交通事情の絶望的な悪化を想定していましたが、この小技的対策がどう出るでしょうか。

なお、稲荷木南交差点の北行きの右折車線ですが、もともと本線上で右折待ちをしている車がそこそこあった交差点だけに、右折車線の設置はありがたい話です。

稲荷木南交差点北行きに新設された右折レーン


●今回の開通の意義は
市川市に外環が登場と言うシンボル的な意義を除けば微妙なものがあります。

市川ICの南で市川浦安バイパスに合流することから、東京方面からの流動はR357高浜交差点を左折し、「ガーデナー通り」を経て市川浦安バイパス経由との時間的優位性が問題になりますが、田尻での2度に亘る右左折がどのくらいロスタイムになるかです。

千葉方面からは二俣交差点から原木ICを経て産業道路経由との比較になりますが、こちらは二俣交差点の混みっぷりを考えると使えるルートになりそうです。

田尻地区での右左折に関して、外環優先の信号制御になっているのであればいいんですが、市川側から稲荷木南交差点を左折してすぐの田尻2丁目交差点を直進しようとしたとき、青のときもあれば赤のときもあると言う具合で、どうも連動していないように見えるのも、交通量が増えた際のネックになりそうです。

そして何よりも市川ICとその北の産業道路との交差点になる市川IC北交差点にまともに突っ込むと言うのが唯一絶対の不安要素であり、そこを抜けないと市川市街にいけないのですから困ったものです。

せめて産業道路までは開通させてほしかったのですが、京葉JCTとの絡みがあるのか、手前で暫定的な終点になったようです。とはいえせっかくの開通ですから、市川市街へのアクセスと言う機能を最重視して欲しかったです。

いまさらの話ですが、田尻地区での一般道路とのアプローチは無視して、田尻5丁目北2交差点の手前から、仮設構造でいいから暫定高架橋を組んで、市川浦安バイパス、京葉道路を京葉JCT用地の西側を迂回する格好で越えてしまい、産業道路に接続するところを終点にするといった大胆な処理であっても良かったのではと思います。

外環開通を待ち望む声も多い




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