このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

芭蕉の句


市人にいで是うらん雪の笠

出典は 『三冊子』

貞亨元年(1684年)、抱月亭の発句である。

   抱月亭


市人にいで是うらん笠の雪
   翁

   酒の戸をたゝく鞭の枯梅
   抱月

是は貞享のむかし抱月亭の雪見なり。おのおの此第三すべきよしにて、幾たびも吟じあげたるに、阿叟も転吟して、此第三の附方あまたあるべからずと申されしに、杜国もそこにありて、下官(やつがれ)もさる事におもひ侍るとて

朝がほに先だつ母衣を引づ(ず)りて
    杜国

と申侍しと也。されば鞭にて酒屋をたゝくといへるものは、風狂の詩人ならばさも有べし。枯梅の風流に思ひ入らば、武者の外に此第三有べからず。しからば此一座の一興はなつかしき事かなと、今さらにおもはるゝ也。

抱月は名古屋の俳人。

『野ざらし紀行』 に「市人よ此笠うらふ雪の傘」とある。

『笈日記』 (支考編)に「市人にいで是うらん笠の雪」とある。

栃木県栃木市 藤岡神社

群馬県館林市の 民家

滋賀県羽島市の 水除神社

山口県山口市の 中根八幡宮 に句碑がある。

藤岡神社の句碑


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