富士山
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| 標高:3776メートル 所在地:静岡県御殿場市山梨県富士吉田市他 登山適期:7月上旬〜9月上旬 日帰り不可? 最寄駅:御殿場駅
登山レベル:6 |
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言わずとしれた日本一の山です。もはや説明の必要はないと思いますが富士山について調べれば調べるほど面白い事実がどんどん発覚します。色んな顔を持つ富士山ですが順を追って紹介していこうと思います。
富士吉田登山口
↑ここは富士山登山において最もポピュラーな登山口、「富士吉田口」です。
ただし、この登山口は唯一5合目の登山口に至るまでの道が有料道路となっており、普通車で2000円もかかってしまう。
それでもこの登山口が人気なのは最も登りやすいというのと、都心からのアクセスが良いという点にあると思う。
富士吉田口5合目の登山口には本来の登山客以外にも雰囲気を味わう一般観光客も多い。
観光バスが多いのもこの富士吉田口くらいである。
富士吉田登山口からは数々の絶景を楽しむことができる。
特に晴れた日に見る富士山の山頂は目の錯覚ですぐそこにあるような気がしますが、実際はここから登るのに平均7時間は必要です。
上の3枚の写真は富士吉田登山口から麓を撮影したものになります。
左から 富士吉田市街地・山中湖・陸上自衛隊北富士演習場 です。
これが本当の登山口になります。まさに門という感じの重厚な雰囲気であり、これから霊峰富士に登るという登山者に対して気を引き締めてくれるような感じがします。
ちなみにこの登山口のみ、馬に乗って7合目付近まで登ることができるが利用している人を見たことがない。
さらに5〜7合目までの道中、たまに馬糞が落ちているので足元に気を付けて進む必要がある。
それともう一つ、気を付けなければならないののが渋滞である。
富士スバルラインは登山シーズンの時期はマイカー規制がかかっているが、それ以外の時期は5合目駐車場付近でかなりの渋滞が発生する。
道路だけではなく、登山道もまた渋滞します。
毎年7月1日に登山開きがありますが、富士山に一般人が登れる期間というのは7〜9月と3ヶ月間しかない。
その僅かな期間に日本全国、いや、世界中から富士登山を目的にここに集まってくるため8合目以降は特に大渋滞します。
そのせいで御来光を拝めなかったりかなりペースが狂ってしまうことがよくあります。
そのへんがデメリットですが、全登山口中、一番山小屋が多く、気軽に補給・休憩が出来るのと、何かあった際には、人の多い登山道なので助けを求めるのも容易である。
そしてこの吉田口。
私は一度ここから登ろうとして途中でリタイアしている。
この富士吉田登山口は標高2305メートル。山頂までは1471メートルもあり、普段登っている山と比べると本当に桁違いである。
挑んだのは9月末日、しかも台風が来ているさなかである。
普通そんな時に登るほうがおかしいと思うが、今までも雨の中の登山は何度かしたこともありこの期を逃したらまた来年になってしまうという焦りもあった。
登り始めるとやはり雨が降ってきた。しかも結構強い。焦ったがモンベルのゴアテックスでこれをガード。
雨が降ってくるとさすがにペースも落ちるし、9月末なので殆どの山小屋も既に閉まっている。
予約している山小屋まではまだまだ距離はあるが、山小屋まで行ってしまえばなんとかなるということで構わず突き進んだ。
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山小屋に着いたときにはもうヘロヘロで、やっと暖かい飲み物にありつくことができた。
山小屋には私とGAJIROと他にカナダ人の登山客が3人。ほとんど貸切だった。
その夜はカナダ人と盛り上がり、翌日は共に登頂しようと意気込んだ。
しかし起きてみると雨は降り止まず「行くか退くか」の究極の選択を迫られた。
我々が迷っていると山小屋の主人から
「やめとけ、危険すぎる」
の一言。 |
正直この言葉を待っていたような気がする。これを言って欲しかった気がする。
どこかで引き返したいと思っていたような気がした。
誰かの後押しが無いとなかなか決断に踏み切れないというのは良くないが、この時は自分だけの問題ではなかった。
同行者のGAJIROもさることながら、昨晩約束したカナダ人はどうだろう?
彼らはきっとこの機会を逃したら次はいつ富士山に登るチャンスがあるだろうか?
