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宣伝カーで各地を巡業する、という宣伝方法はいま見ると古臭く非効率な感じがします。しかし、「家庭用の工業製品」というまったく新しい製品の便利さを知ってもらうには、実物を見てもらうのが一番手っ取り早かったわけです。ましてやTVというビジュアルに訴える宣伝手法がない時代です。ラジオと新聞の広告では、見たこともない製品の便利さを想像してもらうのは大変です。ラジオでテレビ受像機の広告をする苦労を考えてみてください。

世紀の発明品と言われた「 ジンジャー 」にしても、映像が発表されるまではピンと来ませんでしたね。

大阪ガス サービスカー
サービスカーは、京阪神及び近郊の供給区域を巡回して、ガス知識の普及、種々の広報活動、故障の修繕、ガス器具の紹介などをする移動サービスセンターである。




宣伝カーの雰囲気が伝わる写真です。ガスストーブに集まる奥さん方にも和服の人が多いですね。



【 出 典 】大阪瓦斯五十年史
大阪瓦斯株式会社/昭和30年10月19日
サントリー 樽型宣伝車
樽型宣伝カー。全国の主要都市を巡回してカクテル講習宣伝に新機能を発揮した。


ウイスキー樽を模したデザインが特異なサントリーの宣伝カーです。横の窓がすべて曲面ガラスなのは凄いですが、バスっぽい顔のおかげで手堅く見えます。

足の生えたマーカーランプが松本零次メカっぽい。インパネには「松本メーター」
をぜひ。



【 出 典 】日々新たに サントリー百年史
サントリー株式会社/1999年10月31日
サントリー 樽型宣伝車
動くカクテル教室樽型宣伝車(昭和30年)


日本酒とビールが一般的、ウイスキーは高級品、という時代ですので、カクテルについても啓蒙活動が必要だったわけです。シェーカーを振る彼は、高校生が居酒屋チェーン店でジントニックを飲む現代を想像しえたでしょうか?

とはいえ、戦前の風俗小説にもカフェーの女給と「五色の酒」を飲む話など出てきますので、一部では飲まれていたようです。



以下4点
【 出 典 】
みとくんなはれ サントリーの70年Ⅱ
サントリー株式会社/昭和44年6月1日
サントリー 宣伝キャラバン
チョンマゲと並ぶ樽型宣伝車


後ろ姿は、まさに「樽」!

サントリーではこのようにキャラバンを組んで全国を巡回したようです。チョンマゲとは左側に並ぶ宣伝カー。クラウンとフォードがあったようです。


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(2008-01-12追記)

(社)日本自動車車体工業会のホームページの記事によると、樽型宣伝車は、トヨペットRKに尾張車体が架装したもの、として写真が掲載されていました。
www.jabia.or.jp/05/pdf05/pdf05-06/07news_summer_nw.pdf

しかし、RKといえばスタウトの祖先。仔細に比較するとサイズがずいぶん違い、ここに紹介した3葉の写真はバスシャシーに架装したものだと思われます。
チョンマゲ
全国各地を廻るチョンマゲ(昭和31年札幌出張所前)




観音クラウンですね。屋根に積んだ赤玉ポートワインがチョンマゲのようなので、社内ではこう呼ばれたそうです。左に立つのはウグイス嬢かキャンギャルか?

乗用車タイプの宣伝カーではヱスビー食品のルノー300台プレゼントキャンペーン(昭和35年)が有名。
サントリー 宣伝カー
こんな車もありました(昭和29年北海道新聞本社前)


わりと普通の形をした宣伝カー。宣伝文句は「滋味美容葡萄酒 赤玉ポートワイン」。

ショーウインドゥには巨大な角瓶なども見えます。



企業サイトの沿革コーナーにはよく宣伝カーが出てきます →
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