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形式称号
〜客車篇〜

鉄道車両には必ずその車両を管理・運営するための記号や番号が付けられています。
これを形式称号と呼びますが、出鱈目に付いている訳ではありません。旧国鉄では規定に
従って、系統的に付けられていたのです。憶えておけば旅先でも楽しめる形式称号です。
※分割・民営化後は、JR各社によって変わっています。
また、私鉄各社は割愛してあります。ご了承下さい。


蒸気機関車電気機関車ディーゼル機関車電車新幹線電車気動車客車貨車


■客車(Passenger Car)
 ハネフ 2 5219
(1)    (2)   (3) (4)  (5)
※実際にはこれほど間隔は開いていません。
(1)車両の重量区分を表す記号
記号意味
22.5t未満
22.5〜27.5t未満
27.5〜32.5t未満
32.5〜37.5t未満
37.5〜42.5t未満
42.5〜47.5t未満
47.5t以上
※基本的に空車時の自重で表します。現在ではコとホは見られません。
(2)用途を示す記号
記号意味
座席車(旧1等車)
座席車(グリーン車:旧2等車)
座席車(普通車:旧3等車)
イネ寝台車(旧1等寝台車)
ロネ寝台車(A寝台:旧2等寝台車)
ハネ寝台車(B寝台:旧3等寝台車)
食堂車(ビュッフェを含む)
郵便車
荷物車
緩急車(車掌弁のある車両)
職用車
救援車
※イ(旧1等車)は現在は用いられません。便宜上の記入です。
客車になった電車・・・
旧国鉄時代末期、営業効率が悪かった電車の食堂車は営業休止になり、編成から外されていました。JRになってから、この余った食堂車を改造して作られたのが24系寝台車用のスシ24形です。JR北海道、JR東日本とJR西日本が所有し、JR北海道とJR東日本では“北斗星”に連結されていて500番台となっています。JR西日本では番台区分はなく“トワイライトエクスプレス”に使われています。何故こんな事をしたかと言うと、本来の24系寝台車用食堂車、オシ24形は製造数が少なく、新しい列車に割り当てられなかったと言うのが本当のところでしょう。
元になった車両の違いから、JR北海道、JR東日本の車両とJR西日本の車両ではクーラーの形が違います。
(3)第1位の数字
特に規定はありませんが現状で用いられているものです。
数字意味
1軽量客車
2固定編成用客車
3〜5一般客車
6鋼体化客車
7戦災復旧客車
8和式客車
9特殊客車
※もともと規定がないので一部の客車では上記の表では当てはまらないものもあります。(例:スハネフ14 など)
固定編成用客車・・・
現在は24系寝台車とJR東日本のE26系寝台車が固定編成用の客車です。この2形式は電源車から電気を供給されるように設計されて、どんな機関車でも牽引出来ます。基本的にはディーゼル発電機を備えた電源車(荷物車兼用)が編成の一端に連結されますが、1989年(平成元年)からはパンタグラフから供給された直流電気で発電するスハ25形300番台が登場しました。電気回路など技術的な方法は違いますが、20系寝台車のカニ22形も直流電化区間はパンタグラフから供給された電気で発電し、非電化区間はディーゼル発電機で発電する方法を採用していました。しかし車体が重く、線路の弱いローカル線を走れないため、パンタグラフと発電用モーターを撤去して使われ、一部は形式変更されてカヤ22形として使われました。
※架線の電圧では高過ぎるので、モーターを回して蛍光灯用電源などを作ります。電車なども同じ方法で供給しています。
(4)第2位の数字
台車の構造による区分を表す形式番号
数字意味
0〜72軸ボギー客車
8・93軸ボギー客車
※戦前からのものは3軸ボギー客車が多く見られました。
ボギー客車・・・
ボギー客車とは車体の両端に台車があり、それぞれの台車が自由に動く構造になったものです。もし長い車体なのに台車がなく、車輪が台枠で車体に固定されているとカーブで脱線してしまいます。まだ鉄道が珍しい時代は2軸だけのマッチ箱のような客車でも良かったのですが、鉄道の発達に伴って旅客や貨物の輸送力やスピード化が求められ、車体を長くする際に考えられました。これによってスピードアップとともに乗り心地も向上しました。
※特には言いませんが、電車や気動車も「動力のついたボギー客車」なのです。
(5)同一形式内での製造番号
製造順に1から番号を付けます。
ただし、用途や仕様の違いによっては番台区分する場合があります。(例:オハネ25100、オハネフ25200、オロネ25300 など)
この客車の場合は自重32.5〜37.5t未満の車掌弁のある固定編成用2軸ボギーのB寝台車で200番台の19両目に造られた車両、と言うことになります。

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