このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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こんなタイトルをつけておきながらこんなことを言うのもなんですが、このページでは特にオランダ語そのものについては述べておりません。オランダ語については「ドイツ語と英語の中間で、どちらかというとドイツ語に近い」というに留めておきましょう。「 オランダ語を学ぼう! 」にオランダ語入門講座、オランダ語学習に役立つサイトのリンク集、オランダ語掲示板などがありますので、そちらをご参照ください(ここで紹介されているオランダ語ML[D4J]には私も参加させていただいてます)。

さて、それではここでは一体何を述べているのか、といいますと、主に私がどうやってオランダ語を勉強したか、それから学校、試験などについてなどです。

Bureau Nieuwkomers

いきなり行政的は話から始めます。フローニンゲン(だけではないと思いますが)では、「外国からオランダに移住してきた人=Nieuwkomer」を対象にオランダ語のコースを設けています。もうちょっと正確に言うと、オランダ語学校と市が提携を結んでいて、Nieuwkomerのオランダ語学習にかかる費用を市が負担してくれる、というシステムになっています(2003年7月現在、このシステムがいつまで無料であり続けるか分からない状態になっています。国会で「これを有料にしよう」という話が出ているらしい)。このシステムの対象となるのは (1)EU以外の国から来た(2)外国から引越してきた(つまり、たとえあなたが外国人であっても、アムステルダムからフローニンゲンに引越してきた人、というのは対象外になります)(3)オランダの永住許可を持っている難民、またはオランダ人パートナーと一緒に暮らす(ということはオランダに留学してきた人や転勤でオランダに来た人、オランダ以外のEU国籍を持つパートナーと一緒に暮らしている人は残念ながら対象外になります)のすべてを満たす人だそうです。

市役所に住民登録を済ませるとBureau Nieuwkomerから面接日時を指定した手紙が届き、そこでそのオランダ語学校についての説明を受け、その学校に通うのであれば、市との契約書にサインをし(市がお金を払う代わりにまじめに学校に通わないと行けないとか何とか言うことがオランダ語で書いてある−当然私はこの契約書にサインした時は何が書いてあるのか全くわかりませんでした)学校宛の手紙を受け取ります。で、その手紙を持って学校へ行き、学校の方で聞かれることに答え(どの程度の学歴があるか、とか、オランダ語のレベルはどの程度か、とか、週何日通えるか、などなど)、手続きが終わります。で、新学期が始まる前に学校から「いつから授業が始まる」という手紙が届くことになります(ここまで進むのにもんのすごく時間がかかります(^_^;))。

この契約は一応600時間、ということになっていますが、実際には学校の全課程が終了するまでのようです。だから私のようにレベル1から始めた場合は600時間以上になりますが、既にオランダに来る前にオランダ語を勉強していたような人はレベル2、3あたりから始めるので、この時間はもっと短くなります。

ちなみに私の通った学校は、私のようにNieuwkomerとして市と契約を結んだ人、難民として市と契約を結んだ人(彼らの授業料も市(もしかしたらオランダ政府かも)が負担する)が多く、自分で授業料を払ってきている人は3分の1いるかどうかではないでしょうか。
最近は政府の予算削減のあおりを受けてこの手の学校もいろいろ厳しくなってきているようで、Nieuwkomerではない普通の人はあまり受け入れたがらない(教員不足なので)、または週2日とか3日とかのコースにしか登録させない、という形になってきているようです。

このほかにももちろん大学附属のオランダ語コース(フローニンゲン大学のコースについては こちら 。英語のページです)、市民講座、私立のオランダ語学校などあちこちでオランダ語を勉強することが可能です。ただ、こういう学校はえてして授業料が高いです。この手の学校は大抵週に2回、1日2時間という授業を3ヶ月ほど行なうのですが、大体300〜400ユーロ+教材費がかかります。

フローニンゲン市の Bureau Nieuwkomers については 市のホームページ を参照してください。フローニンゲン市におけるNieuwkomer政策を見ることが出来ます。ただしオランダ語ですが…。

