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一茶の句碑
一茶の句
『寛政句帖』
三文が霞見にけり遠眼鏡
もし降らバ天津乙女ぞ花曇
『霞の碑』
今迄は晴れて居たに花野かな
汐浜を反故にして飛ぶ鵆かな
『秋顔子』
狐火の行衛見送る涼みかな
『
蕉翁百回
追遠集』
遠山や花と見るより道急グ
『花供養』
義仲寺へいそき候はつしくれ
『しぐれ会』(寛政7年刊)
降雪に草履て旅宿出たりけり
『樗堂俳諧集』
親ありとこたへてもどるさくら哉
『霜のはな』
畔ひとへ西の蛙のきこえけり
『水の音』
早だちのかぶせて呉しふとん哉
『続雪まろげ』
立きハに春風ふくや京の山
『苔むしろ』
名月の御覧の通り屑家哉
『繋橋』
春雨に花売ひろふ烏帽子哉
『玉の春』
正月がへる夜々の霞かな
『古今綾嚢』
古草鞋螢とならば隅田川
『遠ほととぎす』
行秋やどれが先だつ草の花
『物の名』
藪入の顔にもつけよ桃の花
『続草枕』
身のうへの鐘としりつゝ夕すゞみ
『物見塚記』
彼
(あの)
桃が流来かよ春がすみ
門の木に階子
(はしご)
かゝりて夜寒哉
『随斎筆記』
鍬の柄に鶯なくや小梅むら
『
俳諧
道中双六』
上野にて
十日様九日さまのさくらかな
うかうかと人に生れて秋のくれ
『名なし草紙』
花さけや仏法わたる蝦夷が島
『なにぶくろ』
春めくや江戸も雀の鳴あたり
『栞集』
天からでも降たるやうに櫻哉
『玉笹集』
牡丹餅の来べき空也初時雨
『木槿集』
なかなかに人と生れて秋の暮
『世美冢』
夏山やひとりきけんの女良花
『青かげ』
独楽坊を訪ふに、錠のかゝりければ、三界無
安と言ふ事を
蠅よけの草もつるして扨どこえ
(へ)
老婆洗衣画
彼の桃も流れ来よ来よ春霞
国家安全
松かげに寝てくふ六十餘州かな
『杖の竹』
芦の穂を蟹かはさんて秋の暮
『的申集』
さきのとしの大なひ
(ゐ)
に鳥海山はくづれて海
を埋め、甘
(蚶)
満寺はゆりこみ沼とかはりぬ。さ
すがの名どころも、まことにうらむがごとく
なりけり。
象がたの欠
(かけ)
を掴で鳴く千鳥
外ヶ浜
けふからは日本の雁ぞ楽に寝よ
『迹祭』
涅槃像銭見ておはす顔もあり
『
俳諧
西歌仙』
露はらりはらり大事の浮世かな
『河上集』
名月も御らむの通り屑家かな
『古今俳人百句集』
旅中
斯う寝るも我が巨燵ではなかり鳧
『花之跡』
はつものや雪も仏に作られし
『小夜の月』
芽出しから人さす草はなかりけり
『椎柴』
猫の手の届く手つきや笹粽
『ひなほうご』
なつ山やひとりきけんの女良花
『多賀の浦』
有合の山ですますやけふの月
『春秋稿』(第八編)
乾くまて蝿はる庭や若葉吹
『杉間集』
すみだ川くれぬうちより朧也
『墨多川集』
是程のぼたんと仕方する子哉
風冷り冷りからだのしまりかな
『たねおろし』
飛蝶や此世にのぞみないように
世にすめば無理にとかすや門の雪
我国は草もさくらを
(ママ)
咲きにけり
春雨に大欠
ビ
する美人かな
『五とせ集』
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