このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください


PART4



門デフ「B」 タイプ 


今回に採用した「B」タイプの門デフの製作工程を紹介します。              
図1はデフ全体、各パーツの構成、そして制作時においての注意点を示してあります。
       (下記にあります各図と併せてご参考下さい。)

また、これら2つの図ではデフ上部の取り付けステーを省略してあります。それに、
少しデフが前後に長目となった作図ですが、それはご愛嬌という事で.........(^^;)  


図2(全体の構成)


1、先ずデフ本体と取り付け足の基部より切断し、この両方の切り口をヤスリで慣
 らして、更に600番ぐらいのペーパーで軽〜く整えます。         

2、デフ本体を裏側よりペーパーで擦り付け、心持ち厚みを薄くします。(重要)

 ペーパーがけによりデフの厚みを調整するだけでなく、各部品の取り付けの際に
 むらなく均等に、しかも薄くハンダを乗せる為でもありますが、最大のメリット
 はデフ表面の折り曲げのラインがより綺麗に出来る事で...最近になって初めて気
 付いたのですが、とても効果が大きいので、この場にて紹介する次第です。  

   さて、この作業の際には、上部のステーを薄くしない様、少しステー部分だけを
 反らし、デフ本体のみをペーパーがけします。このステーの厚みが気になるお方
 は、極端に薄くならない様、注意してペーパーをかけても良いでしょう。どちら
 にしても、かなり慎重に作業しないと確実に上部のステーが取れてしまいます。
 まぁ、取れてもハンダで再度、固着が出来ますが、後の行程を考えると出来るだ
 け避けたいですね。                           

  3、デフの下端より0.6mmの位置にケガキます。このケガキには、ノギスを当てて
 そのままの状態で平行移動させると、正しく当てられたノギスの先が自然とケガ
 いてくれる為、金型加工等の工場で一般的に行われている手法でもあります。 
 但し正確に寸法出しには向いていないので、場所に応じてケガキ針と使い分ける
 と良いかと思います。                          

4、上端も同様に行いますが、こちらの方は折り曲げの為の印が元よりある為、こ
 れに従い(こちらはケガキ針で)線(というか筋に近い?)入れをします。 

5、(省略可)この時点で、デフ裏に再度ペーパーがけをするとケガキで入れた線
 を目立たなくする事が出来ます。(或いはケガキで強く線を入れてしまった場合
 も有効。)いずれにせよ、デフの厚みと相談しながら慎重に行って下さい。  

 当然ですが、ペーパーがけをし過ぎて、ケガキした線が自分自身で判らなくなら
 ない様に!                               

6、2カ所に入れたケガキに基づき、バイスを喰え、金属製のスケール等をガイド
 に、曲げていきます。曲げる順序として下端から初め、次に上端を曲げます。
ワークを(加工の対象物...この場合はデフ本体)バイスに挟んだまま、曲げ具合
を見ながら、頃合いを見て判断。曲げすぎた場合、この逆の方向から同じ手順で
修正。(なるべく1度で決まるように心がける事。)            


図2

7、無事に折り曲げを終えたらバイスから外して、所定の位置に0.5w 0.2tの帯板
 をハンダで固定して裏面のリブを再現します。この時、水平(長手)方向を先に
 取り付けて、縦方向のリブは、デフの曲げに合うように帯板の方も曲げたものを
 現物合わせにて固定。上下、それぞれ2カ所に付けてこれで十字となりました。

 そうそう、長手方向のリブを取り付ける前に必ずやるべき事がひとつ!(重要)
 デフの長さに対し同一では無く、帯板の厚み(0.2mm)x2を差し引いた寸法に
 してから、デフ裏に取り付けてください。また左右(車体に取り付けた時は前後
 となる位置)の両端から0.2mm内側に取り付ける事!これが、取り付け足部分の
 アングルとなる帯板の厚み分を差し引いた事になります。(図2参照)    

8、デフ裏の“十字”型の補強リブの取り付けが終えたら、先ず余分なハンダを全て
 この時点で取り除いてしまいます。主に0.06のキサゲ刷毛を使用しますが、リブ
 の四隅はなかなか取れにくいので、ケガキ針orポンチで、リブとなる帯板をなぞ
 る様にして取ります。慎重に行えばデザインナイフを使うのも良いと思います。
 何れにせよ、傷が付かない様にくれぐれも注意して行ってください。     

