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風の音楽〜キャンディーズの世界
このページの中ではスーちゃんはずっと生き続けています。私たちには本当の“さよなら”なんてありません。
【更新情報】2016/2/25「キャンディーズとアイドルについて考える 1」up
色づく山々振り向きながら私を乗せたディーゼルカーは青いドレスの裾縫うように海岸づたいを走っています♪
中学生になって、ひとり旅に目覚め、未知の土地へ向かう列車に揺られている時、僕の心の中にはいつもキャンディーズの「気軽な旅」という曲が流れていました。あまり有名な曲ではないですが、ひとり旅のウキウキするような楽しさと、しんみりとした淋しさとを軽快なサウンドにのせて、ラン、スー、ミキの3人がさわやかなコーラスで歌っていて、大好きな曲でした。それ以来、この歌は僕の旅のテーマソングみたいになっています。
そこでキャンディーズです。若い方にとってはせいぜい70年代のアイドルグループといった程度の認識かもしれません。なんといっても、今から30年以上も前に解散したグループですから。しかし、インターネットで「キャンディーズ」を検索してみると、今でも数多くのファンサイトが存在し、しかも、当時を知る方々だけでなく、キャンディーズの現役時代をまったく知らない若いファンによるサイトまであるのにはビックリさせられます。とりわけ、2006年は7月17日にNHKで放送された特集番組『わが愛しのキャンディーズ』(その後、2008年4月までに5回再放送)の影響で、一気に昔の記憶が蘇り、改めてキャンディーズにのめり込んでしまったファンや新しいファンが続出しているようです。キャンディーズの貴重な映像を集めたDVD4枚組『キャンディーズ・トレジャー』の発売もそうした動きに拍車をかけています。
というわけで、ここではキャンディーズの魅力について書いてみたいと思います。自転車と旅のサイトであるAcoustic Touringのテーマからは思いっきり脱線しているようですが、僕にとってはこのサイトの心のBGMがキャンディーズであったりするわけです。それから、これはまったくの偶然ですが、このサイトがスタートしたのは2005年の4月4日。つまりキャンディーズ解散記念日ですね。
もうひとつ。このページのタイトル「風の音楽」について。僕はキャンディーズの音楽にはいつも心地よい風が吹いている、と感じます。そして、それが最大の魅力だと思っています。ま、その辺については改めて書くつもりです。
(2007年2月)
キャンディーズとは…
キャンディーズは伊藤蘭(ラン。1955年1月13日生まれ)、藤村美樹(ミキ。1956年1月15日生まれ)、田中好子(スー。1956年4月8日生まれ)の3人からなるコーラスグループです。スクールメイツ出身で、1972年にNHKの歌謡番組のマスコットガールに採用され、食べてしまいたくなるほど可愛いという理由でキャンディーズと命名されたというエピソードはよく知られています(ついでに、このオーディションの最終選考に太田裕美が残っていたこともファンの間では有名です)。
1973年に「あなたに夢中」でレコードデビュー。当初は一番年下のスーがメインヴォーカルでしたが、レコードセールスの面ではパッとしませんでした。
ところが、5枚目のシングル「年下の男の子」でお姉さん的キャラクターのランがセンター/メインヴォーカルになると、これが大ヒット。以後はヒット曲を連発するトップアイドルの地位を築いていきますが、一方では『8時だよ!全員集合』や『みごろ!たべごろ!笑いごろ!』といった番組でコントにも取り組み、自前のお笑いネタやギャグもたくさんあった、という親しみやすさが人気の秘密だったと思います。
さらにファンク色の強いロックバンドMMP(ミュージックメイツプレイヤーズ。スペクトラムの前身)を専属のバックバンドとして従え、テレビやレコードでのイメージとはまったく異なる、かなりロック色の強いライブ活動を展開していた点でも他のアイドルと一線を画していたと言えるでしょう。
しかし、1977年7月17日、日比谷野外音楽堂でのライブで突然、解散宣言。世間に衝撃を与えます。ランが思わず口走った「普通の女の子に戻りたい」という言葉は解散を決意したキャンディーズの真意の核心ではなかったと思いますが、彼女たちも戸惑うほどに一人歩きして流行語になりました。
それ以降、キャンディーズの人気はますます熱狂的になり、音楽的な充実度もアイドルの域をはるかに超えた次元にまで高まっていきます。そして、1978年4月4日、5万5千人を集めた後楽園球場でのファイナル・カーニバルを最後に解散。まさにこの瞬間こそがキャンディーズの絶頂期でした。レコードデビューから4年半。この時、ラン23歳、ミキ22歳、スー21歳。以後、キャンディーズとしての活動は一切なく、まさに伝説の存在になっています。
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