このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
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パネルディスカッションの準備のための休憩時間。
なにやら密談中の渡邊幸一朗専務とぼんくら兄さんである。
どれどれちょっと聞き耳を・・・。
ぼんくら兄さん:「幸一朗兄さんはこの後の懇親会に行かれるのでおじゃるか?
ぼんくらは無理っぽいでおじゃる。」
幸一朗専務:「うーん。税所さんや小林編集長も行かれるでしょう(懇親会へ)
から、僕ははじめからそのつもりっすよ。」
ぼんくら兄さん:「じゃあ、その後どこかで待ち合わせというはいかがでおじゃる?」
なんだ。“飲み”の相談だったのですね。
この他、西都市の岩倉酒造場、“川越”の川越雅博さん、“駒
”、“
赤鹿毛
”の
柳田正さん夫妻
もいらっしゃっていた。 
さて、つづきましてパネルディスカッションである。パネリストとしては先ほどから引き続いて小林編集長、県酒造組合ブランド委員会委員長を務められる“
黒木本店
”の黒木敏之氏、先日“宮崎のしょちゅくれ”という焼酎本を出版された“宮崎市の医師”田代学氏、そして西都城駅前で酒店を営まれる“
さいしょ酒店
”の税所隆史氏の4名である。
先ほどの基調対談から一転して、ここでは「宮崎焼酎のブランドイメージ」ということがメインのテーマになった。
まずは加熱する焼酎ブームについて。
「今まで地元の酒を売ってきたが、今の状況は異常としか映らない。3年くらい前まで店の棚はそれなりに埋まっていたが、最近は商品がない。転売目的のブローカーの来店も目立つようになった。」とは売り手代表の税所氏の弁。作り手代表の黒木氏は「良心的な酒販店さんが良い方に先導してくれて中小の蔵の銘柄にスポットが当たるようになったのは評価したい。ただ、自分の商品が設定した価格よりも遙かに高い値で取り引きされる状況は苦々しく思う。」と話される。「郷土の文化を胸を張って誇れることができる。でもやっぱり相応の値段で購入できるのが本当。」と、のんべぇ代表の田代氏。一方、小林編集長は東北、北海道へと市場拡大を続ける焼酎業界の展望を分析されるとともに、マスメディアによる銘柄のランク付けを“邪道”とし、「嗜好性というのは百人が百人違うのであって、それぞれが好きな物を飲むのが本当」と締めくくられた。
そして宮崎の焼酎の展望。鹿児島の“芋”、奄美の“黒糖”、壱岐の“麦”、球磨の“米”のように統一したイメージ戦略が取りづらい宮崎焼酎であるが、今後、どのようにしてアピールしていったら良いかということについて、各氏、それぞれの意見を述べられる。
小林編集長は、「芋、麦、そば・・・と多様性ある原料で作るところに懐の深さを感じる。別に原料に特化する必要は無いのでは。土地の産物や文化性と絡めながら売っていけば良いと思う。」と話された。一方、地元高鍋町産の原料で焼酎を仕込むことにこだわる黒木氏は「地方のブランドとしてアピールするためには、やはり宮崎産の原料で。」と焼酎醸造を農業の一貫として捉える氏らしい意見を述べられる。 ここから“輸入冷凍いも”や“人工甘味料の添加問題”についての話へ入っていった。田代氏は「情報公開を整えて欲しい。原料表記に“中国産”とあるものよりも“宮崎産”と入った物を飲みたくなるのは消費者の心理として当然。」と言い、税所氏の「美味しい焼酎はできるだろうが、売り手としては売りづらくなる。」、小林編集長の「情報を公開しないまま、いわれのない付加価値を付けられるのは困る。」と統一した意見であった。
最後に、小林編集長が宮崎焼酎の魅力を締めくくってこの「みやにちフォーラム」は閉会となったのだった。
「宮崎焼酎の魅力とは、
多様な原材料を駆使した懐の深さであり、そして戦後生まれた20度という焼酎の歴史的な正当性にある。」
さてさて、懇親会だ。
また、「飲み手としては安全性だけでなく、蔵元の顔が見える商品であれば安心して飲みたくなる。こういったことから宮崎らしさが出るのでは。」とは田代氏で、これは小林編集長の“情報公開”という発言にもそのままつながってくるだろう。税所氏も「多様性こそ宮崎の焼酎らしさ。」とおっしゃる。
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