このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
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栗子隧道。
それは手が届きそうな距離にありながら、果て無き遠い所にある遺構だった。
ここまでなんとかジムニークラスなら入ってこれそうな状況だったのが、この倒木の出現により四輪が完全アウトとなる。 そして、この場所こそ福島側の太平集落跡のように、『林道クラスの道』から『本気の廃道』へと切り替わる転換点なのだ | |
倒木ゲートを越えると、そこは一面の花畑。 かつての路面にいっぱいに健気に慎ましやかに花々が咲いていた。 なんと言うかこれを踏み潰していくのは物凄く罪悪感を感じる。 とにかくできるだけ、花を傷つけぬようシングルトラックをトレースして進んだ。 廃道モードになって一番最初に目に入るのは、 以外にも穏やかで優しげな光景であった。 しかし、というか当然こんな状況が長く続くはずもない。 | |
藪漕ぎの開始です。 緑のカオスが襲い掛かります。 思い思い好き勝手に生える木や草を掻き分け前進。 もう道の痕跡なんかありゃしねェ。 ・・・とか思っていたが | |
うお、石垣! 久々の遺構にちょっと驚き。 長年の放置され苔生し、隙間からは木さえ生えてしまっているが 今だ崩れずこの場所で踏ん張り続けている。 | |
廃止より半世紀近く経った、かつての国道13号線。 今や辛うじて人一人分の路面が顔を出すのみ。 だが、逆説的に言えば極少数とは言え此処を通る人間達がいると言うコトだ。 登山装備で行く者、チャリでアタックする者、果てはバイクで栗子隧道へ行った者もいる。 万世大路は今だ死なず。 | |
だが死んでいないが生きている道なのか? と問われれば、疑問符が付く。 本来死んでいるモノをムリヤリ叩き起こしているようなものかも。 それ故にそれ相応の苦難を覚悟せねばならない。 倒木もボチボチ現れ始め、えっちらおっちら乗り越えていく。 ただ、福島側をアタックした時と違うのはバイクの排気量が200ccアップ、しかもオフ車である。 カブだと倒木乗り越えられなかったんだよな〜。(パワーが足りず途中で亀の子状態) その代わり、重量がだいぶ増えてしまったと言うデメリットも。 | |
こぶし大の石が転がる川原路面区間に突入。 路面が凸凹なのでハンドルが取られあらぬ方向に進んでしまったり、 バランスを崩して横に倒れそうになったりする。 そんな訳でたまに足を突いて体勢を戻そうとするが・・・ そこは雨水によって削られた深い溝。 悲しく足は在らぬ路面を空振り、そのまま万有引力の法則にのっとり・・・ | |
どーーん。 つーか、溝が草に隠れて見えないんダヨ・・・ orz なんと言う三島トラップ。 鬼県令はこんな罠を仕掛けていたのか。<多分違う 倒れた車体も溝に落ち込んでいるから、持ち上げるのに激しく苦労する。 山深い山中、誰にも見取られる事無く フンガー、フンガー言いながら格闘するアホ一人。 | |
10分近い時間をかけてバイクを建て直し、再スタートをするが 行けども行けども眼前には混沌の緑色。 と言うか、どうやって此処をバイクを通らせたんだか自分でも思い出せん。 このアタックは10月初めに行なっているのだが 秋に入り、少しは植生が収まっているかな?思っていたが完全に読み違った。 8・9月が雨が多かったせいか、まだまだ植物は元気いっぱいだった。 次の画像を見て欲しい。 | |
さあ、セローさんは何処かな? | |
ひたすら藪の中を突き進んでいく訳だから、バイクの隙間と言う隙間に木の幹やらツタやらが絡まりまくり。 ごらんのように軍手には大量の種子が。 下山後、だいぶ振り落としハズだが、それでもバックやバイクの隙間に残った種が大量にあったと思う 一部には関東移住を果たしたモノもあるんだろうな・・・ | |
