このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
贈り物(おくりもの)社会
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課題文(3)
私には 女学校 以来の友人がおりまして、毎年お歳暮の季節になりますと、友人はおいしい和歌山のみかんを一箱贈ってくださるのです。友人は和歌山に嫁ぎ、はや六十年の歳月が流れました。お互いに 頭に霜を戴く 年になってしまいましたが、みかんの贈り物は毎年 とぎれる ことなく続いてまいりました。友人は生きている間に、もう一度生まれ故郷の 墨田の地 を踏みたいと願っているようですが、もはや遠出をする体力はなく、果たせない夢となりそうです。
私は浅草の商家に嫁ぎ、今はなんの不自由もなく 余生 を送らせていただいております。私も 寄る年波には勝てず 、足腰が弱り、外出も ままならない 状態です。毎年、みかんのお返しに、東京浅草の海苔を友人に贈っております。息子たちに言わせると、浅草の海苔だといっても、みんな外国からの輸入だそうです。でも、友人は浅草の海苔はおいしいねと言ってくれます。あと何年おつきあいができるかわかりせんが、いつまでも続くことを願っております。
(東京都台東区 山本しの 81才 無職)
漢字の読み方教えます
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