我々だけならまた来年くればいいが、彼らはそうもいかない・・・
でも彼らもまた下山するという英断を下した。
これは無念のリタイアに他ならないだろう、もし自分が同じ立場だったら絶対悔しいはずだ。
その後は5人で共に下山。
何とか無事に生還できたが、もしあの時無理矢理山頂を目指してたらと思うとぞっとする。
基本的に標高が100メートル上がるたびに0.6度気温が下がるため、富士山の場合だと22度も気温が低い。
それ故九月末だと朝晩は氷点下になることも多い。それに富士山の初雪は早く、例えば2011年は9月24日に初冠雪を記録している。
今思うと相当危険なことをしてたんだなって反省してます。
富士宮登山口
さて、ここからはちゃんと山頂まで登山した際のレポとなります。この登山口は最も山頂までの距離が短く、名古屋、関西方面からのアクセスも良い。ただ、登りも下りも同じ道を通ることになるため登山道は渋滞しやすい。
前回の雪辱を晴らすべく、いざ、登山開始!
前回は山梨県側からだったが今回は静岡県側から登っています。どちらもそれぞれ特徴があるが、この登山口の場合は眺望がどこよりも素晴らしい。
真夜中から登り始め、早朝、朝になるにつれて景色は変わらないが空の色がご覧のようにどんどん変わっていく。
普段目にすることのない非日常の風景であり、素直に感動した。
振り返ると駿河湾が見渡せるが、その景色自体は標高が上がっても大して変わらない。
しかし登山道に目を向けるといろいろと変化があって楽しい。
真夏に見る雪は真っ黒に薄汚れており少し不気味である。これは万年雪でしょうか?
遥か眼下には新五合目の駐車場が見える。正直、ここの駐車場は置ける台数が少ないと思う。早い者勝ちなので早く来た人から上の方に止めることができ、運が悪いと駐車場にすら停められず下の方の道路に停めて登山口まで車道を歩いていくことになる。
この登山道では須走の砂利のような地質ではなく砂礫というか土や小さい石でとても歩きやすい。
ただ、ペースの遅い人がいると渋滞するので、上に行けば行くほど渋滞しやすい。なぜならば、すれ違えるスペースが少なくなるのと、山頂付近に近づくにつれて斜面が急になるので追い越しスペースが少ないのも原因の一つ。
富士山というのは川が一切ない。普通雨が降ったりすると水滴などを水源とし、やがてそれらが集まって沢となる。
ただ、この富士山では粒の荒い砂礫がメインとなっているため、水分の類は斜面を流れることはなく全て地中に伏流でしてしまうのだ。興味のある方は富士山の地図や地形図を見てもらえればわかると思う。富士山を源流とする川はひとつもないはずだ。
ちなみに富士山に降った雨は一旦伏流するが、長い年月をかけて忍野八海などで湧き水として姿を現す。
忍野八海の水は私が今まで見た淡水の中で一番の透明度を誇るキレイさです(摩周湖も綺麗ですが近づけない!)
山頂の直前になると御殿場口からの登山口と合流する。こちらは砂のつぶが細そうで足を取られるタイプの路面。
あまり一般的な登山口でないだけに健脚向けとなっているんでしょう。一歩毎に足が少し埋まるイメージです。
空気が薄いため、少しの運動ですぐ息が切れる。いつものペースで進むと厳しい。
富士山の山小屋や売店では必ずスプレー缶の酸素が売っている。私は使ったことがないがたぶん効果はあるんだと思う。
富士山など2000メートルを超えるような山では、気圧の問題があり、これはどうやっても回避できない。
標高が高くなるに連れて当然のように空気は薄くなる。
よく言われる「高山病」は脳へ酸素が十分に行き渡らず酸素欠乏症になってしまうことを指す。
高山病を回避するためには、登山口へ到着したらしばらくそこに留まり、高地に体を順応させる必要がある。
車で5合目(約2400メートル)まで来てすぐに外に出て登り始めたのでは気圧に体が順応しきれておらず、高山病になりやすい。また、休憩を取らずひたすらハイペースで登り続けるのも脳に十分な酸素が供給されずに高山病になる可能性が高い。
ちなみにここは山頂の周りの鉢と呼ばれる部分である。富士山は火山なので当然噴火口があります。
この噴火口を一周することを「御鉢回り」といい、富士山の中でも本当に一番標高の高い場所である剣ケ峰に行くためにはこの鉢周りは欠かせない(左図参照)
富士の山頂にはなぜか郵便局まである。そればかりかケータイの電波もつながるし各種食堂もある。
飲料の補給もできればトイレもたくさんある(有料ですが)
富士山という山は他の多くの山と違い、万人が登れる山として手厚い整備がされている。
お金さえあれば極端な話、食料や飲料は持っていかなくても大丈夫だと言える。
近年富士山は世界遺産登録に向けて動いているようですが、やはりゴミの散乱の問題とトイレなどの衛生問題があるため、未だ登録には至っていない。ここが将来世界遺産に登録されれば今後さらに外国人の登山客が増えると思われ、現在の設備では宿泊者を受け入れることはできない。
世界遺産に登録されるのは大いに結構ですが、それによる弊害問題をクリアできる見通しがないうちは複雑な心境です。