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 雄山環状林道/ Oyamakanjyo林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
探索日 2016.08.12 / No.TO-099 
 [ 所在地 ]三宅村 [ 状態 ]環状半ダート(現状はピストン半ダート)
 [ 接続林道 ]- [ 分岐林道 ] 南戸林道 ・伊ヶ谷林道・神着林道・ 三の宮林道土佐林道上山林道坪田林道 ・阿古林道
 伊豆諸島最高の素晴らしさで魅せる絶景の数々、三宅島林道の真骨頂がこの1本に!

宅島を林道探索で訪れたならば、死んでも絶対に見逃すことのできない三宅島を代表する雄山環状林道。太平洋に浮かぶ絶海の孤島にありながら、延長距離は実に20.809mもある長距離林道ですが、それもそのはず。三宅島中心にそびえる「雄山(おやま / 775.1m)」の山腹を周回する、つまり三宅島をグルっと1周するリング状の林道だからなんですね。走り応え十分な延長距離があると同時に林道の位置する標高も海抜180〜460m地点と高く、最高に素晴らしいパノラマが期待できるのは言うまでもありません。そんな雄山環状林道は行き止まり地点のない環状林道なので、どこから探索スタートしても構わないのですが、探索開始にチョイスした地点はここ。おそらく画像を眺めて「えぇ、一体なにを言っている?!」と思ってしまうかもしれませんが、それにはちゃんと理由がありますよ。
山環状林道の探索スタート地点の様子ですが、目の前の橋が消失して林道が寸断されているのが分かりますね。そう、平成12(2000)年に発生した雄山噴火によって雄山環状林道は30ヶ所あまりが泥流により寸断される甚大な被害を被りました。平成30(2018)年5月現在、寸断箇所はほとんど復旧しましたが、今なおここ1ヶ所だけは寸断された状態が続いているというわけ。よって現状としては林道を1周できなくなっています。
→ 現在地を確認する!
→ 林道寸断地点を眺める!
のような状況を知れば、ここから探索開始する理由はおのずと分かると思います。消失した橋の対岸地点へと回り込んで雄山環状林道を周回してやろうとの、ルート的な探索効率も考慮した苦肉の策なんですね。しかし、噴火から18年もの歳月が経過しているのに未だ全線復旧していなかったとは・・・。むぅ、火山島たる三宅島林道を少しばかりナメていたかな。ちなみに平成12(2000)年の噴火は島内の林道で60ヶ所あまりを寸断したらしいです。
→ 斜面(雄山)を眺める!
→ 眺望(三池港方向)を眺める!
→ 林道寸断地点の対岸を眺める!
→ 付近を調べる!
いうわけで雄山環状林道の探索は橋の流失していた林道寸断地点からスタート! そして寸断地点を後にするとすぐに真新しいホワイトな簡易鋪装区間が現れます。もともとここは鋪装区間なのですが、なにゆえそこだけ真新しいのかは行く手を眺めれば一目瞭然。斜面が崩れて路面崩壊した場所の復旧跡だったからなんですね。しかし物凄い崩れ方だな! 崩れるというよりも山が壊れているといった方がぴったりな崩壊の現場でした。
々とした雄山斜面の崩壊地に敷かれた真新しい簡易鋪装を進みます。さすがにこのような険しい状況なので、コンクリで路面を固めないと危なくて車両の通行はできないのでしょう。しかし、復旧された路面の真新しい白さとは裏腹に、ここはいつ再び崩壊しても全然不思議のない雰囲気がぷんぷんです! 前方のあの路肩の脇、危ないな〜。
→ 眺望(三池港方向)を眺める!
っぱりな。せっかく復旧したのに林道はすでにこの有様でした。火山噴出物のスコリアが路面を半ば埋め尽くした地点に遭遇! 路肩の擁壁を埋めんばかりに斜め45°でどっさりと堆積していましたが、しかしここは雄山火口の外輪部から続く斜面に開設した林道です。取り除いても取り除いても無限にずり落ちてくる大量のスコリアできりがないと思われます。ならばと放置すれば林道が埋没するのは時間の問題であり、そこが火山島の林道ならではの厳しいところですなぁ・・・。てんこ盛りのスコリア、ざくざくでした。
→ スコリアを眺める!
場で振り返るとこのような状況。噴火とその後の泥流の発生で斜面ごと崩壊してしまった林道は復旧されていましたが、ブロック擁壁の上の斜面が崩れてスコリアが路面にずり落ちて堆積していました。また、斜面が削られたため立ち枯れの樹木もずり落ちてしまい、スコリアの山の中に転がっていたんだっけ・・・。
→ 斜面(雄山)を眺める!
→ 眺望(三池港方向)を眺める!
