| このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
Verjaardag | |
| "Verjaardag" -これはオランダ語で「誕生日」を意味する言葉である。他の欧米諸国がどうなのかは知らないが、オランダ人は老いも若きも「誕生日をお祝いする」のが大好きである(^_^;) では、一体どうやってお祝いするのか？ 私にとっては随分不思議な祝い方をするのである。 その１ 職場にて 今日があなたの誕生日だったら、あなたが同僚にケーキを振る舞う。間違っても同僚があなたのためにケーキを買ってくれるのではない。 あなたが買うのである。夫の会社の場合、秘書に何人分のケーキが必要かを伝え、秘書が会社のお得意先となっているケーキ屋に注文するそうである（秘書はそんな仕事までするのである）。「会社のお得意先のケーキ屋」というものが存在するあたり、いかにこの行事（?）が頻繁に行なわれているかが伺える（ちなみに夫の会社ではこの「お得意先」が3軒あり、注文主はこの3軒から選ぶことが出来るのだそうだ。全く福利厚生の行き届いた会社である）。それから夫のいる部署では一人毎年25ギルダーを払い、そのお金を使って誕生日の人に花束を贈るのだそうである。夫曰く「結局自分が払ったお金でもらった花なんだけど、それでももらえるのは嬉しい」だそうだ。夫の同僚は25人程度なので（会社全体には1000人以上の社員が働いているのだが、この行事が行なわれるのは各部署内だけなのだそうだ。そりゃそうだろうな）、夫は平均月に2回仕事中にケーキを食べることが出来るという計算になる。もっとも、 同じ日に2人の誕生日がある、ということもあるそうで、そういう時は「ケーキでおなか一杯・・・」とかいいながら帰ってくる。その２ プライベートなパーティー これは大抵誕生日に近い週末（夜が多い）に誕生日の人の家で行われる。招待されるのは家族や友人が主である。これにも一つのパターンがある。 あなたが誕生日のパーティーに招待されたとしよう。まずパーティーの主役である誕生日の人に挨拶をし、プレゼントを渡す。プレゼントの予算は、相手が友人なら25ギルダー程度、相手が家族ならもう少し上である。本、ビールやワインなどのアルコール、それからCDといったところがよくある（＝人気がある、とは限らない）プレゼントである。 主役に挨拶を済ませたら、今度はあなたより先に来ていた招待客に挨拶をする。どうやって挨拶をするか？ 当然一人一人順番に握手して回るのである。片手を挙げて全員に「やあ!」では済まないのだ。当然初めて会う人もいる。その場合は自己紹介をする・・・といってもあなたの名前を言うだけであるが。相手が仲のいい友達で、しかもそれが女性だった場合は頬にキスをしてご挨拶をする。右、左、右の3回である（左、右、左の3回、の説もあり）。3回もキスをするのはオランダだけらしい（この話は近隣諸国では結構有名）。男性同士の場合は仲のいい友達でも握手だけである。あなたの後に新たな招待客がやってきた場合、当然あなたはその度に立ち上がり、彼（彼女）と挨拶をするのである。 挨拶を済ませて椅子に座ると、まずコーヒーか紅茶が出される。最初の一回はケーキも一緒である。その後2、3杯のコーヒーまたは紅茶が続き、クッキーやチョコレートと共に出される。そうして客も大体揃った頃にやっとビール、ワインといったアルコールが出されることになる。もちろん車で来た招待客のため、オレンジジュースも用意されている。アルコールが出てくるとポテト・チップス、ナッツ、オリーブ、チーズ、ピクルス・・・といったスナックも出てくる。 ここで忘れてはならないのは、招待客同士が歓談している間、主役であるはずの誕生日の人は飲み物やらスナックやらの準備に明け暮れているのである。 「主役＝ホスト/ホステス」、これがオランダの誕生日である。ついでに「バースデーカレンダー」 ほとんどのオランダの家のトイレ、大抵ドアの内側にはカレンダーが飾ってある。しかしこのカレンダー、不思議なことに曜日が入っていないのである。つまり毎年繰り返し使うものなのである。このカレンダーには家族や友人の名前が記入されている。名前の書かれている日がその人の誕生日なのである。オランダ人は家族や友人の家に遊びに行ってその家のトイレを使うと、まずこのカレンダーをチェックする。そこに自分の名前があればよし、その友達にとってあなたの誕生日は「祝うべきもの」なのである。が、もしなかったら・・・(^_^;)
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