##この制度が他の市でもフローニンゲン市と同じように行われているかどうかについてまでは私もわかりませんので、お近くの市役所で確認されることをお勧めします##

Staatsexamen NT2

NT2 = Staatsexamen Nederlands als Tweede Taal という意味で、オランダの文部省が主催するオランダ語のテストです(Staatsexamen というのは日本の大検のようなものらしく、例えば海外の高校を卒業した人などがオランダの大学に入るための学力を持っている、ということを証明するための試験のようです)。これは言うなれば英検とTOEFLを合わせたもの、という感じで、TOEFL同様、外国人はオランダの大学などに入学するためにはこれを受けていないといけないのですが(もちろん1年間の留学とか大学院に行く、とかいうなら英語が話せればOK、というところが多いですが)、TOEFLとは違い、結果はスコアではなく合格か不合格か、で出されます。

このテストには読解、聴解、会話、筆記の4科目があり、4つまとめて受けてもいいですが、1つ1つ別々に受けることも出来ます。4つまとめて受けたけど2つしか受からなかった、という場合、次のテストでは不合格となった2つだけを受ければいいことになっています。4科目全ての合格証がそろったら、NT2に合格した、という証明書と交換してもらえます。
Staatsexamen Commissie の調査結果によると、なぜかこの試験、初めて受験する人のほうが再挑戦する人より合格率が高いんだそうです(^_^;) ついでに女性の合格率のほうが男性より高いんだそうです。

この試験には programma 1 と programma 2 の二種類があります。その違いですが、programma1と言うのは例えばスーパーの店員、パン屋の店員などのような仕事につきたい人のための試験で、これに合格するとそういう人達のための職業訓練校への入学資格がもらえます(といっても資格がもらえるのはオランダ語に関してのみで、例えば歴史、数学といった科目については必要ならば試験を受けないといけません)。Programma 2 に合格すると大学や高等職業専門学校への入学資格(同じくオランダ語に関してのみ、ですが)がもらえるので、そういう学校に行きたい人、またはそういうレベルの職に就きたい人はこちらの試験を受けることになります。つまり、これは「まず programma 1 を受けて、それに受かったら programma 2 を受ける」というものではないのです。

ちなみにこの試験、毎年3月、7月、12月に行われ、願書の提出締め切り日は大抵試験の3ヶ月前です。

私はBureau Nieuwkomerに送られた学校に98年9月から99年6月まで毎週5日、午前中2時間半通い、99年7月のNT2に合格しました。学校の先生に言わせると私は普通よりは早く合格したようで、大体の人はあと3ヶ月か半年学校に通ったあと合格するようです。

もっとも私の場合、オランダで大学に行く予定はないので、この試験に合格したところでどうなる、というものでもないんですけどね(^_^;)

Staatsexamen NT2 programma 2 についてもう少し詳しく知りたい方は こちら をどうぞ。

<オランダ学習のための教材>

日本でオランダ語を勉強されている方にはあまり役に立たない情報なのですが…。

私が学校で使っていたのは Code Nederlands 1 & 2, それから Nieuw Perspectief 1 という教科書で、オランダのちょっと大き目の本屋さんならどこでも見つかりますが、オランダ以外のところではまず見つかりません(^_^;) これらの教科書にはオランダ語以外は一切書かれていないので、残念ながら独習には向いていません。もし英語が分かるなら Prismataalというところが「Dutch for self-study」(by Hinke van Kampen / Ruud stumpel ISBN 90-274-4164-2)という本をカセット付きで出しているので、それがまぁ役に立つかな、というところです(私もこれを使ったのですが、怠け者の私には独習と言うものがそもそも向いていなかったようで…(^_^;))
日本語で書かれたオランダ語の教科書と言うのは、白水社の「エクスプレスオランダ語」以外は私は使った事がありません。他にもいくつかある事はあるんですけどね。でもこれも「愛してる」というのを "Ik heb jou lief." などと書いてあったりして(これは古い言い方なのかな? 普通のオランダ語で「愛してる」は"Ik hou van jou."と言います)残念ながらあまりおすすめとは言い難いです。文法の説明は悪くないのですが・・・。

