このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
『奥の細道』
〜東北〜
〜乙字ヶ滝〜
東北自動車道須賀川ICから国道118号を行く。
須賀川牡丹園
を過ぎて、阿武隈川へ。
阿武隈川に乙字ヶ滝がある。
ふくしま緑の百選
須賀川牡丹園と乙字ヶ滝の緑
昭和60年6月選定
主唱/福島民報社・福島県緑化推進委員会
乙字ヶ滝
乙字ヶ滝は阿武隈川唯一の滝で、
日本の滝100選
に選ばれている。
元禄2年(1689年)4月22日(陽暦6月9日)芭蕉は須賀川に至り、28日に須賀川を出発する手筈が整っていた。石河の滝(乙字ケ滝)を見ようと思ったが、五月雨で水かさが増しているため阿武隈川越えることが出来ないので1日出発を遅らせた。
29日は快晴、午前10時頃、須賀川出発。石河の滝(乙字ケ滝)を見に行く。
奥の細道石河の滝
当時は乙字ケ滝を石河の滝と言った。
『奥の細道』に乙字ケ滝は書かれていない。『曽良随行日記』による。
一 廿九日
快晴。巳中尅、発足。石河滝(乙字ケ滝)見ニ行。(此間、さゝ川ト云宿ヨリあさか郡) 須か川ヨリ辰巳ノ方壱里半計有。滝ヨリ十余丁下ヲ渡リ、上ヘ登ル。歩ニテ行バ滝ノ上渡レバ余程近由。阿武隈川也。川ハヾ百二、三十間も有之。滝ハ筋かヘニ百五、六十間も可有。高サ二丈、壱丈五、六尺、所ニヨリ壱丈計ノ所も有之。
『曽良随行日記』
芭蕉句碑。
五月雨の滝降りうつむ水かさ哉
出典は
『青蔭集』
(雨考編)。
『俳諧書留』は「さみだれは」。
須か川の駅より東二里ばかりに、石河の滝といふあるよし。行て見ん事をおもひ催し侍れば、此比の雨にみかさ増りて、川を越す事かなはずといゝて止ければ
さみだれは滝降りうづむみかさ哉
翁
『俳諧書留』
文化10年(1813年)11月12日、
石井雨考
の世話で江戸の如意庵一阿建立。
この句碑と一緒に彫られたものが
玉川村竜崎
の旧家に芭蕉の句碑がある。
一阿は立川氏。浅井寥和の門人。別号一掬庵。
一阿の句
山ぶきや蟹やく家を中にして
『物見塚記』
汐干してはなしのやうな月夜哉
『青かげ』
元禄9年(1696年)、天野桃隣は石川の滝(乙字ケ滝)を訪れ、句を詠んでいる。
須ヶ川、此所一里脇、石川の滝アリ。幅百余間、高サ三丈に近し。無双の川滝、遙に川下ヨリ見れば、丹州あまのはしだてにひとし。
○比も夏滝に飛込こゝろ哉
[無都遅登理 五]
ところで、須賀川に「須賀川」という川があるのだろうか。
『奥の細道』
〜東北〜
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