乙千代ヶ浜
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  八丈島の見所スポット林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
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 [1] 樫立エリア
 [2]樫立エリアの見所スポット
     1乙千代ヶ浜
     2 六日ヶ原砂丘(黒砂)
     3 無線中継所
     4 服部屋敷
     5 不受不施僧の墓
     6 中将院の石室
     7 人捨て穴

     8 湯浜遺跡

海岸への途中に立つ道しるべ

八丈島の西南部、樫立の南にある乙千代ヶ浜(おっちょがはま)。樫建て地区を通りがかった時に看板を見かけて訪れてみることにしましたが、都道からの道順は少し分かりにくいかもしれません。

樫立地区で都215号線を海岸方向に折れて中平集落の曲がりくねった道を進むと道標が立っていました。「おっちょがはま」という名称を聞くと、いったいどのような海岸なのか無性に訪れたくなってしまいます。






悲しい島娘の話が残る乙千代ヶ浜の名

乙千代ヶ浜・・・おっちょがはまと読みますが、地名の由来には絶海の孤島ならではの悲しい物語があったみたいです。

むかし、お千代という身寄りのない島娘が盗みの疑いで奉公していた屋敷で追い出されてしまいます。そのため村人からお千代のヌスマタ(盗人)と言われ、磯で貝や山で木の実を取ってその日暮らしをしていましたが、ある年に日照りによる飢饉が発生。

あまりの空腹に我慢できず畑のカンモ(サツマイモ)を盗って食べてしまいます。一度だけのつもりが次第に繰り返すようになって、ついに村人に見つかって「ぶっころがして殺してしまえぇ!」 と海岸まで追い詰められたそうです。 お千代はと海に飛び込みますが、沖にある沖の石まで逃げたところで力つきて息絶えたそうです。

後に不憫に思った村人たちはその海岸にお千代の名前をつけて乙千代ヶ浜として霊を弔うことにしたのが名前の由来らしいです。その全てが事実だとは思いませんが、物語で言い伝えられるくらいのそれに似た悲しい出来事がその昔あったのでしょう。






夏には海水浴で人気のある乙千代ヶ浜の海岸

中平集落を抜けて坂道を降りていった先にある乙千代ヶ浜です。駐車場もあって八丈島観光協会で予約すれば使用できる屋根付きのバーベキュー広場が併設された磯場の海岸で、満潮時には海の一部となる海水タイドプールが設けられていました。

ここは島内屈指の海水浴場であり、磯釣りやマリンスポーツでも人気のある海岸だそうです。波打ち際には子供用の乙千代ヶ浜プールもあります。






夏以外の季節はとても静かな乙千代ヶ浜

海水浴場としてシーズン中は賑わう乙千代ヶ浜も、訪れた春先の季節にはご覧の通り静かな様子。誰もいないだろうと思ったものの、駐車場に海を眺めにやって来た観光客の車が数台とめられていました。

海岸までの道が比較的よく整備されているため、夏以外でも景色を眺めに観光客が訪れる人気の観光スポットみたいです。






昔はここから漁の小舟が出ていたのでしょうか?

現在は港としては使用されていませんが、昔は漁港としても利用されていたのか、波打ち際には舟を上げ下げするスロープが付けられています。岩礁だらけでほとんど砂浜のない八丈島の浜ならではですね。

夏には浜の入江で海水浴が楽しめるとか

乙千代ヶ浜の左手にも舟を上げ下げするスロープがありますが、そこは巨大な岩場の岸壁に囲まれた絶好の入江となっています。水深はかなり深そうですが、波を防いでくれるので夏にはここで泳げるそうです。

左手には小岩戸ヶ鼻の半島も見えています

乙千代ヶ浜から左方向を眺めれば、すぐ目の前には畳根の海に突き出た岩礁があり、さらに遠方には太平洋に大きく突き出た小岩戸ヶ鼻の半島が望めました。ここは絶好の海水浴スポットであると同時に、最高のビュースポットでもあります。

思わすたたずんでしまう恐ろしくよい眺めですが、ちなみに、小岩戸ヶ鼻のある半島には先端まで延びるダートピストンの 東山林道 があります。






快晴時には洋上に浮かぶ青ヶ島の島影も見えるそうです

乙千代ヶ浜の正面に眺めた先に広がる太平洋の水平線です。遥かなる海の先はちょうど青ヶ島のある方向で、 八丈島からの距離はおよそ80km。 快晴の日のは遠く南の洋上に浮かぶ島影が望める、なんとも恵まれたビューポイントがここに!

海岸線に盛り上がった六日ヶ原砂丘の山塊も見事!

一方の右手に視線を向けると弓なりに続く岩だらけの乙千代ヶ浜全体が見渡せました。乙千代ヶ浜というと、プールのあるこの地点を示すと思いがちですが、弓なりのこの海岸を乙千代ヶ浜というんですね。浜の端には海に突き出た素石ヶ鼻と、それに重なるようにしてその先の奈古の鼻も見えていました。

なお、海岸線の先に一段と盛り上がった山が見えていますが、それは樫立地区ではぜひとも訪れておきたい黒砂と呼ばれる六日ヶ原砂丘です。砂丘の高さはここからでも実感できますが、現地に立てばさらにそれ実感することができるでしょう。さらに遠方には六日ヶ原砂丘越しに八丈小島の姿も眺められます。

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