このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

19区


19区

パリ北東部19区。
19区区役所からビュット・ショーモン公園を突き抜けるサンチュール線路や、サンドニ運河(サンマルタン運河に続く)に架かる橋など興味深い見所が沢山あります。


Parc des Buttes Chaumont ビュット・ショーモン公園

サンチュールを眺める最も美しい地点。モンスーリ公園と共に、大きな公園の中を通るサンチュールの特徴的な場所と言えるでしょう。
元は石切り場だったものを、ナポレオン三世の統治下の市知事オスマン公が1864-1867年に整備し公園にしたもので、同じくナポレオン三世の命により敷設されたサンチュールが公園の中を貫くのは、ちょうど作られた時期が重なったためでしょう。
公園の端を通るサンチュールの周りはとても静か。
今では物言わぬトンネルの上に蔦が垂れ、その周りを大きな樹木が包み込むように覆っています。

トンネルはまっすぐ伸びて、向こうにはMenilmontant駅側の出口の光が見えます。

おそらく給水車への配水管と思われるもの。蒸気機関車時代の名残を偲ばせます。

かつてつり橋が架かっていた跡。鉄道の見物も含めて遊び心のある公園の設計。

公園の中央部。池の上に立つ小高い丘の上には神殿風の展望台もあり、都会にいることを忘れさせる美しい公園。


Place Francis Poulenc フランシス・プーランク広場

ビュットショーモン公園を過ぎてすぐの場所。
20世紀近代の作曲家でフランス六人組の一人、フランシス・プーランクの名を冠した広場の下です。
ここからかつて支線が延び、現在ヴィレット公園となっている食肉処理場へ大量の家畜が運ばれていました。
現在この支線の跡は散歩道になっており、フランス六人組のほかの作曲家の名前(ミヨー、オネゲルなど)がつけられています。そしてその道はパリ音楽院の現校舎へと繋がります。


Belleville-Villette ベルヴィル・ヴィレット

ビュットショーモン公園とプーランク広場を抜けると、広い空間に出ます。ここがかつてのベルヴィル・ヴィレット駅ですが、今は線路上に木製のブレーキ補助装置(ATS)があるのみで、駅舎もプラットホームも残っていません。


Parc de la Villette ラ・ヴィレット公園

サンチュールの橋から見たウルク運河とラ・ヴィレット公園。
向こうに見えるのはヨーロッパ最大の科学産業博物館。

Canal d'Ourcq ウルク運河

ウルク運河にかかる鉄橋。下流のサン・マルタン運河からここまで観光船が走っており、ラ・ヴィレット公園で折り返して再び下っていきます。


Pont_de_Frandre ポン・ド・フランドル

サンドニ運河にかかるフランドル橋のたもとの駅。メトロ駅Corentin Cariouのすぐ側です。
明るい黄色の駅舎は、現在民家に使われています。
大変凶暴な犬が住んでいます。


Est-Ceinture エスト・サンチュール

Est線とサンチュールが交わる地点。
Est線はパリのターミナル駅の一つ、東駅よりロレーヌ地方ナンシーやアルザス地方ストラスブール、さらに国境ライン川を越えてドイツ方面へと伸びる幹線です。
最近Est線には最新のRER−E線が走っています。そのRER−E線の走る瞬間を捉えた写真。

Est線の橋脚に彫られたEst-Ceintureの文字。かつてはここが駅舎でした。
もちろんサンチュール、Est線の両方に立派なホームがありました。

Est線の橋を越えると、広大な国鉄の用地が広がります。
サンチュールの隣の線路をゆっくり走ってゆく三連電気機関車。(速く走っていたら轢かれていたかも!?ちょっと怖い。)

サンチュールへ繋がる線路上には、通行禁止の枕木が打ってあります。

工業用の大きなガレージ。ここからサンドニ方面へ繋がる線路が延びています。
もちろん工業方面で鉄道が活躍したのは昔の話。今はもう一台も列車は見当たりません。

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