このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

豊岡林道 再探索 
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千葉県富津市の「豊岡林道」といえば、山を挟んで平行して存在する田取線と山中線のそれぞれから延びる2本の異なった
同名のピストン林道であることがよく知られています。
この2本のピストンはいづれ直結して完抜け林道となることが予想されていましたが、最初に訪れたのは平成18(2006)年のこと。
その後も付近の林道パトロールついでに立ち寄ってみるも一向に完抜けされることはなく、
次第に足が遠のき月日が流れてしまったのが現状でした。
そして今回、久方ぶりに思い立って再度林道パトロールを実施してみたところ、
ついに2本の豊岡線が直結されて「完抜け」林道となった事実が判明!
これで田取線と山中線相互の行き来が一般道を経由することなく可能となりました。
当サイトでの房総ピストン林道の完抜け化の報告は平成21(2009)年の 柚ノ木線 以来であり、それによって
柚ノ木線を訪れる林道ライダーが一時的に増大したのは周知の事実ですが、
この豊岡線もそうならんことを願って以下に<報告してみたいと思います。

182号線志駒地区から県88号線豊岡線とを結ぶ田取線にある「豊岡線」の入口です。実に久方ぶりにやって来ましたが、以前は必ず掲げてあった工事看板と鉄パイプ製の簡易バリケードが撤去されていましたよ。「もしや…?!」との予感が高まります。

 ←以前の豊岡線入口(手前)には必ず簡易バリケードが置かれていたものです。
してこれが完抜け林道として生まれ変わった豊岡線の入口の様子。車両の通行を規制する工作物は一切無くて自由通行状態となっています。ただし、以前の入線直後のダート路面がこのように真新しいコンクリで簡易舗装されていました。さらにもう一つ、豊岡線へのアクセス林道となる田取線はかつてはフラットで走りやすかったものですが、現在そのダートは深いクレバスなどによって廃れ気味の荒れた状態(ここから 県182号線方向 )となってしまっています。
線直後のコンクリ簡易舗装をほんの少し進むとすぐに見覚えのあるダートが現れました。同一地点から撮ったかつての画像と見比べてみても、ほとんど変わりはありません。変わった点としては簡易舗装が少し長くなったことくらいです。

 ←簡易舗装の長さを除いて、見える景色も雰囲気も以前とほとんど変化なし。
線してからすぐに開始するストレートじみた下り坂。山の尾根筋伝いに延びる林道ならではの爽快な区間も健在! この区間の雰囲気の良さは数ある房総林道の中でもトップクラスといってもよいと思います。このような素晴らしいダートが行き止まりではなく、完抜けコースとして楽しめるようになったことによって、豊岡線の探索価値はピストン時代と比べて大幅に上昇しました。

 ←以前と変わらないこの爽快な下りストレートが完抜けコースとして楽しめることに!
探索時の画像に見えている前方の切り通し付近の現在の様子。幅員の広さ、走りやすさ共に変わりなかったな。なお、途中に存在していた路肩の膨らんだ2箇所の駐車スペースもそのままの状態で存在していましたよ。相変わらずひっそりとして誰もいませんでしたけどね。

 ←途中にある駐車スペースもは現在も以前と同じくそのままに。
らに進んでピストン時代の終点手前付近までやってきました。初めてここにやって来た時には、確かワゴン車の中で工事関係者の昼寝を目撃したことを思い出しましたが、延長工事が完了した現在ではそのような者の姿は当然ながらどこにも見当たりません。ここ、以前は開設ホヤホヤな雰囲気が濃厚に漂っていたものですが、現在はこのように少し年期が入り始めていましたよ。

 ←現在と同一地点のかつての様子ですが、真新しさが漂っているのが分かりますね。
してここが豊岡線のかつての終点、すなわちピストン時代であった頃の末端地点です。現在は真新しい純白のコンクリ簡易舗装が施されていますが、以前は延長工事の最前線であったわけで、土むき出しの路面には各種資材が野積みされていたんだっけ。というわけで、ここから先の区間が開通したことによって、豊岡線は完抜け林道となったというわけですね。では、さっそく、その新規開通区間へと乗り込んでみたいと思います。

