このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
芭蕉の句
鞍つぼに小坊主乗るや大根ひき
出典は
『炭俵』
。
元禄6年(1693年)11月8日付
曲翠
宛書簡・
荊口
宛書簡にある。
元禄6年(1693年)10月、芭蕉50歳の句。
曲翠(曲水)宛
頃日漸寒に至り候而、少し云捨など申ちらし候。
鞍つぼに小坊主乗ルや大根挽キ
振売の雁哀也夷講
荊口宛
文鳥子元服之よし目出度存候。愈成長たるべく候。
千川子瘧
(おこり)
久々御煩、いまほどは御快然珍重存候。
頃日愚句
金屏の松の古さよ冬籠り
鞍つぼに小坊主乗るや大根ひき
寒菊や醴
(あまざけ)
造る窓の前
素堂
菊宴
菊の香や庭に切たれ
(る)
沓の底
『陸奥鵆』
には「
鞍壺に小坊主のせて大根引
」とある。
鞍坪
(壷)
に小坊主のるや大根引
ばせを
蘭国曰、「此句、いかなる処か面白き」。去来曰、「吾子今マ
(ママ)
解しがたからん。只、図してしらるべし。たとへば、花を図するに、奇山・幽谷・霊社・古寺・禁闕によらば、その図よからん。 よきがゆへ
(ゑ)
に古来おほし。如此の類は図の悪敷にはあらず。不珍なれば取はやさず。 又、図となして、かたちこのましからぬものあらん。此等、元より図あしとて用ひられず。今珍らしく雅ナル図アラバ、此を画となしてもよからん。句となしてもよからん。されば、大根引の傍に草はむ馬の首うちさげたらん、鞍坪
(壷)
に小坊主のちよつこりと乗りたる図あらば、古からんや、拙なからんや、察しらるべし」。国が兄何某、却て国より感驚
ス
。かれは俳諧をしらずといへども、画を能するゆへ
(ゑ)
也。図師尚景が子也。
『去来抄』
鞍つほに小坊主のるや大根引
此句、師のいはく「のるや大根引」と小坊主のよく目に立つ処、句作ありとなり。
『三冊子』
(土芳著)
栃木県真岡市の
出世稲荷神社
石川県志賀町の
里本江の旧家
兵庫県洲本市の
内田神社
鹿児島県出水市の
出水市立図書館
に句碑がある。
出水市立図書館の句碑
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