ひたち物語ひたち物語 現在の常磐線を代表する列車といえば、「スーパーひたち」や「フレッシュひたち」でしょう。
これら列車の前身となった、愛称「ひたち」を名乗った列車について、書き記してみます。 1963(昭和38)年10月、上野・平間に1往復の1・2等電車準急が設定されます。この列車の愛称が「ひたち」なのですが、当時の常磐線には列車の性格がよく似た「ときわ」が存在していました。あえて愛称を変えたのは、全車指定(下りは上野・水戸間のみ)ゆえと思います。
1・2等準急ひたち
下り403レ(電)上野[09:30]〜平[12:42] 上り410レ(電)平[17:00]〜上野[20:11]
1966(昭和41)年3月、「ひたち」は急行へ格上げとなります。
兄弟列車の「ときわ」が増発で勢力を増すなか、「ひたち」は相変わらず1往復のみです。
1967(昭和42)年10月、誕生からわずか4年、「ときわ」に吸収される形で消滅します。
1969(昭和44)年10月、季節列車ながら、気動車特急として「ひたち」の愛称が復活します。
しかもこの車両は、かつて「はつかり」として常磐線を走行していた、なつかしいものでした。
季節列車扱いとなったのは、上野・秋田間の特急「いなほ」の間合い運用で、冬季の遅延を考慮してのことでした。
特急ひたち 6001D 上野[18:10]〜平[21:12] 6002D 平[06:45]〜上野[09:45]
1970(昭和45)年10月、定期列車化されます。
特急ひたち 1001D 上野[18:10]〜平[20:59] 1002D 平[06:33]〜上野[09:20]
1972(昭和47)年10月、特急「ひたち」は電車化されます。
これより四半世紀にわたり、電車特急「ひたち」が常磐線で活躍することとなります。
1972(昭和47)年10月時、特急「ひたち」時刻表は次の通りです。
1号 3011M 上野[10:00]〜原ノ町[13:43] 3010M 原ノ町[05:40]〜上野[09:25]
2号 3013M 上野[12:00]〜平[14:34] 3012M 仙台[06:40]〜上野[11:25]
3号 3015M 上野[16:00]〜仙台[20:41] 3014M 平[10:47]〜上野[13:25]
4号 3017M 上野[18:00]〜原ノ町[21:46] 3016M 平[14:57]〜上野[17:33]
5号 3019M 上野[20:03]〜平[22:46] 3018M 原ノ町[15:40]〜上野[19:24]
電車化によるスピードアップのためか、より長距離型の設定となりました。本数が5倍に増えたとはいえ、「ときわ」の半分ですので、近距離扱いは「ときわ」に軍配でしょうか。
1985(昭和60)年3月、かつて自らが吸収された「ときわ」を逆に吸収し、一挙に上り23本下り24本の大所帯となった。
1998(平成10)年12月、特急「ひたち」は消滅します。
3011M 特急ひたち1号 常磐線 小木津〜川尻(現十王) 1973.1 |