それから語学学習に必須の辞書ですが、講談社が蘭日辞典を出しています(講談社オランダ語辞典:ISBN 4-06-154801-8 6800円)。この辞書は蘭英辞典を日本語訳したものだそうで、時々ちょっとわかりにくかったり(例えば語学コースの案内書を読んでいたら「gevorderde cursus」とあって、「gevorderd」の意味がわからないので調べたところ「(時が)経過した、遅い、高齢の」と書いてあって「何のことだろう…」と思ったり(^_^;) ただこの辞書のいいところは日本語訳だけでなく英語訳も書いてあるんですよね。「gevorderd」も日本語訳の脇に英語で「advanced」と書いてあって、「なるほどぉ」と納得したのでした)、新スペリングに対応していなかったり(オランダ語では数年前に新スペリングなるものが導入されました)、例文が少ないのでオランダ語を書く時には全く役に立たなかったり…と若干問題はあるものの、オランダ語を読む時の手助けとしてはそれなりに役に立ちます。

私はこの辞書と併用してオランダのVan Dale社の「Basiswoordenboek Nederlands」を使っています。これは実はオランダの子供向けの辞書なんですが(だから蘭蘭辞典)、割と便利です。ただ、やはり残念ながら日本では入手できないと思います。

英蘭・蘭英辞典については、とりあえずオランダで販売されているものは「英語を勉強するオランダ人」向けに作られており、ということはオランダ語学習者には必須の情報である「動詞の不規則変化」とか「名詞の性」といった情報はまず書かれていません。ついでに言うと例文も英文がほとんどです。以上の理由から私はあまり英蘭・蘭英辞典はお勧めしません。オランダ語を勉強する英語話者向けの辞書というのが存在するのかどうかは残念ながら私も知りません(というか、そういう話は聞いたことがないです)。

これはオランダにいらっしゃる方向けの情報ですが、アムステルダムにIntertaalという語学教材専門の本屋さんがありまして、ここにはここで述べたオランダ語教材のほか、CD-ROMやカセット、文法説明書などかなりいろいろな教材がそろっています。場所はアムステルダム中央駅からトラムの2番か5番に乗ってMuseumplein(ゴッホ美術館のすぐ近く)で降りるとすぐ目の前です(アムステルダム市立美術館の向かい。コンセルトヘボウに向かって右に50メートルくらい)。

それから、時々「オランダに語学留学したいんですが」といった質問メールをいただくことがあるのですが、オランダにおけるオランダ語教育というのは主にオランダに定住する人をターゲットとしているため、語学留学を目的としては滞在許可を得ることはできないようです(英語の語学留学、も不可です)。大学などによっては、夏休みなどに3ヶ月未満(観光客として滞在できる期間)のコースを開いているところはあるようですが、詳しいことはよく分かりません。

<おまけ:カンマと小数点>

ちょっと話がずれますが、まあオランダ語がらみということで…。

オランダでは、数字の表記の仕方が他の国とちょっと異なります。というのは、カンマと小数点が入れ替わるのです。たとえば、日本だったら$123,456.78と表記しますよね。これをオランダでは$123.456,78と表記するんです。このおかげで私は一度泣かされたことがあります(^_^;)

私はこちらに来てから、当然パソコンの「地域の設定」をオランダに変えました(ちなみに当時私はWin95を使っていました)。その時はそのことについてあまり深く考えていませんでした。が、ある日Excelを使っていた時に問題は起こりました。

その時私は、日本で使っていた時と同様「12.50」のように数字を入力していました。そうするとどういうわけかエラーになってしまうんです。何をどうやってもそうなってしまうんです。どうにも原因が思いつかず夫に泣きついて見てもらったところ、「…設定がオランダになってない?」と言われました(^_^;)

そう言われてみれば、「地域の設定」を変える時に「この設定は多くのアプリケーションソフトでサポートされています」とかいうメッセージが出てきたかも…。その時はそのメッセージについてあまり深く考えなかったのですが、「うーん、そういうことだったのか」と後で納得したのでした。ちなみに「12,50」と入力したところ、問題は解消されました。

というわけで、もしオランダに来てExcelをお使いになる方がいらっしゃいましたら、地域の設定にはくれぐれもお気を付けくださいませ。

 

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