このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

芭蕉の句


やがて死ぬけしきは見えず蝉の声

出典は 『猿蓑』『陸奥鵆』 にも収録されている。

   無常迅速

やがて死ぬけしきは見えず蝉の聲


  『卯辰集』 には「けしきも見えず」、 『桃の実』 には「けしきに見えず」とある。

  『桃の実』 に「此句、人上渡世、天道地變にも、かゝれる名句ならんと、世こぞつていひ侍りぬ。」とある。

元禄3年(1690年)夏、芭蕉が 幻住庵 で秋之坊に示した句だそうだ。

幻住庵


むかし湖南の幻住庵に。一夜の夢をむすびしが。其夜もしらずよみしやすらん。にくみしやすらん。無常迅速の一句をあたへて。先師も麓までおくりは申されしか。

「示秋之坊辭」(支考)

 「秋之坊」は、金沢の門人。元禄2年(1689年)7月、芭蕉が『奥の細道』の旅で金沢を訪れた折に入門。

元禄3年(1690年)4月6日から7月22日まで芭蕉は「幻住庵」に滞在した。

埼玉県深谷市の 吉祥院

千葉県木更津市の 高藏寺

長野県木島平村の 天然寺国道沿い

山梨県昭和町の 県道沿い に句碑がある。

吉祥院の句碑
   
高藏寺の句碑

   


県道沿いの句碑



三重県伊賀市の 西蓮寺 にある服部土芳の句碑にも芭蕉の句が刻まれている。

  『はせをつか』 (楓幻亜編)に「はせを冢 同上白井 琴岱ゝ やかて死ぬ氣色は見えす蝉の聲」とあるが、現存しない。

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