 ←ピストン時代の豊岡線の終点。そこはまさに現場であり、工事資材がそこかしこに。
お、これは凄い切り通しですよ。そうか、いつやって来ても工事中であったあの現場ではここをシコシコと切り崩していたというわけか! 山の尾根の起伏を忠実にたどるようにして、激しい勾配でアップダウンをくり返しながら豊岡線はその先へと続きます。 
な登り坂を登坂するかと思えば、その先にはこのような見通しの良好な下り区間も! よくもまあ、このような地形に道を通したものだと感心してしまいます。ただ一つ、この新規開通区間で残念なことは、コンクリ簡易舗装がやけに多いことでしょうか。もちろん、ちぎれちぎれでダート区間も存在しているのですけどね。う〜ん、坂道対策ってやつかぁ。
根筋沿いに迫力あるアップダウンが連続します。切り通しに吹き付けられたコンクリは、まだ乾き切っていないかのような純白であり、開設ホヤホヤな雰囲気が濃厚に漂っていましたよ。ピストン時代の豊岡線を訪れたことのある方には、ここでぜひそれを実感していただきたいですね。
易舗装と未舗装をくり返しつつ、さらに豊岡線は続きます。それにしても、ここはかなり強引に道を切り開いたのかもしれません。目に入るのは、周囲の緑よりもひょっとしたらコンクリートの白の方が多いかも。新たに完抜けルートができたのは嬉しいことですが、本当のところこの林道を開設したそもそもの目的って一体なんなのだろう? 実はただ道を造ることが目的だったりして…。
〜ん、それにしてもここは実に惜しいなぁ。コースは山の稜線伝いでロケーション的にも申し分はないのですが、いかんせん、肝心の路面はこんな状態なので…。ここがフルダートであったらどんなに素晴らしい状態であることか!
ンクリでがっちり固められた簡易舗装がメインの路面を走行していると、あまり実感しにくいかもしれませんが、地形的にはかなり険しい地点を林道は抜けているようです。ふと右手を眺めてみると、そこは物凄い谷間に面していたりします。今はまだ開設間もないので、路肩崩落などは一度も発生していないようですが、それも今後はどうか分からないといった感じです。
→路肩から谷間を眺める!
→路肩からの展望を眺める!
してもうそろそろ、反対方向である山中線側からのかつての豊岡線終点にたどり着いてもよい頃だと、その記憶を思い出しながら進みますが、沿道は似たような景色が続くので、ここであるという確信がなかなか持てません。雰囲気、景観ともにけっこう変わってしまったみたいです。それはおそらくこの辺りだったと思うのですけどね。

 ←かつての山中線側区間の終点ですが、道はこんな感じで唐突に途切れていたっけ。
なみに、これはかつての終点であった末端地点から進行方向を眺めた光景。このように、いかにも延長工事を予感させる状態でしたが、それが今こうしてついに完抜け状態となったのかと思うと、感慨深いものがありますよ。豊岡線の初探索は平成18(2006)年だったので、それにしてもここはずいぶん待たされたなぁ。
→かつての豊岡線末端地点!
中線側からのかつての終点を過ぎて、新規開設された延長区間は終了。その後は以前とあまり変化のない豊岡線を山中線へと向かって進みます。ご覧の通り、細かな沿道の様子に微妙な変化は見られますが、それでも虫食いでの砂利ダートも健在していましたよ。

 ←以前からあった山中線側の区間。ピストン時代とほとんど変化はありません。
してついに念願叶って山中線へと抜けることができました。かつてピストン時代の2本の豊岡線はショートなピストンでしたが、このように新たな延長区間を経て完抜け林道となったことで、房総林道としては短くはないと言えるほどの存在となりました。虫食いのコンクリ舗装区間もかなりありますが、それでも部分的に残存するダート区間もそれなりにあるため、このルートはそこそこに楽しめるかもしれません。 保田見線山中線 →豊岡線→ 田取線大山線横尾線高山線 の順で乗り継げば、ダート区間の残存する7本もの林道を一挙に探索することが可能となりました。というわけで、興味のある方は完抜け化された豊岡線を訪れてみるとよいでしょう。
なみに、これが現在(2013.3月時点)の山中線から分岐する豊岡線入口(右手)の様子。かつての状況とほとんど変化はありませんが、以前は豊岡線側には鉄パイプの簡易バリケードが置かれていましたが、それが現在は山中線側に移動されていましたよ。画像では前方の左手が山中線の県182号線方向、手前が県88号線方面になっています。
→探索終了!




 ←まだピストンであった頃の豊岡線入口です。ここは現在と全く変わっていませんよ。

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