このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

芭蕉の句


馬ぼくぼく我を絵に見る夏野かな

夏野の画讃

 笠着て馬に乗りたる坊主は、いづれの境より出でて、何をむさぼり歩くにや。このぬしの言へる、これは予が旅の姿を写せりとかや。さればこそ、三界流浪の桃尻、落ちてあやまちすることなかれ。

馬ぼくぼく我を絵に見る夏野かな

天和3年(1683年)夏の句。

  『泊船集』 には「馬ぼくぼく我を繪に見る枯野かな」とある。

熊本県八代市の 春光寺 に句碑がある。



馬ほくほく我を絵に見る枯野かな

福岡県行橋市の 安楽寺跡 に「枯野塚」がある。


  俳諧一葉集』 には「夏馬ほくほく我を繪に見るこゝろ哉」とある。

   甲斐の郡内といふ處に至る、途中の苦吟

夏馬ほくほく我を繪に見るこゝろ哉

俳諧一葉集』

 また、 俳諧一葉集』 では「考證」として「馬ほくほく我を繪に見る枯野哉」を挙げ、「はしめは夏野と云吟なれど、一直有しにや。猶畫讃とあれば、訂正の為爰に擧。」とある。

  『三冊子』 (土芳著)に此句、はじめは「夏馬ぼくぼく我を繪に見る心かな」と有。後直る也。とある。

 天和2年(1682年)12月28日、江戸の大火により 芭蕉庵 焼失。翌天和3年(1683年)1月、芭蕉は高山麋塒の招きに応じて来峡し、約半年間この 甲州谷村 の地に滞在した。

山梨県都留市の 楽山公園 、大月市猿橋町の 藤崎久保 に句碑がある。

楽山公園の句碑


藤崎久保の句碑


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