このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
俳 人
宮坂自徳
諏訪市桑原町の人。宮坂助九郎。自在庵
祇徳
の門人。別号二時庵。布屋逸二。
可都里
『名録帖』
に「自徳
二時庵
宮坂助九郎事
布屋逸二」とある。
天明8年(1788年)3月11日、蝶夢は江戸へ下る途中で自徳を訪れている。
十一日、余寒甚しといへども上諏訪へ趣く。高島の城は湖水に築いでゝ、まことに甲斐の根城なりしことも思ひ出らるゝ。この町の自徳子を訪ふに、翁の雪月花に筆をとり給ふ器物見せらるゝを、
水入の囀りきくや諏訪の湖
『富士美行脚』
寛政4年(1792年)10月21日、栗庵似鳩は二時庵自徳を訪れている。
今昼ニ至て諏訪何某殿の高島の城下ニ遊テ二時庵自徳子を訪ふ、旧識なりけれは薄履の儘時を移して語る、主の吟あり
混 雑
賑かに早乙女渡る野川かな
二時庵
自徳
『信濃紀行』
文化8年(1811年)5月28日、77歳で没。
諏訪市中洲福島にある
曽良の句碑
に自徳の句が並刻されている。
剃捨てて黒髪山の故露もかへ
曽良
唐土へ雲吹き拂へ十三夜
自徳
春立つや富士の白雲出でにけり
素檗
湖へ出久かたの田植かな
若人
自徳の句
宮守の白髪目出たし老の春
『せりのね』
はつ雪は朝降ものと覚たり
『春秋稿』(第五編)
時鳥聞て寐ぬ夜をかぞへけり
『葛の葉表』
時鳥聞て寝ぬ夜を算へけり
『華鳥風月集』
寐付れぬ晝寐を蠅に小言哉
『其梅』
つくづくと雪の古寺詠めけり
『麻刈集』
朝の間は静におもふ桜かな
『衣更着集』
鉢のうめまた春浅き匂ひかな
『春秋稿』(第六篇)
蝶鳥に紛るゝ旅のつかれ哉
『春秋稿』(編次外)
夜嵐に今朝はきひしき冬の山
『春秋稿』(第七篇)
ちひちひと花散風のなき日かな
『つきよほとけ』
爪立て啼かと思ふ鶉かな
『続雪まろげ』
もろこしへ雲吹はらへ十三夜
『古今綾嚢』
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