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有井浮風・諸九
『その行脚』(諸九尼撰)
宝暦12年(1762年)5月17日、有井浮風は61歳で没。 |
宝暦13年(1763年)5月、浮風一周忌。『その行脚』(諸九尼撰)。 |
腰かけて啼空もあれ時鳥 | 文雄 |
浮風聞て曰、意格別の句をならふへしと、 | |
ほとゝきす月の桂の木にとまれ | 浮風 |
坂のほる杖は翅やねり雲雀 | 浮風 |
かく吟して我に力を付けるに、予は十町斗のかけ路につかれて、 | |
見習ひの行脚は暑し九折 | 文雄 |
寶暦癸未之夏 | 陽明社 文雄書 |
千鳥菴後婦 | |
暮むつはその暁やほとゝきす | 諸九 |
洛九十九菴 | |
ほとゝきす其一聲をかたみとは | 文下 |
鶯や佛の國へ音を入る |
蝶夢
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蚊を追ふてあかぬ時あり枕經 | 南花 |
百ケ日にもとゝりをはらひて | |
諸九尼 | |
掃捨て見れは芥や秋の霜 | 蘇天 |
九州行脚の名残に廟参して | |
行秋のさらはも松の谺かな | ゝ |
その行脚 下 | |
諸邦追悼 | |
湖南 | |
枝に葉にたへぬ涙や栗の花 |
文素
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けふは又淋しく悲しかんこ鳥 | 可風 |
哀 傷 | |
備中倉敷 | |
五月雨や傘より上は凌けとも | 暮雨 |
湖白菴主をいたむ | |
藝州廣島 | |
はゝきゝやまたぬれて居るきみか笠 |
風律
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初月忌、連中各つとひ集り、
西徳寺
にして法 | |
筵の俳諧を催して | |
此道と覗けは濡るゝ泉かな | 文雄 |
住持 | |
連は空行蓮の葉の笠 | 水翁 |
きさらぎ中の七日、諸九尼の笈に守まいら | |
せる浮風居士の画像を閑室の床にかゝけ、 | |
茶菓をすゝめ句をさゝけて往年を慕ひ侍る。 | |
花生ももゆるなみたの木の芽かな | 文雄 |
煎茶の友のたらぬ春雨 | 諸九 |
郭公の一聲に心つくしの枕をおとろかし給ふ | |
湖白庵を哭し奉る | |
橘をこゝろ尋ねや鳥の聲 | 杏扉 |
湖白庵の法筵、諸九尼の行脚を待て青陽菴 | |
の窓下に膝を折て | |
七十七翁 | |
啼捨をおしむ世なれや杜宇 | 杏雨 |
汗に潤ふ襟の有明 | 諸九 |
山越の茶に来る水の封を解て | 杏扉 |
ほとゝきす見もせぬ雲や此別れ |
既白
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筑後善導寺 | |
つくつくとひとり醒たり蓮の花 | 而后 |
諸國混雜 | |
浮風のぬし、ほとゝきすを句の終りとして、 | |
身まかりたまひぬと聞ゆ | |
東武 | |
月は西枕は北へほとゝきす |
凉袋
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薄墨にいまはの空や初しくれ |
蓼太
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