9、今度は一旦切り離した取り付け足を再度、本体に微量のハンダで固定します。
  (取り付ける位置は「写真1」を参考に。)
 明らかに“継ぎ目”が生じていますが、このレベルでしたらプライマー処理を施
 した後にはほぼ完全に消えますし(そもそもデフの縁取りとの境目でもある為)
 特に支障は来しません。ハンダは本当に微量(8/1米粒ぐらい)をサッとイモ付
 けするような感じで点付けします。(この時点では仮止めです。)      


写真1

10、アングル形状を成すリブを前後2つの取り付け足に取り付けるのですが「7」
 に於いて長手方向(十字のリブ)の帯板を付ける際、デフの両端より若干空けた
 場所に、デフの外周からはみ出さないように取り付けます。先ずデフ本体の方に
 なるべくデフと平行となる様にして固定。(ハンダの量は前述同様8/1米粒程)
 そして取り付け足に沿って、コテ先を滑らすように一気に下部まで行います。 
 (位置は「図1」・「図3」を参照の事。)
 途中、デフの形状に従い、この帯板に“R”を付けていきますが、綺麗なライン
 となる様に予めRを付けておくのもひとつの方法かと。           

11、次に後部の方を「10」と同様に取り付けるのですが、下端の方はランボード
 との干渉を避けるため心持ち(0.5mm前後)空かせて取り付けます。     
 (「図1」・「図3」を参照)

図3

12、各部が満足できる仕上がりなら、余分なハンダを落として完成!     


完成(但し、この画像は「A」タイプです。)


【注】                                 
 「2」に於いて、上部のステーが取れてしまった場合には「9」のイモ付けの様
 な感じで、最後に再度取り付けます。取り付ける場合、デフと直角にした位置で
 固定するのが前述と異なりますが、他は同様です。また小さな帯板を“L”字形
 の小片として、これをデフとの基部に据えて一緒にハンダ付けするとより強度
 が保てるだけでなく、よりリアルな仕上がりが期待出来ます。作例でも行って
 いますので(判りにくいですが)PART 3の各画像も御参照してください。 

 「A」に関し...取り付け足を切り離さないという事だけで、実際の作業は「B」
 と同様なのですが、デフの下端の折り曲げに沿ってアングルの表現をするのは
 かなり難しいです。なんせ0.2mm厚の帯板をクランク形状にしつつ、固定の際
 デフ裏側に密着させるのは至難の業でした。とは言え「A」「B」ともに難易度
 は同じぐらい四苦八苦します。同様に「B」では「10」〜「13」間の行程が特
 きつい感じがしました。                        


デフ取り付け後のC5560


以上にて門デフの制作行程の説明を終了します。出来れば制作途中の画像を各文章の中
に入れて解説した方が好ましいのですが...既に過去の出来事故、製作中の画像が無くて
急遽フォトショップにて制作した図を折り込みました。本来ならイラストレターを使用
した方が良かったのですが、これは使用頻度が少ないのでアンインストールしちゃい...
再度インストールする迄もないと...つまりは横着ね。(爆)            

これでお解り頂けたでしょうか?

人によっては、解説が少し不十分かもしれないので若干なり不安がありますが、解りに
くくとも実際にコテを握って頂ければ、なんとなくorすんなり解るかと思いますよ〜。


あ、それから〜PART5以降では、今まで通りのスタイルに戻ります。


オマケ 
オマケとして「A」タイプの門デフの表面を掲載しました。デフと取り付け足の基部が
クランク形状になっている事が解るかと思います。数多い門デフの中でもC5552等の
変形デフ装備機は、デフ下端の折り曲げが存在しない為、取り付け足の切断無く制作が
出来ますので、この場合には「A」の方法で(しかもクランクに曲げる必要が無い!)
と、誠に都合が良いです。(但しC5552はテンダーの形態をD51用に変更しないと...)

門デフの中でも変形機等は「A」方が都合が良いです。

PART1 PART7
PART2 PART8(製作中)
PART3
PART5
PART6



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