このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
芭蕉の句
ほととぎす声や横たふ水の上
出典は
宮崎荊口
宛書簡。
『陸奥鵆』
には「
深川
」と前書きがある。
元禄6年(1693年)、
杉風
、
曽良
の勧めに応じて「水辺のほととぎす」を詠んだ句。
福島県猪苗代町の
「長浜」停留所
埼玉県美里町の
摩訶池
に句碑がある。
頃日はほととぎす盛りに鳴きわたりて人々吟詠、草扉におとづれはべりしも、蜀君の何某も旅にて無常をとげたるとこそ申し伝へたれば、なほ亡人が旅懐、草庵にしてうせたることも、ひとしほ悲しみのたよりとなれば、ほととぎすの句も考案すまじき覚悟に候ところ、愁情なぐさめばやと、杉風・曾良、「水辺のほととぎす」とて更にすすむるにまかせて、ふと存じ寄り候句、
ほととぎす声や横たふ水の上
と申し候に、また同じ心にて、
一声の江に横たふやほととぎす
宮崎荊口宛書簡(元禄6年4月29日)
『藤の実』(素牛編)には「
声横たふや
」とある。
元禄7年(1694年)5月、
『藤の実』
刊。
素牛は
広瀬維然
の別号。
群馬県館林市の
善長寺
長野県佐久穂町の
大日向郵便局の句碑
岐阜県養老町の
「古道多良街道」
に句碑がある。
善長寺の句碑
大日向郵便局の句碑
「古道多良街道」の句碑
ほとゝぎす声横たふや水の上
此句は「させる事もなけれども、白露横
(よこたふ)
といふ奇文を味合たる」と也。一たびは「声や横たふ」とも、「一声の江に横たふや」とも句作有。人にも判させて後、江の字抜て、「水の上」とくつろげて、句の匂ひよろしき方に定る。「水光接天白露横江」の「横」、句眼なるべし」と也。
『三冊子』
(土芳著)
『翁草』
に「
ほとゝぎす横たふ声や水の上
」とある。
山梨県上野原市の
鏡渡橋
に句碑がある。
栃木県真岡市の
大前神社
滋賀県近江八幡市の
願成就寺
福岡県北九州市の
日吉神社
佐賀県唐津市の
無量軒跡
、佐賀市の
蓮池公園
熊本県玉名市の
天満宮
に
「
一声の江に横たふやほととぎす
」の句碑がある。
願成就寺の句碑
問曰、先師の句に曰、
一声の江に横ふやほとゝぎす
又
ほとゝぎす声よこたふや水の上
此二句、沾徳が判にて「声横ふや」の方に極るよし、
許六
かゝれたり。先師も人の評によりと句を定給ふ事侍るや。
去来答曰、此事有べし。沾徳のみに限らず、門人の評を聞て句を定給ふ事多し。
『旅寝論』
(去来著)
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