このパワーパックは、IC4011を使って、IC4069インバータタイプの無安定マルチバイブレータを基本に作ってみました。
比較的部品数も少なく、それほど難しくないので「量産型(笑)PWMパワーパック」と勝手に呼ぶ事にしました。
周波数は約13kHzとしたため、ノイズの発信音も無く(年齢で聴こえない?)、LED前照灯のある車両では、ちょっと抵抗値を下げただけで、しっかりと確認出来ます。
また、以前作った
IC4069のPWMパワーパック
より、周波数を高くしてますが、低速時のトルクもしっかりある様なので、周波数は10kHz以下にしなくても、最近のモータならば問題は無い様です。
しかし、可変抵抗部分であまり少ない抵抗値(今回の場合は、200k以下)では、DUTY比が低く取れないため、止まりませんでした。(鉄コレ用にて確認)
上記の[実体配線図]に一部抜けている箇所がありました。「ICの8pinと9pin間の結線が抜けていました」ので、作成時は注意して下さい。
なお、Duty比については、可変抵抗部分とそれに付属する固定抵抗の値の組み合わせが、大きい様です。
あくまで自分なりの計算(裏付けは…?)では、
固定抵抗値 10kΩ(可変抵抗を絞った状態) T=4.85μS…a
可変抵抗 300kΩを入れた場合 T=77.45μS…b (f=12.9kHz) 6.3%(a/b)
可変抵抗 200kΩを入れた場合 T=53.25μS…c (f=18.7kHz) 9.1%(a/c)
可変抵抗 100kΩを入れた場合 T=29.05μS…d (f=34.4kHz) 16.7%(a/d)
実際、簡易オシロスコープに測ってみると、数値の倍程度のduty比になっていました。この辺りの数値の組み合わせが、PWMパワーパックのミソでしょうか?
また、今回は電源のアダプターを抜き差しする事で、ON-OFFする様にしました。
一応、切替えスイッチを中点OFFのタイプにする事で、OFFで切る様にするとより安全でしょう。
遅くなりましたが、完成した状態の写真です。
手前のジャックより電源に接続します。(12Vアダプターや9V電池等を接続可能)
右のボリュームにて速度調整、左のスイッチにて前後進を切り替えます。中点OFFが電源OFFを兼ねます。
手軽に作成できて、使いやすいパワーパックだと思います。
また、普通の事しかしてませんので、作成に当たっては、とやかく言うつもりはありませんので、気軽に同資料をお使い下さい。
但し、くれぐれも「自己責任で!」お願いします。
IC4011利用量産型パワーパックV2
上記パワーパックを改良し、より低速のコントロールが可能な様にIC出力に対し、電流をコントロールするための可変抵抗を入れたタイプを考えてみました。
(と、言っても元のアイデアは、あの名著「鉄道模型のエレクトロニクス工作」です。本当にすばらしい書籍ですね・・・)
ダーリントントランジスタ(今回は2SD560)をMOS-FETに変更したり、負荷をコレクタから出力してみたりと何パターンか試しましたが、最終的に下記の回路図に落ち着きました。
このパワーパックの利点は、ICの発振回路でDuty比を決定し、その出力をIC出力時にコントロールする事が可能な点ですが、逆にこれが、欠点にもなります。低速を得る代わりに、出力電圧を落としてしまい、停車中などで室内灯等が常時点灯できなくなる点です。
こんな利点と欠点を併せ持つパワーパックですが、低速運転を楽しむには、もってこい?のパワーパックです。
追記:
操作方法は、1)走行方向を決め、2)速度調整ボリュームをMAXまで廻し、3)最高速度ボリュームを徐々に上げ、走行させたい最高速度を決定、4)速度調整ボリュームを絞り、走行速度を調整します。
このパワーパックは、PWMパワーパックの出力からトランジスタへ送る電圧を可変抵抗で制御する2つのパワーパックを組み合せた物で、速度調整用のボリュームをMAX(抵抗値0Ω)にしておいた状態では、最初のPWMパワーパックと何ら変わりません。
実際作成し、テスト走行をした結果としては、予想通りの効果を得る事が出来ました。
速度的には、2.5cm/s〜3cm/s(約130cmのエンドレス線路で1周40秒〜50秒程度で走行可能)の低速運転速度を確認しました。通常の使用では、まずまずの結果かなと満足しています。
より低速走行を求める場合は、
チョッパ制御のパワーパック
も試してみては如何でしょうか?
追記2:
「
モータと半導体のつなぎ方〜駆動回路について〜
」にて理解を深める意味で別ファイルにて参照出来る様にしておきます。
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