山斜面の崩壊地を過ぎると左手より駆け登って合流してくるのが上山林道。林道標の設置されていない村管理の林道で、そちらに進めば三宅島空港にほど近い「坪田」へと退出でき、三宅島ならではの溶岩ダートを満喫することができますよ。ちなみに、今回の雄山環状林道探索スタート地点へのアクセスは坪田地区から上山林道を経由するのが最短ですが、路面は走りにくい溶岩系ダートなので、島のレンタルバイクで探索する場合は、さらに先で現れる全線鋪装の 坪田林道 経由の方が無難です。というわけで、ここまでの林道寸断地点〜上山林道分岐区間は通り抜け不可能な事実上のピストンになっています。
→ 現在地を確認する!
→ 上山林道に突入!
→ 振り返る!
山林道分岐を過ぎて雄山環状林道本線を進みますが、路面状況は一気に好転します。山腹より崩れて路面に堆積するスコリア崩れもここでは全く見られません。アップダウンの起伏は続きますが、島のレンタルスクーターでも快適に進めると思います。でも、探索時にはここまでやってくるスクーターの姿は全く見かけませんでした。林道寸断地点に近いこと、分岐する上山林道がガタガタな未舗装であること、そしてこの近辺が「三宅島ジオトレッキング」ルートから外れていることが原因で一般観光客もやって来ないみたいです。
→ 斜面(雄山)を眺める!
り時には荒涼とした雰囲気の漂うこの区間ですが、快晴時には雰囲気も明るく激変してこの通りです! 林道の路肩にたたずめば、三宅島からおよそ25km離れた御蔵島の島影が太平洋の水平線上に見えており、涙が出るような最高の「きよきよ(清々)」しさを感じることができると思います。雄山環状林道で1、2位を争うビューポイント区間が連続します。
[ 進行方向はWRのリア側 ]
→ 斜面(雄山)を眺める!
→ 眺望(御蔵島方向)を眺める!
→ 眺望(サタドー岬灯台方向)を眺める!
→ 眺望(坪田方向)を眺める!
→ 付近を調べる!
高に素晴らしい太平洋のパノラマ区間が続きますが、林道のこの位置からは三宅島空港と三池港が眼下によく見えています。そしてここは運とタイミングに恵まれさえすれば、空港を発着する新中央航空のプロペラ機が、そして三池港に寄港する東海汽船の橘丸を眺めることができる素敵な場所。「どうしても!」という方はそれを狙ってみるのもいいかもね。
[ 進行方向はWRのリア側 ]
→ 眺望(三宅島空港方向)を眺める!
→ 景色を眺める!
手の海岸沿いに坪田の集落の家並みを眺めつつなだらかな登りとなった雄山環状林道を進みますが、平成12(2000)年の噴火によって壊滅状態となった山腹の森林の立ち枯れ林の風景が印象的でした。その後、植物は徐々に根付き始めているものの、まだまだ残る噴火の傷跡に圧倒的な自然の凄まじさに圧倒されること間違いありません。
→ 眺望(立ち枯れ林)を眺める!
「左折分岐発見!」今なお噴火の傷跡生々しく立枯れ林の広がる雄山山腹。そこに延びる林道をたどって進むと左折分岐がありました。手持ちの地理院地図によれば、長さ200mほどのピストンであることが判明。でもそこは入口から草ボーボーな廃道状態でした。無理に立入ってかつての風土病「七島熱」の原因のツツガムシなんかにヤラれてはたまりません。ここは眺めるだけに留めてパスしておくことにします。
→ 現在地を地理院地図で確認!
チジョウススキの薮にまみれて草ボーボーに廃道化していた分岐を過ぎて進んでいくと、林道の路肩に火山活動の観測施設がありました。大昔から噴火を繰返してきた雄山は、20世紀以降も昭和15(1940)年、昭和37(1962)年、昭和58(1983)年、平成12(2000)年と、4回もの噴火を繰り返しています。現在も気象庁の「三宅島火山防災連絡事務所」や「防災科学技術研究所」が火山予知にむけてリアルタイムで観測を行っているんですね。
[ 進行方向はWRのリア側 ]
→ 火山観測施設を眺める!
→ 眺望(坪田漁港方向)を眺める!
山観測施設を過ぎてしばらく進むとコンクリ鋪装の雄山環状林道は水の無い枯れ沢を跨ぎます。しかし、画像を眺めて分かるように、あからさまに砂防ダムが幾重にも構築されていたんですね。雄山噴火で山腹の崩壊、泥流が多発したのでその対策でしょうが、手持ちの地理院地図にもこの付近一帯に「」マークがベタベタと記されまくっていましたよ。そしてそのような砂防ダム密集地帯をさらに進むと・・・。
→ 地理院地図で確認!
→さらに雄山環状林道を進む!
→探索中止!
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