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  町でひろった日本語


なぜあれをヤクルトと言ってしまうのか:町でひろった日本語(8)


 わたしたちはこのようなものを見ると、これを「ヤクルト」と言ってしまいます。たぶん、次のような条件がそろうと、「ヤクルト」と言うのでしょう。
 1.容器の形やふたのしかた
 2.中の液体の色
 3.赤い文字
 この三つの条件がそろうと、ああ「これは乳酸菌飲料だな。つまり、ヤクルトだ」とこうなるのです。
  しかし、本当はこうなのです。




 とまあ、このように世の中には「特定の商品名」だったものが、それを含めた類似のものを表す「一般名詞」のように使われている場合が、いくつかあるようです。
 そんな不思議な「名前」を集めてみました。





まず、これ
 みなさんはこれをなんと呼びますか。素直な心で言ってみてください。
 そうです。「ベープ」です。
 ついでに言うと、中の青くて四角いのは「ペープマット」です。
  しかし、本当はこうなのです。






つぎ
 こういう青い水玉模様を見ると、われわれはもう条件反射で「カルピス」と言ってしまいます。「初恋の味・カルピス」というコマーシャルメッセージがかつてあったような気がします。

 白色で甘い、そしてちょっぴり酸っぱい味。まぎれもなく「カルピス」であります。ほかの名前ではいけません。

 少年の頃、お中元で送られてくるカルピスは夏の楽しみの一つでありました。家には氷はありませんから、水道の水をしばらく出しっぱなしにして、少し冷たくなるのを待つのです。それでも、冷たく感じました。

  ですが、本当はこうなのです。


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