■電気機関車(Electric Locomotive)
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表記※実際にはこれほど間隔は開いていません。
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※電気の頭文字
電気を意味する英語=ElectricのEが付きます。
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(1)動軸数を表す記号
※F級電機機関車の場合、一部を除き実際にはB-B-Bの動軸配置になっています。詳しくはコラムを参考にして下さい。 |
動軸あれこれ・・・
動軸とは文字通り「動く軸」の事で、そのまま動力を動輪に伝える軸の事を言います。
旧国鉄(JR)の電気機関車やディーゼル機関車では、基本的に一つの台車に2軸の動軸配置で作られています。電気機関車の場合は直流電機のEF60形以降を特に「新性能電機機関車」と呼び、B-B-Bの動軸配置でF級電気機関車になります。新性能電機機関車の中で特異なのが信越本線専用のEF62形で、動軸配置はC-CでF級電気機関車になっていました。これは線路が弱い部分も多い割に急な坂が多い信越本線を走行するための工夫でした。特に碓氷峠では、数々の安全装置が搭載された専用の補機、EF63形が製造され、2両一組で碓氷峠を通る電車や客車、貨車などの全列車に連結され、名物になっていました。特に客車や貨車の上り列車ではEF62形とEF63形2両、合計3両が並び、パンタグラフが6基並ぶ迫力あるシーンで鉄道ファンを喜ばせていました。
交流電気機関車はB-B、あるいはB-2-Bの動軸配置になるD級電気機関車が多く製造されています。前者はED71形やED75形が、後者は九州方面のED72形、ED73形、ED76形などが、東北方面向けのED77形、ED78形などがありました。B-B-BのF級電気機関車、EF71形も製造されましたが、現在は全車廃車になり、形式消滅したために見る事が出来ません。
旧型電気機関車ではEF58形のように大型の電気機関車は2-C-C-2が、中型のEF15形などは1-C-C-1が多く採用されていました。 |
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(2)機関車の種類による形式
形式番号 | 電気方式 | 性能 | 10〜29 | 直流 | 最高速度85km/h以下。
旧形貨物機、交直切換区間用機、アプト区間用機など。 | 30〜39 | 交直両用 | 40〜49 | 交流 | 50〜69 | 直流 | 最高速度85km/h以上。
旧形旅客機、新性能機全般。(交直切換区間用機などを除く) | 70〜79 | 交流 | 80〜89 | 交直両用 | 90〜99 | 試作車両 | ※分割・民営化後のJRでは3ケタの番号も登場しています。(例:JR貨物のEF200形、EF210形、EH500形など) |
直流と交流・・・
日本の鉄道は一部の私鉄を除き、主に直流1,500v、交流50Hz20,000v、交流60Hz20,000vの三種類があります(新幹線は除く)。
古くから電化が進んだ区間は直流1,500vで、九州は交流60Hz20,000v、東北と北海道は交流50Hz20,000vで電化が進められ、それぞれに専用の電気機関車が製造されました。でも、困るのが交流区間と直流区間を通して運転する列車です。いちいち電気機関車から蒸気機関車やディーゼル機関車に交換して、また電気機関車に交換・・・これでは効率が悪いですよね。そこで開発されたのが運転中に装置を切り替えて※交流区間と直流区間を走れる交直両用電気機関車です。最初は交流60Hz20,000vと直流1,500v専用のEF30形、交流50Hz20,000vと直流1,500v専用のED46形とEF80形の2種類3形式でしたが、日本海縦貫線の電化に際して、三つの電気方式に対応したEF81形が製造されました。 現在は直流区間と交流区間をスルー運転する客車・貨物列車の牽引はほとんどをEF81形が担っています。JRになってからはJR貨物が3電源方式のEF500形とEH500形を製造しています。
※実際には無電区間があり、その区間を走行中に切り替えます。また、東北本線の黒磯は駅全体で電気を切り替えられます。 |
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(3)同一形式での製造番号
製造順に1から番号を付けます。
ただし、用途や仕様の違いによっては番台区分する場合があります。(例:EF651000、ED75700、EF81300)
この電気機関車の場合は動軸数動軸数6で、1000番台の66両目に造られた車両、と言うことになります。
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