◎ 河原市・郷市(三方郡美浜町)
美浜町河原市は左手から耳川に沿って滋賀県境粟柄峠から下りてきた道、すなわち古代北陸道が交差した交通の要衝でした。
この付近には河原市のほか南市、郷市など「市」と名のつく集落名が残っており、代わる代わる場所を移して市場が開かれたようです。
河原市は、かって耳川の河原で市が開かれたといわれ、氏神に市姫神社を祀っております。
昭和41年(1966)丹後街道が改良され集落の北側に国道27号が新設されて一段と交通が便利になりました。
一方、郷市は耳川の下流左岸の丹後街道沿いに開けた市場で、地名の由来は山西郷の郷の市に由来するといわれます。
右岸には河原市があり、ここも市姫神社が祀られています。
「延喜式」にある弥美駅家の所在について江戸時代の国学者、伴 信友は「今の山西郷村の辺りなるべし、
其れは駅を置かるる里数等の今に拠りて考たるなり」と解釈しています。
現在は美浜町の中心地として国道27号沿いに商業地を形成し、郷市から日向、久々子、早瀬に向かう道が
分岐して県道日向・郷市線と呼ばれ、三方五湖めぐりや夏は海水浴客で賑わっています。
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