川原路面の次は泥ヌタ路面へ。 これはこれでタイヤが滑って、やはりコントロールがし辛く慎重な操作が求められる。 しかも、この泥ヌタ状態で九十九折れという厄介な場所が出現。 この時点でだいぶ余裕を無くしてきて 画像は撮っていないのだが、カーブの真ん中に雨水が走り、登りと下りの間に結構な段差が出来てしまっている。 当然、その段差もグチャグチャのドロドロである。 アクセルふかしすぎても タイヤが空回りしてダメ、パワーが足りなければ段差が登れなくてダメ。 此処をクリアーするには絶妙なパワーコントロールが求められるのである。 念入りに走行ラインを見定め、一呼吸してアクセルを廻す。 フロントフォークが激しくストロークさせながら前タイヤを乗り上げさせ、続いて後輪も段差にヒット。 山中にけたたましい排気音が響く。 フロントタイヤが上に乗り上げた。 よし! 全体重を前側にかけ、後輪もこのまま・・・ いかないw あれーー | |
泥ヌタ段差を滑り落ち、そのまま転倒。 変に段差のっかった状態でコケたもんだから、体勢を戻すのに四苦八苦。 しかも足場はグチャグチャ故に踏ん張りがきかん。 またしても10数分、涙目で作業。 ようやく持ち上がった時は全身汗だく・疲労困憊。 一休止してから2度目のアタック。 なんとか段差九十九折れ攻略に成功。 だがしかし、体力は限界に近し。 「山形側、ヨユーじゃん。」とか言ってた奴誰だ<自分。 栗子隧道、マダー? 呼んでみても隧道は答えてくれない。 目の前には藪の大海が広がるのみ。 | |
あーー、無理。 此処は無理。 ついに現れた決定的な場所。 倒木が2本。 前側は何とかなるが、後方のは乗り越えるのも潜るのも無理。 何よりもここ、上から流れてきた沢が前方倒木により塞き止められダム状態。 そして、周辺部はズッポリ ブーツ全体が埋もれるような底なし沼となってしまっている. つまり、下手に前方倒木をバイクで乗り越えてしまうと、 そのままスタックして動けなくなってしまい、回収できなくなってしまう恐れがあるのだ。 これは無理。 うーん、くやしい。 ここまで来て・・・。 とにかく徒歩でいける所まで行ってみよう。 | |
後方倒木を越えてからも沼地は続く。 藪もヒドイ。 つーか、MRさん達よくこんな所突破したよなァ・・・。 そんな事を考えながら進むと突然広場のような所に出た。 広場といっても草薮に覆われているのだが、それでも背の高い木は生えておらず 元は人工的な空間であった事は用意に想像できた。 しかし、みちはどこへ・・・? と、振り向いた時の画像が上のものだ。 どうやらここ大きく車線をとった九十九折れだったようだ。 たしかに、全ての植物を刈り払えば大型車も余裕で曲がれるカーブだ。 しかし、今や人の手を離れ自然に回帰した湿地帯。 ここで改めて誰の助けもない深山の中と言う事を思い出させ、不安感が一気に襲ってきた。 そうだ、福島側では熊に出会ってるんだよな・・・ ・・・もし、あの向こうに『ヤツ』がどうする事もできない。 大方、冬篭り前の食料にされてしまうだろう。 ・・・・・・・。 撤退。 山形側は僕の手に負えませんでした。 |
エピローグ 無念の万世大路 山形側の撤退から後日。 自分が果たして何処まで到達していたかを調べてみた。 地図やMR氏による制覇レポを見たところ・・・ あの大カーブ跡、ラストカーブぢゃん。 しかも隧道まで200m切ってるし。 つまり殆ど手の届く場所にありながら諦めてしまったのだ! あーーーーーー、く や し い! こいつはちょっと嘆くに嘆けん。 しかし、ラストの底なし沼は単独だとちょっとキツイ・・・ そんな訳で・・・ 万世大路 特別編へ |
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